新小児科医のつぶやき

2012-01-31 子宮外妊娠見落とし訴訟

マスコミ情報しか無いので、参考にしたのは、

亡くなられた女性の御冥福をお祈りします。訴訟と言っても訴訟を起したではなく判決が出たの段階ですから、各社が伝えた記事は判決文で事実認定された「ものだろう」の前提で考えていきます。それと子宮外妊娠と言っても文字上の知識はあっても実戦的感覚は私にはなく、私が深く信頼しているあるバリバリの現役産科医の見解をベースにこの事件を考えて見ます。

まずは受診経緯ですが、中日と朝日で較べてみます。


中日 朝日
判決によると、この妻は2007年10月、妊娠検査薬で陽性反応が出たため同病院を受診。医師は、腹痛を訴えず出血もなかったため、帰宅させた。 判決によると、女性は2007年10月3日、妊娠を疑って同病院で検査を受けた。


朝日では単に妊娠を疑ってだけになっていますが、中日にはもう少し詳しい様子が書いてあり、

  1. 妊娠検査薬が陽性であった
  2. 腹痛も出血もなかった

その他は不明なのですが、これだけならごく普通に妊娠を考えての平穏な外来を思い浮かべます。各紙とも明記はしていませんが、普通に妊娠を考えてのものなら産婦人科を受診であるのも必然でしょう。ここまではありふれた受診風景です。ここで報道にはありませんが、妊娠の可能性で受診してますから超音波検査が行われたのもまた確実です。

超音波検査の目的は子宮内に胎嚢を確認することです。これが確認できれば広い意味の正常妊娠と言うか、子宮内妊娠(こんな表現があるのかな?)と言う事になりますが、今回は結果が子宮外妊娠ですから確認されなかった事になります。確認されなかった時に考える可能性はおおよそ3つで、

  1. 妊娠早期のために胎嚢がたまたま確認できなかった
  2. 子宮外妊娠
  3. その他の疾患

ここで妊娠検査薬ですがhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の定性検査です。hCGは妊娠に伴い増えますから、ある一定の量を超えた時に陽性として示す検査です。hCGは妊娠以外の疾患でも増大する事があり鑑別診断として候補にはあげていますが、こういうシチュエーションでは優先順位は少し下がります。とりあえずの焦点は正常妊娠か子宮外妊娠かの区別が急がれます。理由は子宮外妊娠であれば至急ないし緊急の対応が必要になるからです。

子宮外妊娠を示す他の症状としては腹痛とか不正性器出血ですが、これは受診時にはなかったとなっています。そのため担当医は正常妊娠早期の可能性も十分にありえると判断し、患者を帰宅させているかと考えます。一方で子宮外妊娠の可能性も考えての検査も行っています。中日と朝日からですが、


中日 朝日
妻の帰宅後に判明した検査結果で、子宮外妊娠の疑いは持った 女性が帰った後の同日夕には検査結果が出て、担当した女性医師は子宮外妊娠の可能性に気づいた。


担当医はhCG定量検査を行ったと考えるのが妥当です。hCGは妊娠の進行に伴って上昇しますが、子宮内に胎嚢が確認できないほど早期であるのに高値を示せば、子宮外妊娠の可能性が高くなると言う事です。そいでもってこの病院の検査システムとして、午前中の外来で行ったhCG定量検査は夕方に検査結果が出てくると言う情報を私は聞いています。

子宮内に胎嚢が確認できず、hCG定量検査が高値である時にどう判断すべきかですが、あるバリバリの現役産科医は直ちに子宮外妊娠の治療体制を取るべきだとしています。具体的には直ちに患者に連絡を取り入院させるべきだです。今回の事例ではどうであったかですが、中日記事より、

別の患者の緊急手術を担当したため、連絡しなかった。

簡潔な表現なので状況を推測補足しなければなりませんが、患者のhCG定量検査が判明した頃に緊急手術があったようです。この緊急手術に対しどこから担当医が関与していたのか、hCG検査結果判明から緊急手術に入るまでどれほどの時間があったのか、さらには緊急手術の難易度、要した時間等は不明です。

結果として言えるのは、緊急手術前に患者に連絡を行なう時間もなく、手術後は連絡するのを失念したのではないと推測されます。失念ではなく軽視した可能性もあります。そういう対応は子宮外妊娠疑いの患者に対しては好ましいものではなかったと言う事です。ただこの時点では理想的な対応になっていませんが、次善の対応でリカバリーの余地はあるとしています。

