「効エネルギー」日記

2017-12-15

蓄電池の規格統一

いま電気自動車を推進する動きが世界的に激しくなっている。その中で、トヨタ自動車はこれまで燃料電池に目標を絞ってきたのが、電気自動車の導入に舵を切ったようだ。それも従来型のリチウムイオン電池を使うのではなく、全固体リチウム電池を開発し、安全性を高め、かつ蓄電容量を大きくする方向のようだ。そして、その一環としてだと思うが、このほど蓄電池の最大手であるパナソニックと協業する協定を結んだ。両社はハイブリッド車(HV)や車載用電池の開発・生産で培った技術や市場データを持ち寄り、EVやプラグインハイブリッド車(PHV)などに使う「角形電池」と呼ばれる車載用電池で業界トップの性能を目指す方針を示している。ここで検討される規格の統一は、使用時間が増えて性能が落ちた自動車用の蓄電池リサイクルもやりやすくしてくれる。この規格統一には、トヨタホンダマツダなども共同で開発に向かうようだ。これから大量の使用済みEV蓄電池が生まれるのに対応するにあたって、規格が統一されていれば再利用もやりやすくなる。トヨタ燃料電池自動車を諦めたのではなく、電気自動車の後をつぐものとして、長期的な商品開発をするつもりだろう。

2017-12-14

シェアリングエコノミー

自前のものを持たずに誰かのものを借りる、あるいは、遊んでいるものを誰かに有料で貸すことで、そのコストを一部回収するのがシェアリングエコノミーだとすると、この対象は大きな拡がりを見せるだろうと思っていた。しかし、これまで盛んに報じられているのは自動車自転車シェアリングだった。価格設定のやりやすいことからだろうと思う。だが、豊田通商がこのほど開始したものは、建機のシェアリングだ。建機を常にフル稼働させるのは難しい。建築にしろ土木工事にしろ、それぞれの工程に必要な建機は異なるから、幾つもプロジェクトを進めていてフル稼働させているのは珍しいだろう。その一時的に遊休化する建機を、誰かに貸し出せれば、なにがしかの収入にもなる。豊田通商のシステムはJukiesという名が付けられていて、建機のオーナーも、借りたい人も無料で登録できる。オーナー登録の際には、Jukiesのスタッフが直接面談し、サービス利用方法や活用のポイントを説明する。機械の登録には年式や写真、購入時の価格などの情報が必要となるが、不慣れな人にはJukiesスタッフがサポートするという。レンタル料金はオーナーが自由に設定でき、レンタル料の支払いはユーザーがJukiesに前払いする形で行う。また、レンタル中の事故、破損、盗難などのトラブルは、シェアリングサポートによる動産賠償補償および対人対物補償でカバーするというから、かなり課題が検討されたようだ。ユーザーはその登録からレンタルまで最短で30分。借りる際の詳細条件や機械に関する質問は、レンタル前にオーナーとチャットでやり取りすることが可能。機械の搬送は基本的にユーザー自身で対応となるが、難しい場合はオーナーやJukiesに相談できる。殆どの重機が対象になるが、貸し出し期間は1日単位で最大3カ月(契約更新により延長可能)となっている。建築土木関連の事業者には歓迎されるシェアリングになるかもしれない。同じような方式が、小物にも応用できるかも知れない。

2017-12-13

伊方原発2号機運転差し止め

四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを広島愛媛両県の住民が求めた仮処分申請即時抗告審で、広島高裁(野々上友之裁判長)は13日午後、運転差し止めを命じる決定を出した。野々上裁判長は「阿蘇山熊本県)の噴火火砕流原発敷地に到達する可能性が十分小さいと評価できない」などとし、火山災害による重大事故のリスクを指摘したということだ。高裁レベルの差し止め判断は初めて。差し止め期限は来年9月末まで。仮処分ただちに効力が生じ、今後の司法手続きで決定が覆らない限り運転できない。伊方3号機は定期検査のため今年10月に停止し、四電は来年2月の営業運転再開を目指していた。判決では、規制委が作成した安全審査の内規「火山ガイド」が、火山の噴火規模が推定できない場合、過去最大の噴火を想定して評価すると定めていることを指摘。その上で、伊方原発から約130キロ離れた阿蘇山について「四電の地質調査やシミュレーションでは、過去最大の約9万年前の噴火火砕流原発敷地の場所に到達した可能性が十分小さいとは評価できない」などと述べ、原発の立地として不適と判断している。これは今後の差し止め訴訟にも影響することは確かだ。技術的な要素も多い内容を裁判所が判断することの妥当性について批判する意見も出されるに違いない。

一昨日準備したものをアップロードするのを忘れてしまったのだが、この差し止め判断の影響は大きいだろうから優先させた。

2017-12-12

GEが16,000人首切り

エネルギー市場の大きな変化を実証するものとして紹介している海外記事が入ってきた。それは、再生可能エネルギー志向が強くなった電力業界の動きに対応できないものとして、米国の重電メーカーGEが16,000人を、特に発電設備製造部門で人員削減をせざるを得なくなったことを例示している。この人数は発電設備部門の要員の5分の1にあたるという。そして、さらに、同社が2年前にフランスアルストム社から100億ドルで再エネ部門を買い取って、自社の再エネ部門にしたこともGEが大きく事業の舵を切ったことを示しているとしている。特に世界的に、そして米国でも、洋上風力発電の建設が急速に進められていて、発電事業者が化石燃料による発電をしなくなったことが、この根っこにあるそうだ。GEガスタービンの最大手メーカーだが、この事業が大きく停滞し始めているらしい。この大きな変化にGEがついて行けなくなっていることを示すと論評している。GEだけでなく、ドイツジーメンスも先月発電設備部門で6,900人の配置転換をして製造工場を閉鎖しているそうだ。風力発電にもタービンが使われるが、火力発電で使われるタービンに比べて設置後のメンテの必要性が小さく、トータルとしての収益性が大きく落ちるとしている。日本の発電設備メーカーはどちらの方向に向けて動いているのだろうか。

2017-12-10

世界自然エネルギー白書

今日、環境エネルギー政策研究所(ISEP)からのメールが入った。自然エネルギー世界白書2017ハイライト日本語版を公開、ということだった。出だしを丸写しにしたものだが、その最初のハイライトが次のようになっている。

「■ 2016年自然エネルギー容量の新規導入量は161GWと新たな記録を樹立し、これは世界全体で見ると2015年に比べ約9%の増加となった。太陽光発電2016年に最も躍進し、自然エネルギー増加量のうちの47%を占め、続いて風力発電が34%、水力発電が15.5%を占めた。5年連続して、自然エネルギー(水力を含む)導入への投資火力発電への投資額のおよそ2倍となり、2498億ドルに達した。今や毎年、世界の自然エネルギー容量の導入量は、化石燃料関連の容量の導入量よりも多くなっているのである。」

この趨勢は今後も続くだろう。発展途上国にもこの流れが大きくなることは確かだ。その中で、日本は自然エネルギーの導入に、表面的には促進するかのようになっているが、その内実は、従来型の集中型電源とそれを基盤にした系統と制御を維持しようとしている。原発の発電コストがもっとも低いという神話がまだ生きていることでも分かる。系統をどのように分散制御にするか、方策を具体化しなければ、いつまで経ってもエネルギー自給率は上がらないだろう。

関心があれば、http://www.isep.or.jp/archives/info/10576 でダウンロードできる。