「効エネルギー」日記

2018-10-22

カーボンファイバー(炭素繊維)が蓄電池

スエーデンのCharmers工科大学の発表によると、それ自身が電極になって蓄電池となる可能性があることを実証したようだ。カーボンファイバーは、強靱な構造材として実用化されているが、その組成である炭素の構造を若干隙間があるようなものにすることによって、そこに電子が貯まるようにすることができるとのこと。カーボンファイバーは軽くて強靱であって、いま飛行機の導体や翼に使われ、自動車を軽くすることによって燃費を大きく上げてもいる。その素材の結晶構造を変えることによって、若干強度は犠牲になるものの、構造材として使うには十分すぎる強度を維持しながら、軽さについてはスチールより遙かに軽い素材になり、その素材全体が蓄電池になるというものだ。

いま目標としているのは、自動車の素材の殆どをこれに切り替え、自動車全体が蓄電池にするというもことだ。しかも、蓄電効果があることは、動きで発電させることができるし、センサーの役割も果たし、その信号やデータを伝える役割まで果たすことが出来るそうだ。従来の強度重視のカーボンファイバーにもこのような効果があるのだが、実用的に使えるほどのものではないという。結晶構造を変えたカーボンファイバーをリチウムイオン電池の電極に使えば、電池の性能を向上させる可能性もあるらしい。

この発表から見ると、自動車航空機の構造材を新しい結晶構造を持つカーボンファイバーに置き換えるのに大きな障害となるものはなさそうだから、極めてエネルギー効率の高い輸送機関が開発されることになるだろう。

2018-10-21

トランプ大統領、核廃棄条約の破棄表明と日本

トランプ米大統領20日米国旧ソ連との間で結んだ中距離核戦力(INF)廃棄条約を破棄する意向を表明したと報じられている。ロシア条約に違反しているためということらしく、トランプ政権は核戦力増強の足かせをなくし、条約の制限を受けずに戦力増強を進める中国に対抗する狙いもあるとみられる。冷戦後の核軍縮の流れは大きな転機を迎える。

この条約に日本は拘わっているわけではないのだが、トランプ大統領は、自分の力を米国民に見せつけるためには、手段を選ばないということからいって心配されることがある。日本は原発の使用済み燃料からプルトニウムを取り出すことを特別に容認されているが、?使用目的のないプルトニウムは持たない、?プルトニウム保有量を毎年公開する、ことを励行することによって国際的理解を得てきた。国際社会が核保有を認めているのは米、露、英、仏、中の5ヵ国だけ。そして国連常任理事国もこの5ヵ国である。事実上この核保有5ヵ国が世界を牛耳っている。その中心にいるのが核兵器の約半分を持つ米国である。その米国の最大の関心事は核保有国を増やさないことだ。これまで日本は、再処理して出来たプルトニウムは発電燃料として利用するとして、保有量が増えるのを許容されてきた。だが、米国はこれを容認しない方向に向かっているようだ。発効後30年の満期を迎えた日米原子力協定はこの7月14日に自動延長され、プルトニウム保有米国容認されたが、トランプ大統領はこの協定を一方的に破棄するという方向に向かうかも知れない。再処理工場が稼働すると日本は保有するプルトニウムが増えることになり、それを現存の原発MOS燃料として使っても減らすことは出来ない。この窮状を利用してトランプ氏が、何らかの取引の代償として協定の破棄をするではないかと心配している。

今日昼には、卒業した中高の同窓会が梅田の中華レストランであった。小中高一貫校だったから、小卒の人もいる。みな元気そうに見えるが、それぞれに健康の悩みを持っている。あまり運動に力を入れない方が良いという意見もあったりしたが、日常を忘れる1日だった。

2018-10-20

太陽光発電+太陽熱給湯 セット販売

これまで家庭用規模の太陽光発電には、住宅メーカーも設置を進めるなど、脚光を浴び続けている。だが、設置コストも安いし、電気やガスの消費も下がる太陽熱給湯器への支持は盛り上がりを欠けていると思い、どうしてこの二つを一体化したシステムが開発されないのかなと思っていた。今日の日経の地方版で、太陽光発電システム製造のサンジュニア(長野県須坂市)は、太陽光発電と太陽熱給湯をパッケージ化した商品「あおぞらソーラー」の販売を始めたと報じられたのを見て、やっと消費者も新しい選択が出来るようになったと感じている。これまで個別に販売していた両システムを一緒にして、導入費用を従来比20万円ほど抑えたそうだから、かなりお得感が生まれるだろう。