診察時点ではまだ腹痛も起こってなかったので、腹痛の連絡があった時点で緊急対応を行なえば次善ですが合格点ぐらいの感じでしょうか。具体的にはカルテに「腹痛の連絡があれば即緊急入院」ぐらいの記載を行っておくです。でもって、そういうカルテ記載による情報伝達システムがこの病院にはあるそうです。その次善の対策が求められるシチュエーションが翌日に展開します。これは朝日記事ですが、

翌4日朝に女性から腹痛を訴える電話があり、午前11時に来院することになった。女性が病院に来ないため、病院は何度も女性に電話したが通じず、午後1時に女性から「腹痛で動けない」と電話があった。

ここでのポイントは

  1. 「朝」とは具体的に何時であったか
  2. なぜに「11時」と言う妙に具体的な受診時刻が出てきたか
  3. 誰が朝の電話に対応したか

まずなんですが、朝の電話時点での患者の腹痛は猛烈なものではなかったと推測されます。そりゃ猛烈に痛いのであれば、理由の如何に関らず緊急受診させるのが通常です。ある程度自制範囲内の痛みであったと考えます。そういう腹痛であったので、ありがちな対応として、

    医師:「それなら受診しておいた方が良いと思います。何時頃なら受診できますか?」
    患者:「11時頃には受診できると思います」

こういう対応は一般的には必ずしも悪いものではないのですが、この患者の場合は子宮外妊娠の可能性を強く疑う必要があるので宜しくないと、あるバリバリの現役産科医は指摘します。これまでの胎嚢が確認できなかった事、hCG定量検査高値であること、これに加えて腹痛が加わった時点で即緊急対応に切り替わらなければならないです。具体的には、

  1. 電話対応が前日の担当医であれば論外
  2. 担当医以外であってもカルテの緊急対応の記載を確認していなかったら論外(電子カルテであって当直時間帯でも読めるそうです)
  3. カルテに即緊急対応の記載がなければこれも論外

かなり手厳しい指摘ですが、とくにhCG定量検査を行い結果が出ているので、この対応は産科医として必須であるとしています。ここまでの対応で病院側の不手際として、

  1. 受診日の夕方にhCG定量検査の結果が出た時点で連絡対応していない。ただしこの時点では次善の対策でリカバリーは可能
  2. 朝の腹痛の電話の時点で緊急対応が行なえなかったのは大きな不手際

二つのチェックポイントで不手際があるとしています。判決は7800万円の賠償請求に対し6800万円の賠償を認めています。判決ではどの点を注意責任義務として重視したかです。4紙の裁判長の言葉部分を較べてみます。


中日 判決は、妻が翌朝、腹痛を訴えて病院に電話してきた点を挙げ「子宮外妊娠や出血などによる危険性を伝えて再受診させ、迅速に手術や治療をするべきだった」と判断した。
朝日 判決は、最初に腹痛を訴える電話があった時点で、女性は危険な状態だったと指摘。子宮外妊娠の可能性が高いことや危険性を具体的に伝え、できるだけ早く来院するよう勧める責任があったと結論づけた。
時事 堀内裁判長は「尿検査の結果や腹痛の訴えを踏まえれば、医師には女性に子宮外妊娠の可能性が高いことを伝える義務があった」と指摘。その上で「早急な受診や治療の必要性を十分に説明しておらず、医師の措置は不適切だった」と結論付けた。
日経 堀内裁判長は「危険性を説明して速やかに受診するよう指導する義務があった。適切な処置をしていれば、救命できた可能性が高い」として病院側の過失を認めた。


記事による切り取りなのですが、あるバリバリの現役産科医が問題とした点、とくに朝の腹痛時の対応の不手際に注意責任義務を認定していると読み取れそうです。



これでは身も蓋も無いので少しだけ解説を加えておきます。子宮外妊娠と言っても、すべてが今回の事例のように重症化するわけではありません。むしろ多くの場合はもっと穏やかな経過を取るケースの方が多いともされます。非常に穏やかであれば自然流産となり、病院受診さえなしに終ってしまうケースも1割程度はあるという報告もあるそうです。

子宮外妊娠が重症化するかどうかの一つの境目は、どこに子宮外妊娠を起こしているかになります。確率的には卵管である事が多いそうですが、卵管であっても胎嚢が付着している部位によって症状は大きく変わります。そして最大の問題点は、超音波検査ではどこに胎嚢があるかを確認するのは非常に困難である事です。そのため治療は子宮外妊娠が疑われれば重症化を想定して手術が原則になります。

