素朴な疑問
手抜き省エネ更新を目的にはじめた、この小説連載企画なんですが、まえがき書いたり、掲載原稿の加工をしたり、結局、通常更新より手間が掛かっているような気が……。
何故だ?<回を重ねるごとに、ぐだぐだまえがきが長くなっているから。
義忠『彼女の戰い』第5〜6回:まえがき
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http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20080316#1205650198
■義忠『彼女の戰い』第0回:本編
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20080316#1205650199
■義忠『彼女の戰い』第1回:本編
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20080316#1205650200
■義忠『彼女の戰い』第2回:本編
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20080316#1205650201
■義忠『彼女の戰い』第3回:まえがき
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20080323#1206270012
■義忠『彼女の戰い』第3回:本編
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20080323#1206270013
■義忠『彼女の戰い』第4回:まえがき
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20080330#1206838984
■義忠『彼女の戰い』第4回:本編
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20080330#1206838985
はい、そんなわけで『彼女の戰い』の連載、第4週目です。
前回の対使徒戦敗北を受けてのどん底編の「Scene 05」と、ケンスケとヒカリの訪問で持ち直す復活編の「Scene 06」を続けてお送りします。
……いや、「Scene 05」で一週間も話を止めたら、読者の神経が持たなさそうですので(汗)。
なお、前回時間がなくて書けなかった裏話的な部分を前回のまえがきに追記しましたので、よろしければそちらもご覧ください。
義忠『彼女の戰い』第5回
Scene 05
「あの女が無事だってのは、判ったわよ!」
発作的に昂(たか)ぶった感情を、アタシは制御できなかった。
「ミサトもいちいちそんなことでアタシに電話しないでよ、もうっ!」
電話口にそう怒鳴りつけ、受話器を電話機に叩きつける。
灯かりのついていない真っ暗なダイニングで、アタシは切れた電話を睨み続けた。
「……ちくしょう……」
我知らず洩らした呻きは部屋の暗がりの奥へと吸い込まれ、消えた。
義忠『彼女の戰い』第6回
Scene 06
オンフックのまま電話のリダイヤル・ボタンを押す。
いい加減、聴きあきたいつものプッシュ音。コール五回で相手につながった。
『加持です。ただいま外出しています。御用の方はお名前とメッセージをどうぞ――』
また留守電。このメッセージを耳にするのはもう何十回目だろう。
アタシは受話器を取り――そのまま下ろす。
何かを断ち切るように。
断ち切ったことをその目で確かめるように。
そして、その痛みに堪え抜く剛(つよ)さが己にあるのだと、必死で言い聞かせるように。
夕暮れ時のダイニングで、アタシは黙然と切れた電話を見つめていた。
どれほどの時間そうしていたのだろう。
不意にペンペンが足下に摺り寄ってきて、鳴き声を上げた。
「そうね……ちょっと早いけど、晩御飯にしよっか」
それを聞いてペンペンが嬉しげに鳴き、エサの器の前へととことこと歩き出す。
その背中に小さく微笑むと、アタシはキッチンへと向かった。