これは多分既存の太陽光、太陽熱の利用を同時設置することによってコストを下げたもので、例えば、一つのパネルに太陽光発電と太陽熱利用システムが一体化した物ではなさそうだ。販売価格は120万円(税別)で、住んでいる自治体によっては補助金を活用できる。10年間使えば光熱費の削減効果と売電収入で導入費を回収でき、太陽熱が5年、太陽光が10年のシステム保証も付く。これを設置できる屋根の形状がどれほどフレキシブル選択できるかもあるから、既築の住宅への取り付けに需要があるのだろうと感じる。完全一体型の発電給湯システムを開発するメーカーは出てこないだろうか。あるいは、そのような商品が既にあるとすれば、その情報を入手したい。

2018-10-19

鉄鋼製造と石炭の関係

鉄鋼を製造する高炉では、コークスが大量に使われるが、コークス石炭を蒸し焼きにして作る。その時に出てくるガスが昔は都市ガスに使われていた。高炉からはCO2が大量に排出されることから、地球温暖化対応としては困った存在だが、鉄鋼は全ての産業を支える物として日本では高炉は不可欠のものだった。しかし、脱石炭の動きが鉄鋼産業にも拡がってきたということだ。鉄鋼は産業界で最大量のCO2を排出する。最大生産国の中国石炭を使う高炉の淘汰を進め、新興国欧州でも環境規制を強める。高炉は高品質な鉄をつくるのに欠かせず、新日鉄住金など日本勢は技術革新で乗り切る構えだが、世界的な環境対策の競争に乗り遅れれば存在感は低下しかねない。

国際エネルギー機関によると世界の産業のCO2排出量に占める鉄鋼の比率は約3割。日本では約4割を占める。世界の鉄鋼の半数を生産する中国も「脱・高炉」を加速している。経済協力開発機構OECD)は「中国の鉄鋼業の高炉比率は現在の9割から6割以下に下がる」と予測しているとのこと。製鉄の方法は、鉄鉱石から鉄を取り出す「高炉」と鉄くずを溶かし再利用する「電炉」に二分できる。電炉は製造段階のCO2排出量が高炉の4分の1とされる。しかし、電力消費量が大きいから、総合するとそれほどの削減はできないことは確かだ。だが、環境規制が強まるインド東南アジアでも今後は一定程度、電炉の導入が進む可能性がある。一方で、日本の鉄鋼業の電炉比率は17年で24%と世界平均(28%)よりも低いとされる。日本勢が得意とする自動車用鋼材などの高付加価値品は高炉でないと造るのが難しいらしい。製品の競争力を維持するため、大手は今後も高炉を柱と位置づけ、環境技術の開発を急ぐ。その中心は石炭水素に置き換えることだそうだ。これによって、CO2の排出量を3割へらせるらしい。30年頃の実用化を目指しているようだが、それでは脱石炭の動きについていけない可能性もある。環境対応を評価する投資が増えているだけに、もう少し迅速な対応が必要かもしれない。

2018-10-18

積水ハウスエネファーム

積水ハウスが発表しているが、家庭用燃料電池エネファームを同社の新築戸建て住宅に設置した累積数がこの8月末時点で5万台を越えたという。これは日本全体の累積数が25万台だから、その5分の一で、一社の設置数としてはトップを行くものだ。700ワット(少し前まではパナソニックが750ワットのものを出していたが、現在は全てが700ワットになっている)という発電規模は、戸建て住宅の場合でもピーク時を除くと、余裕があるものだ。また、東日本大震災の後、東京電力管内で計画停電が起きたときに、配電系統からの電気がなくなると、エネファームも当時の仕様では停止することになっていたが、ユーザーからの、停電の時こそ動いて欲しいという要望が大きくなり、停電時には独立運転できるようになった。また、固定価格買取制度の対象となる10キロワット未満の屋根設置太陽光発電と組み合わせて、燃料電池が発電して太陽光発電が発電した電力を系統に売る(逆潮)量を増やせるようにしたことも、戸建て住宅にエネファームが取り付けられる動機付けにもなっている。エネファームは小型のコージェネレーション(熱電併給)だから、発電効率は50%前後だが、熱を回収して給湯や暖房に利用することによって、総合効率は80%を超える。これによって戸建て住宅からのCO2排出量も抑制できることになり、地球温暖化防止にも貢献している。同社の実績は、再エネの利用促進や地球温暖化を抑制する企業を評価するようになった社会からも注目されるだろう。これが新築だけでなく、同社の既築住宅へのエネファーム設置事業の拡大にもなるはずだ。逆に言えば、価格も下がり、国の補助金もつくエネファームが戸建てに設置されているのが当たり前の時代に入るかもしれない。10年以上前に、新しく開発されたエネファームの実証試験を自宅で実施させて貰ったものとしても、嬉しいニュースだ。積水ハウスエネファーム設置累積推移は下記から見ることができる。

https://www.sekisuihouse.co.jp/sustainable/netzero/objective1_6/index.html