今回は腹痛発症後から死亡までの時間が非常に短いため、大きな出血を起こす部位に胎嚢が付着していたのであろうと推測されています。これがもしそれほど重症化する部位でなければ、今回の事例のような対応であっても、それこそ結果オーライになっていた事も普通にありえたと言う事です。ところが残念ながらそうでなかったと言うのが今回の事例です。

あるバリバリの現役産科医はこうも指摘しています。子宮外妊娠で大出血を起こす頻度は高いとは言えないが、問題は大出血を起こすのか起こさないのかを事前に確認することが不可能であるとしています。高くはないがある一定の確率で命にも関るような大出血を起こすのは産科医の常識であり、そういう事態を常に想定して子宮外妊娠に対応するのもまた産科医の危機管理であると。

さらに大出血の頻度は多くはないため、これを経験していないとくに若手医師の中には子宮外妊娠のリスクを軽視する者もいるとはしていました。通常はそういう産科医であっても、ニアミス症例で冷や汗をかく事により経験を積んでいくともされていましたが、今回の担当医はいきなり地雷を踏み抜いて吹っ飛んだのかもしれないとはしていました。

ただ地雷と言っても、子宮外妊娠に地雷がある事は産科医なら周知の事であり、とくに今回のようにhCG定量検査まで行っているのなら、可哀そうだが弁解の余地は乏しいであろうとしていました。


あるバリバリの現役産科医は私も非常に信頼していますが、なにぶん畑違いの分野であり、そこまでは言いすぎであるとの意見等がありましたら宜しくコメント下さい。実戦的にどうなのかは私には判断がつきませんが、少なくともJBM的には参考になる意見だとは思います。

今回はちょっと遠い人今回はちょっと遠い人 2012/01/31 09:00 亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。私はバリバリかどうかは?ですが(^^)。市販の妊娠反応陽性で、子宮内胎嚢認め得ないとき、考えうる可能性はご指摘どおりですが(3の其の他には初期流産の可能性もはいるかとも思います)、今後の方針を立てるためにはやはりHCG定量をやってます。うちの場合、数時間で結果でますので、その頃合にPtからこちらにTELするように話してます(電カルにもその旨記載)。HCG1000以下なら、外妊破裂リスクは低いと考えて、1W後のフォローとする場合が多いですかね。その場合にも腹痛時は必ず連絡を、と告げ、電カル記載。1000以上なら入院勧めるか、翌日再検でしょう(そこいらは他の所見、例えば子宮内膜の見え方とか、ダグラス、付属器がどうだかとかの総合判断とカンです)。
ただし、HCG800で卵管破裂起こした例も文献の中の引用で読んだことありますし、自験例でも1000以下、様子見、数日後腹痛来院、今度は16000、外妊ってのもありました。OP入院させて、始まっていた他の予定OPやっている間に破裂起こして血圧下降して泡食ったこととか、、外妊の経過は本当に色々ですし、今だに妊産婦死亡年間統計には必ず原因疾患としてあげられています。
詳しくは分かりませんが、今回は若い担当医で、ひょっとしたら怖さの経験値が少し不足されていたのかもしれませんね。

今回はちょっと遠い人今回はちょっと遠い人 2012/01/31 09:05 説明不足の補足です。翌日再検はHCGが精々1000〜2000程度で、他の所見も外妊否定的の時です。それ以上で子宮内胎嚢が見えないのは相当に珍しいと思いますので。この場合、HCG値がどの程度であったのかも知りたいところですか。

physicianphysician 2012/01/31 12:39 typoだと思いますが、『入院させるべだです』はちょっとおかしいです。

新聞記事だけ読むと意味がわからず、twitterで診断の流れ(産科医の考え方)をみてようやくわかりました。
他科の診断って難しいですね…。

僻地の産科医僻地の産科医 2012/01/31 13:22 子宮外妊娠での母体死亡は今でも年に数例あり、
やっぱり揉める結果になることが多いようです。

妊娠7-9週程度(最終月経から)で胎嚢が確認できないと焦ります。ただ、ある開業医では「3つの可能性」をムンテラしたところ、患者さんが怒って帰ってしまったのか苦情があったのか知りませんが、怒られてしまい、
「GS見えないくらいでそんなムンテラするなんて!」
と言われました。

