「効エネルギー」日記

2018-04-20

中国燃料電池バス

上海のバスメーカー、上海申竜客車は燃料電池バスの量産を始め、数百台を上海市に納車する見通しだと報じられている。2022年北京で開催する冬季五輪向け受注も目指すということだ。この報道から見ると、上海市には可成りの数の水素スタンドが建設されなければバスの運行はうまく行かないはずだ。これだけの台数の燃料電池バスが走り出すことになれば、排気ガスの汚染に悩む中国各都市にも採用されるだろう。また中国政府としてもバスとスタンドの普及に向けた支援もし、同時にそれに関連した技術開発にも力を注ぐに違いない。日本の部品も調達するということだが、水素技術は中国が将来に向けた中核技術に育成しようとしているだろうから、日本のメーカーも開発に遅れをとることもありうる。水素の製造については、大規模な太陽光発電水素を作る方向に向かうだろう。それをまず上海近郊に建設することも、お上の方針として進めるだろうから、地域住民の意向などは気にすることなく推進するだろう。燃料電池自体の技術開発がどれほど行われているか分からないが、最初は輸入に頼るとしても、国産化の早期実現に注力することは間違いなかろう。日本は燃料電池バス、電気自動車の市場を中国に抑えられるかもしれない。

2018-04-19

中国シェールガス

中国はこれまでエネルギーの多くを石炭に頼ってきたが、大気汚染対応などのために天然ガスの使用にシフトしている。国産の天然ガスは少ないために、海外からLNGを輸入する量を急速に伸ばしていて、現在LNG輸入量世界一の日本を追い抜くのも時間の問題だろう。だが、中国としてもやみくもにLNGの輸入に頼るのは、安全保障観点からもリスクが大きい。そこで国産天然ガスの開発に力を入れ始め、いまシェールガスの開発が進んでいる。これまで、世界の石油開発大手は、中国シェールガスがない訳ではないが、地層が深いなどで開発コストがかかりすぎるなどの理由で進出しなかった。しかし、ロイター通信が最近報じているように、中国シェールガス生産量は急増しつつあり、2020年には、2017年の2倍となる170億立米になると予想されている。深い地層開発については、環境への影響や地域住民との折り合いがどこの国でも問題になるが、中国の場合にはこれをかなり無視した開発が可能であるために、国内の事業者による開発コストは低い。ただ、中国政府天然ガス生産量目標が当初2020年に300億立米であったのから見ると大幅に低いために、世界第3の天然ガスユーザーである中国は、当分LNGに依存せざるを得ないのが現実だ。しかし、政府の支援を受けた国内開発事業者の手で開発は急速に進展しているようで、LNGの輸入削減に成功するかも知れない。

2018-04-18

亜鉛空気燃料電池

少なからず気になる記事が海外から入ってきた。亜鉛空気燃料電池というもので、空気中の酸素を利用して発電するらしい。空気と化合して発電し、その結果できる酸化亜鉛を電解液である水酸化カリウム(KOH)溶液と一緒に外部へ取り出して電気分解し元の亜鉛としてから貯蔵タンクに戻してやり、必要に応じてその亜鉛の入っている電解液を取り出して空気と接触させて直流を発電させるというものだ。調べて見たら、補聴器などの電源として使われる空気電池と発電の原理は一緒。空気電池の場合には酸化亜鉛を取り出すものではないから、一回限りの使用となる。だが、亜鉛を循環させてやれば、蓄電池として機能する。同じような機能のもので、5酸化バナジウムを媒体に使うフローバッテリーを知っていたが、バナジウムは非常に高価なため高コストで普及はしていない。だが亜鉛は非常に安価な素材だから、これを使った空気電池を大型にできれば、天候で出力が変わる自然エネルギーの変動抑制にも使える蓄電池としてコストがかからないものになるはず。http://www.zincnyx.com/technology/ にその仕組みが示されているが、既に商品として市場に出ているのかどうかがよく分からない。専門家に尋ねてみよう。

2018-04-17

船舶の燃料転換

船舶用の燃料に対する規制が世界的に強化されている。2016年現在、海運技術の向上や海洋汚染の防止などを目指す国連の専門機関である国際海事機関(IMO)は、SOX硫黄酸化物)の全海域規制を検討しており、船舶の燃料に含まれる硫黄分の上限を現行の3.5%から2020年に0.5%まで引き下げる。国際海事機関による規制を待つまでもなく、バルト海北海北米沿岸海域などにおいては、すでに船からの排気ガス規制が施行されているとのこと。バルト海域を走るカーフェリーとして、すでにLNG燃料船が就航しているのみならず、新造船ではLNGエンジンが一般的なものとして採用され始め、世界最大のクルーズ会社であるカーニバル・コーポレーション(アメリカ)は、数隻の大型クルーズ船に重油LNGによるデュアルフュエル(二元燃料)エンジンの採用を決めている。ほか、各国で自動車運搬船のエンジンとして採用されつつある。このような規制への対応に日本は立ち後れている。海運会社がIMOの規制に対して採れる対応策は3つだ。1つ目が脱硫装置を船に取り付けて現行の燃料を使う策、2つ目が液化天然ガス(LNG)などを燃料とする船舶を建造する策。そして3つ目が硫黄分の低い石油燃料を使う選択肢だ。日本では1と2はコストと対応時間の制約があり、当面は高硫黄から低硫黄へ、重質油から軽質油へと燃料をシフトさせることで対応することになる。しかし、いずれ日本でもLNGを燃料にする方向に進むことはまず確実だろう。それにはまずLNGを使える船の増強、そして、それへLNGを供給する基地を全国的に確保することが必要だ。海に囲まれた国として、これはできるだけ早期に対応が求められることになる。

2018-04-16

ISEPのプレスレリース

4月11日にISEP(環境エネルギー政策研究所)が出したプレスレリースによると、2017年暦年で見た国内の全発電量に占める自然エネルギーの割合が15.6%になったと推計されるということだ。太陽光発電の割合は、前年の4%から5.7%に増加し、変動する自然エネルギーVRE)の割合は6.3%に増加。その他の自然エネルギー(風力、地熱、バイオマスなど)は、ほぼ横ばいの状況が続いている。火力発電の割合は2016年の83.6%から81.6%に減少し、原子力は2.8%に増加している。VRE太陽光発電風力発電が分類されるのだから、上の説明は少し回りくどいかもしれない。この自然エネルギーの分類には大規模水力発電も入っているが、大規模水力を除いた数字が使われることもあるので、その区分が必要かも知れない。(水力を外した自然エネルギーの割合は8%ということになる。)一方、2011年福島第一原子力発電所の事故後、全部の原発が止まって後、少しずつ稼働が開始されていることから、その発電量は全体の2.8%となっているが、その数字は太陽光発電による発電量のほぼ半分。そして、日本の自然エネルギーによる発電の特徴は、風力発電が極端に少ないことも示されている。世界的な状況では、風力発電太陽光発電を上回っているのだが。化石燃料による発電ではLNG発電が38.7%、石炭火力が30.4%、石油火力が4.1%となっている。パリ協定を受けて、この数字が今後どのように変化していくか、しばらく様子をみなければなるまい。