「効エネルギー」日記

2017-02-22

東西連系容量の増強

日本は東が50ヘルツ、西が60ヘルツと、送電の交流周波数が異なるために、東京電力中部電力を結ぶ連系線は、直交変換を行って、周波数の差を克服していることはよく知られるようになってはいる。しかし、その容量が120万キロワット分しかなく、電力を東西で移動させるのに大きな支障となり、電力市場の自由化を妨げる一つの要員にもなっている。その解消に向けて、この容量(交流―直流―交流)を増強する必要があることは言われていたが、いつそれがどのくらいの容量で実現するかは明確ではなかった。それが、飛騨信濃直流幹線の新設を通じ、90万キロワットの増強を図ることが報じられている。直流プラスマイナス20万V、双極1回線。鉄塔は約200基を設けるということで、山地を走るために難工事となる部分もあるようだ。当初、2018年2月の着工としていたが、大幅な前倒しが行われることとなり、近く着工し、工事量の平準化などにつなげる。2020年度の運用開始を見込む。この容量増強がどれほどの効果を発揮するかについてはっきりはしないが、風力や太陽光発電の増強にも一定の効果があるだろう。

2017-02-21

東北東京間連系線

東北電力東京電力の間を結ぶ連系線の容量が、東北から関東への送電に制約があるとされている。その解消のために、電力広域的運営推進機関は2月3日、東北東京間連系線を増強する広域系統整備計画を策定し公表した。計画では、広域系統整備実施後(増強後)の運用容量(東京向け順方向)は1,028万kWとなり、2021年度以降の運用容量573万kWから455万kW増強することになる。この増強により系統には70万kW程度の空容量が生じ、将来の電力取引の活性化や再生可能エネルギー電源の導入にも寄与できる。さらに、同連系線を複数ルート化することで、連系線1ルートの2回線故障時の系統分離が解消されるなど、供給信頼度の向上も図るとしている。概略工事費は1,530億円。

ここで疑問なのは、福島原発第1は東電発電所だから、そこから関東への送電網500万キロワット相当が残っているはず。その容量の転用も含めての話だろうか。それを温存していて利用を検討していないとすればけしからんことだ。少し調べてみる必要がある。

2017-02-20

スマートメーターの利用拡大

いま主要電力事業スマートメーターの設置を進めている。もっとも進んでいるのは関西電力かも知れない。スマートメーター電力自由化推進にはどうしても必要な物だが、同時に、エネルギー利用の効率化、あるいは、再生可能エネルギーの導入強化にも重要な役割を果たす。だが、基本的には各戸単位に情報通信網とつながることになるから、その利用は電力だけに限られるわけではなかろうと思っていたが、この通信機能を使って、橋梁や自動販売機といった電気以外のデータを家から家へ飛ばし(マルチホッピング)、自治体や企業に渡すサービスが始まるようだ。「IoT」に力を入れる三菱電機が具体化しようとしている。ここではスマートメーターが情報の中継の役割を果たすことになる。これは非常に有効なサービスだが、このネットワークが誰か悪意を持つものに盗用されることは十分考えられる。安全や個人情報にも関わることもあるから、防御システムを十分に組み込んで貰わないと困るだろう。このサービス事業者は大丈夫だと言うだろうが。

2017-02-18

北海道電力の揚水発電所

北海道電力2014年10月に道内で初めて純揚水発電所、京極発電所京極町)の運転を始めた。15年11月には発電機を2台に増やし、最大出力は中規模火力発電所並みの40万キロワットになっている。ところが、この発電所の発電利用率が低迷していて、15年度は約2%にとどまり、16年度も同程度で推移していると報じられている。京極発電所はダムが川をせき止めて造った下部調整池と、それより400メートル高い位置に人工で造った上部調整池で構成している。電気が余っている時間帯に電動ポンプで上部に水をくみ上げ、足りない時間帯に水を落として発電する。北電は京極発電所の利用目的について(1)太陽光風力発電所の発電量の変動を吸収する(2)電力需要が増える時間帯に電力を供給する(3)火力発電所計画外停止に備える――と、3点をあげるが、泊原子力発電所運転が長期停止しており、揚水に多くの電気を使ってまで利用する利点が薄れているようだ。この余裕を使えば、北電管内に太陽光風力発電所を大きく導入できるはずだが、これ以上導入できないとしているのは、いずれ再稼働すると想定している泊原発のために、敢えて設備を遊ばしているということだろう。

2017-02-17

シャープ東芝

液晶製造に大規模投資をしたことが裏目に出て屋台骨が傾いたシャープが、台湾鴻海精密工業の傘下に正式に入ってから半年。17日朝の取引開始直前に2017年3月期の連結業績見通しを上方修正し、経常損益が99億円の黒字(前期は1924億円の赤字)になると発表した。戴正呉社長が進める「鴻海流」の経営改革が業績の底上げにつながりつつあるようだ。市場ではシャープの業績改善は来期も続くとの見方が多いと報じられている。予想外に早い復活を見せたといって良かろう。

一方いま経営危機に直面している東芝。ウエスティングハウスを買収したときの経営数字の分析が甘く、とんでもない負債を背負ってしまった。シャープの時より危ない状況にあるように見える。経営の内部管理に大きな欠陥があって、この買収にあたってもマイナスに目をつぶった可能性が高い。あるいはウエスティングハウスに騙されたと言っても良いだろう。どこまで銀行が融資を続けるかが生死を分けるところまで来ているようだが、日本屈指の重電メーカーが消えることになるかも知れない。半導体事業だけでなく、優れた燃料電池技術を持つ事業部門も外部に売られてしまうかも知れない。