私は腹痛・出血の可能性やその時の対応は言うべきなんじゃないのか?と頭にきましたが、ただでさえ不安な妊婦に不吉なことを!と思う人もいるのかもしれません。
ただこの患者さん、記事見ると「妻」という表記で原告の中に旦那さんがいらっしゃるのかと思いますが、「朝」の電話の時点で旦那さんがいぶかしがるような腹痛ではなかったのかな?と少し不思議です。
転帰が速いので、かなりの痛みだった可能性もあるかなと。

HirnHirn 2012/01/31 13:45 >僻地の産科医先生
先生が「3つの可能性」(初期の流産、子宮外妊娠、排卵日の遅れ)をムンテラしたら、その開業医の院長に怒られたってことですよね?
そりゃ、そこの開業医のほうがどうかしてますよ。そこの医院はいつかやらかしますね。

YosyanYosyan 2012/01/31 14:12 >physician様

typoでしたので修正にさせて頂きました。御了解ください。


>今回はちょっと遠い人、僻地の産科医様、Hirn様

畑違いなので理解が正しいかどうか不安だったのですが、大筋で正しかったようでチョット安心しました。事件をより正確に判断するために不足しているパーツがあるのは御指摘の通りで、

 1.hCG定量値がいくつであったのか
 2.朝の電話の時刻は
 3.朝の腹痛の時刻・程度は

死亡された女性は夫婦であったようで、夫の存在がどうであったかもミッシング・パーツの一つです。ここについては、通勤時刻、たまたまの出張、さらには通勤後に腹痛が起こったなどのシチュエーションは考えられます。

それと、これは時事ですが、

 >「尿検査の結果や腹痛の訴えを踏まえれば、医師には女性に子宮外妊娠の可能性が高いことを伝える義務があった」

これだけで判断するのは危険なんですが、気になったのは子宮外妊娠のムンテラ時期です。エントリー中には、

 1.hCG定量の検査値が判明した時
 2.朝の腹痛症状出現時

こうしていますが、今どきですから外来で子宮内に胎嚢が確認できなかった時期も必要そうに感じています。あくまでも可能性ですが、今回の事例では腹痛が出現したのが外来の翌日でしたが、場合によっては午前中の外来から同日夕のhCG定量検査までの間に起こる可能性だってあるわけです。

そりゃ、言い出したらキリがないのは確かですが、結果が重大であれば裁判所判断がどう変わるかは誰にも予想が困難なような気がしています。

京都の小児科医京都の小児科医 2012/01/31 15:02 >夫の存在がどうであったかもミッシング・パーツの一つです。ここについては、通勤時刻、たまたまの出張、さらには通勤後に腹痛が起こったなどのシチュエーション

2007年は
10月3日(水)
10月4日(木)
10月5日(金)
みたいです。10月3日の受診のことも夫に内緒(正確に診断できるまで)していた
可能性もあるかも知れません。つまり、何の心の準備もなくいきなり職場?に
病院から電話があった可能性もありうるのでは

YosyanYosyan 2012/01/31 15:24 京都の小児科医様

「赤ちゃんが出来た」をビッグニュースとして夫に伝えるために受診した事も伏せていたは考えられる事です。ただ伏せていても、もし夫が家にいる時に腹痛が起こったとすればどうかです。

これが自制範囲であれば夫に気が付かれないように送り出すのは可能ですが、激痛であれば隠すのは困難です。そうなると夫が家にいたと仮定しても、夫が出勤に出かけるまでは少なくとも激痛でなかったの解釈は可能かと思われます。

もう一つですが、結局のところ妻は自力で病院受診する事はもちろんですが、激痛になった時に助けを呼んだ形跡がありません。これは我慢していたら助けを呼ぶ余裕もなくなったも考えられますが、ある時点から猛烈すぎて助けすら呼べない激痛に急になった可能性も考えられます。これは出血からの転帰の早さからも説明可能です。

それとこれは微妙なんですが、前日の外来時に腹痛出現時の危険性の説明をどれだけ受けていたかの話に連動します。そういう一種のパニック状況に陥ると思考は非常に狭くなり、「とにかく病院に連絡」みたいな発想に至らなかった可能性もあると見ています。その時間さえも乏しかったのかもしれません。

あくまでも推測ですから、その点は宜しくお願いします。

京都の小児科医京都の小児科医 2012/01/31 17:51 >あくまでも推測ですから、その点は宜しくお願いします。
はい、承知しております。

本当に気の毒なケースと思います。ただ、今後も必ず同様なケースが出る可能性はあると考えます。Yosyan様のブロクも含め、妊婦さんにどこかできちんと情報が整理されて伝えられれば、少しは本ケースのような事例が減るのでは。

