寝る前に筋書の山田洋次と中村勘三郎の対談を読んで、「文七元結」が何故つまらないかがわかった。二人共に長兵衛をどうしようもない困った奴ではあるが愛すべき存在で、こういう奴を排除する社会はギスギスして面白くないという。要するに長兵衛を見下しているのだ。だったらあっしは森崎東監督に演出を頼もうか。森崎監督はいつもアウトローと同じ視線に立って描いているから。
森崎東監督「文七元結」!
これは観たい! 長兵衛云々よりも、森崎演出による長兵衛の妻おかね、「角海老」の女将が観たい。
註:圓朝の原作では、「角海老」になってる。立川談志/談春たちは、「佐野槌(さのづち)」で演っていたような気がする。
註:古今亭志ん生も「佐野槌(さのづち)」でやっていた。