ちょっと疑問ですが
>胎嚢が確認できなかった事、hCG定量検査高値であること、これに加えて腹痛が加わった時点で即緊急対応
した場合の一般的な救命率はどのくらいなのでしょうか
逆にいえば
>適切な処置をしていれば、救命できた可能性が高い(裁判長)
って具体的にどのくらい高かったが知りたいと思いました。
子宮外妊娠の場所にもよるとは思いますが・・・

一産科医一産科医 2012/01/31 18:24 子宮外妊娠は意外と確定診断が難しい疾患です。特に開業医だと即日hCG定量の結果が出ませんので、どうしても早めに即日結果の出る病院に送ることが多くなります。

ただ、妊娠検査薬で陽性になってから数週間後にのんびり外来初診される方が意外と少なくないです。話を聞くと
「いや〜、前回の妊娠時に検査がプラスになってからすぐに産婦人科にすっ飛んでいったら、早すぎて胎嚢が確認できなかったので、今回はそういうことがないように、検査がプラスになってもしばらく様子みていましたあ(ニッコリ)。」
なんておっしゃいます。

まあ、幸いなことにたいていは通常の妊娠で、胎児を確認して終わりなんですが、こちらは
「いやいや、子宮外妊娠で大変ことになっていなくて良かったですね〜。」
なんて言ってみたりもしますが、多分、覚えていてくれたりはしないんだろうなあ。

妊娠検査薬(+)=赤ちゃんが生まれる

ってことじゃないので、妊娠検査で陽性になったら早めに産婦人科を受診してくださいね。。。

luckdragon2009luckdragon2009 2012/01/31 19:05 これは知らなかったので、良い勉強になりました。

> 妊娠検査薬(+)=赤ちゃんが生まれる

...陽性でも、子宮外妊娠では...ということですね。
まあ、私の子供はあり得なさそうだけど、同僚とかで話題になったら、それとなく知識流布に努めますね。

luckdragon2009luckdragon2009 2012/01/31 19:10 あ、紛らわしい書き方になっているので、重ねますが、

正しい知識は、
> 妊娠検査薬(+)=赤ちゃんが生まれる ... という訳ではない。(子宮外妊娠でも同様の反応)

という事ですね。

卵の名無し卵の名無し 2012/01/31 19:43 >正しい知識は、

福島県立医科大学産婦人科教授時代に産科学教科書の前置胎盤の項を執筆した前置胎盤手術の権威中の権威故佐藤章先生は、福島地検によって冤罪起訴された大野病院前置胎盤予定帝王切開術中死症例について「教科書通りの手術などひとつもない」と断言した。

正しい知識などという机上の言葉遊びの生兵法で生命の危機に常に直面する疾病という苛酷な現実を人力で制御できるわけがない。

にゃにゃにゃにゃ 2012/01/31 21:13 現役産婦人科医です。
この事件はいろいろと騒がれていますが、病院と患者サイドのやり取りは報道記事だけでははっきりしない点が多く、検証不可能に近いので、医学的な観点からだけでコメントさせていただきます。

子宮外妊娠は全妊娠の1%前後だと思います。子宮外妊娠の97-98%は卵管妊娠で、今回のような急激な経過をとるのは、卵管間質部(卵管起始部で子宮筋層を通る数mmくらいの部分)妊娠の破裂がもっとも考えられます。
証拠は全くないのですが、間質部妊娠だったとすれば、全子宮外妊娠の2−3%くらいで「かなりまれな」子宮外妊娠です。
また、間質部妊娠であればすべて破裂→腹腔内出血→出血性ショック というわけでもなくて、
破裂前に見つかれば、通常の子宮外妊娠の手術と同じように
腹腔鏡手術で卵管切除、条件がよければ卵管切開で卵管温存も可能な場合があります。

ただ、間質部妊娠がいったん破裂すると、妊娠子宮の破裂に相当しますから、
破裂後短時間で腹腔内出血、出血性ショック、最悪失血死という経過も不思議ではありません。

産婦人科初診時のポイントは、1)最終月経と妊娠週数、2)経膣超音波所見、3)血中hCG値、の3点だと思います。
破裂前の子宮外妊娠では、少量の性器出血や下腹部痛などの自覚症状は参考程度で、ほとんどあてになりません。

記事からは、経膣超音波で子宮内に胎のう(GS)が見られなかったようですが、これだけでは子宮外妊娠を疑う根拠としては薄弱です。
経膣超音波で、子宮外、具体的には子宮の左右両側、子宮附属器付近にGS様の構造が認められるかが重要なポイントです。
子宮外に、明らかなGSや胎児心拍動が見えれば子宮外妊娠の可能性大です。
破裂(や卵管流産)後だと、凝血塊や線溶後のエコーフリーなどがごちゃごちゃに見えて、超音波診断が困難なこともありますが、そういう状況ではたいてい自覚症状が出ています。

血中hCG定量検査は、子宮外妊娠の臨床検査としては一番重要な検査です。
今回、初診日の夕方に結果が出たというのが「尿中」hCGなのか「血中hCG」なのかはわかりません。
一般的な意味では、子宮外妊娠を疑う場合の検査として「血中hCG定量(至急)」は必須です。
また、血中hCGは一般的な生化学検査として可能で測定時間は30分程度です。特殊な検査ではありません。

尿中血中どちらであっても、hCGがある程度以上の値(5000以上くらい)であって、
経膣超音波で子宮内にGSが見えなければ、子宮外妊娠の可能性は高いです。
ただ、これは全般的な子宮外妊娠の可能性がそれなりに高いと言うことであり、
破裂すれば急激にショックになるかもしれない間質部妊娠を疑うということにはなりません。
破裂前であれば、血中hCG値は1点の値だけではなく、その後の推移も重要です。

今回こういう判決が出て、患者サイド寄りであろう報道記事からだけで推測しても、
病院(産婦人科)側の対応はほとんど問題ないものであったと考えます。
これが有責であれば、どうすればいいのか・・・、
妊娠ごく初期や、流産前など、子宮外妊娠の疑いのある妊娠初期の妊婦はすべて入院管理、
毎日血中hCG定量、症状があれば診断ラパロ、という病的な対応しか思い至りません。
ちなみに、妊娠初期の受診回数は、国際的には日本がダントツに多いです。

きわめてまれで予測不可能、場合によっては死に至る疾患を、
医療者の結果責任を問うような社会では、医学・診断学は進歩しないと思います。
誰も診なくなるか、診ても口外しなくなるからです。

JSJJSJ 2012/01/31 22:00 門外漢です。教えてください。
未破裂子宮外妊娠は、どの程度の検査データがそろった時点で手術に踏み切るのでしょうか?
具体的には、にゃにゃさんのコメントを読んで思ったのですが、血中hCGは高いけど症状はなく、エコーで付属器にも異常が確認できない時はどうするのかな、と。
そして、子宮外妊娠の確信が持てず経過観察しているうちに破裂させてしまう、という状況は避けうるものなのか、完全には避けえないものなのか。

にゃにゃにゃにゃ 2012/01/31 22:46 コメントありがとうございます。
外科では「アッペに始まりアッペに終わる」
産婦人科は「エクトピーに始まりエクトピーに終わる」
手術するかどうかの難しい判断は、単純ではありません。

未破裂子宮外妊娠の手術適応として、一定の基準は「ない」と思います。
経膣超音波の所見と血中hCG値が最需要ですが、それでも迷うケースは多いです。
症状がなく、検査データ上貧血の進行がなければ、
血中hCG値の推移と経膣US所見が合うかどうかがポイントだと思いますが、
決め手ではありません。

臨床的外妊疑いで、ラパロをやっている施設(医師)であれば、
「診断的腹腔鏡」を行い、子宮外妊娠であれば引き続き腹腔鏡下手術を行います。
ラパロをやっていなければ、開腹か否かという選択肢になりますので、決断は遅れる恐れがあります。

外妊疑いで経過観察中に急変という事態は、自分は経験がありません。
また、外妊疑いで、これは怪しいということでラパロで見て、
外妊でなかったということはほぼありません。
ただ、排卵誘発剤後の妊娠で、子宮内・子宮外同時妊娠だった、
きわめてまれなケースでは、子宮内にGSがあったがために、
子宮外妊娠の診断が遅れて、破裂してから手術(結果は救命)ということはありました。

卵管間質部妊娠は子宮内外同時妊娠よりは多いですが、まれであることには間違いありません。
まあ、破裂するのは病気であって、産婦人科医が破裂させてしまうということはないんですがね。

そもそも臨床的にかなり珍しい疾患で、わかってちょーラッキー! というような状況を
患者が死んだのにわからなかったあんた! あんたが悪いんだから罰金払え。
これは正直つらいと思います。

JSJJSJ 2012/01/31 22:54 すみません、もう二つ質問があります。

結局、この件の対応の模範解答は何でしょう?
つまり、初診日の夕方に連絡していたとしたら、具体的にはどういう指示を与えていればよかったのでしょうか。(例1.今すぐ来院して入院してください。例2.
お腹が痛くなったら、夜中でも来院してください。)

もし、「お腹が痛くなったら、すぐに来院してください。」が合格であるとすると、その時点での緊急入院で確実に救命できるのでしょうか?救命できない場合があったとしても指示としては合格でしょうか。それとも腹痛が生じてからの緊急入院では間に合わない場合もあるから「お腹が痛くなったら、すぐに来院してください。」は失格でしょうか?

moto-tclinicmoto-tclinic 2012/01/31 23:28 やはり、これからは、セックスの前に、男性が女性に「これからあなたの中に射精しますが、それによってあなたは妊娠し、それが子宮外妊娠の場合は、強い腹痛を患い、最悪の場合死亡するかもしれません。」と告知して同意を義務つけるべきじゃないかな。
それが無かったら、女性遺族に対する一義的な責任は男性が負うと。

あるいは、義務教育の保健の時間に、「将来、女の子はセックスをすると、運が悪いと子宮外妊娠で死んでしまうかもしれません。そのことはよく承知で、自己責任で妊娠しましょう。」と教えなかった文部省=国の落ち度として国を訴えるとか。

まあ、産婦人科医が訴えられるなら、上記2つだって、当然ありだわね。

moto-tclinicmoto-tclinic 2012/01/31 23:42 「お腹が痛くなったら、覚悟を決めてください」が正解。

京都の小児科医京都の小児科医 2012/02/01 04:37 産科の先生方のコメントで本件は非常に難しいケースであると理解しました。
(一小児科医として本当に勉強になります。)

>外妊疑いで経過観察中に急変という事態
>やはり、これからは、セックスの前に・・・・

今回のケースは不明ですが、一般論として、外妊が急変する理由としてはセックスが
あるのかなと思いました。
逆にいれば、外妊疑いで経過観察中はセックス禁では

JSJJSJ 2012/02/01 08:36 にゃにゃさん、ありがとうございました。
昨夜は二つ目の質問を書いている間に答えて頂いたため、お礼ができませんでした。

JSJJSJ 2012/02/01 09:29 この症例は、初診の翌朝までに手術に踏み切っていないかぎり、経過観察中に子宮外妊娠が破裂していた厳しいものだったのだろうな、と感じました。

僻地の産科医僻地の産科医 2012/02/01 11:09 にゃにゃ先生ご解説ありがとうございます。
私も間質部妊娠だったのではないかと思っています。
3例ほど自験例があり、診断つかないままショック状態で手術室へ
輸血した例もあり、
同じ施設では救急から呼ばれるのが遅く亡くなった例もありました。
いずれも間質部妊娠で血の海で、開けてしまえば出血部がわかるので
オペにさえ踏み切ってしまえば楽な症例ではあります。
(この場合はオペ手技的に楽な症例というだけで、その後の管理は大変です)
オペで泣きそうだったのは腹膜妊娠で出血部位を探すだけのために
40分以上かかり縫合は1分という症例でした。

ただ記事中では担当医は外妊を疑っています。
施設的に対応としてOKとは少し言い難い面があるかとは思います。
いずれ資料閲覧に行ってみようと思います。
市民病院の場合、示談にせよ訴訟にせよ、予算がらみになるので
こうして記事になりやすく担当医には気の毒だとは思います。

門外漢門外漢 2012/02/01 11:49 ちょっと疑問に思ったのですが、病院は11時に受診するように女性に伝えています。また、11時に受診されなかったので、何度も女性に電話しています。
仮に11時までに激しい腹痛があったなら、普通は家人に連絡するなり救急車を呼ぶなりすると思いますし、午後1時に女性から「腹痛で動けない」と電話があったのなら、本人が119に電話することは可能であったはずです。病院としての義務は果たしていると思いますが、ご本人が救急車を呼ばなかったことの責任も病院にあるのでしょうか?
それとも、11時に受診したら助からなかったとする高度の蓋然性があったのでしょうか?どうにも釈然としない点があります。

Dr. BambooDr. Bamboo 2012/02/01 18:15 あるバリバリの現役産科医先生のご意見は、症例検討会であれば妥当かつ貴重なご意見と思われます。
でも、裁判の証人としてであれば、厳しすぎて不適切だと思います。
症例検討会と裁判とでは、基準が全く異なるはずですが、区別のつかない医師は多いと感じています。

追伸
拙ブログでこのエントリにリンクを貼らせていただきました。
トラックバックが反映されないようなので、申し添えておきます。

麻酔科医麻酔科医 2012/02/01 18:25 >午後1時に女性から「腹痛で動けない」と電話があったのなら、本人が119に電話することは可能であったはず
新聞記事を読むかぎり、午後1時に病院から電話したら、「腹痛で動けない」と電話が通じたので、病院の看護師が救急車を呼んだ、、、と理解しています。
カルテに、住所と電話番号が書いてあるはずですから、患者さんが119できなくても、通報できたんだろうな、、と思います。
ただ、私の住む首都圏では、病院にいく=公共交通機関(バス、電車、地下鉄など)でいくことですが、岡崎あたりだと、病院にいく=自家用車だと想像します。
11時の時点で、救急車を呼ぶまでもない腹痛だが、自分で車を運転してはいけない。だとしたら、家で体調が回復するのを待っていたら、ショック状態になってしまったのかな、、、と想像しています。
幸い、私は間質部妊娠のエクトピーは経験したことがないのですが、頚管妊娠で、来院後どんどん出血がひどくなって、そのまま子宮全摘、DICになったのを経験したことがあります。

麻酔科医麻酔科医 2012/02/01 18:31 すいません、新聞でも午後1時になって本人から、電話があったんですね。
病院が、こない患者さんに対して、どういう対応だったのか、詳細がわかりませんがどうだったのでしょうか?裁判所は、11時に来れない=朝の電話対応が駄目だったと結果判断ですが、医学の対応というのは、朝の症状にたいしての対応が妥当だったかだと思います。
そして、対応した医者が何科か、経験どのくらいかで、評価が違うと思います。

IJIJ 2012/02/03 00:06 はじめまして。
私はこの遺族を知る者です。ここでは冷静に情報を分析されているようだな、と感じたのでコメントをさせていただきました。
遺族らは判決が出たあと、新聞記者たちのインタビューには答えなかったそうです。
なので、表に出る情報が少ないため、今回このように物議を醸し出す事となったと思います。
出ている情報が少ない中で、色んな事が好き勝手に書かれているので、ご遺族らが読んで心を痛めていないか心配です。

・hCG定量値がいくつであったのか
・朝の電話の時刻
・夫の存在

について知っている範囲でコメントさせていただきます。
私が以前聞いたところでは、女性患者が朝病院に電話をかけた時は旦那様は仕事に出ており家にはいなかったそうで、女性患者が朝病院に電話をかけていたことは知らなかったようです。
前日診察を受けた後も、女性患者は「妊娠しているかよくわからなかった。」と言っていたそうで、旦那様も診察を受けたのだから大丈夫だろうと思っていたようです。
死亡退院した時も病院側からは全く説明がなく、そういう対応もご遺族らは相当不信に感じられたのではないかと思います。
その後、ご遺族の方々は自分たちで産婦人科専門医の方を探して意見を聞いたり、医学文献を探したりして、相当な努力をされていました。
ご遺族は女性患者が診察を受けた時の超音波画像を数名の専門医の方に見せたところ、ダグラスかに液体があり、腹腔内出血?している可能性があると言われたとも言っていました。
女性患者のhCG定量値は25000以上で、これについても、普通であれば子宮内に胎のうが見える数値であることを医学文献か何かで調べられていました。産婦人科ガイドラインによると、15000?以上で手術に備えなくてはいけない数値とか言っていたような気がします。
また、女性患者が朝(9時〜9時半?)腹痛を訴える電話をした時は、対応した看護士は「症状が強くなるようならば来て診察を受けてください。」と伝えて電話を切ったそうです。
対応した看護士は患者からこのような電話があった事を女性担当医には伝えていないそうです。
その後、女性担当医は11時までに来るように連絡したら、女性患者が11時までに行くと答えたと主張していたそうですが、遺族らは10時頃女性患者と電話で会話をしており、女性患者は「(病院ではなく)今から会社に行く」と言っていたことから、病院側の電話連絡したという主張に反論していました。この会話については、どちらも電話記録がないので言った言わないでもめたのではないかと思います。携帯や自宅電話に着信の記録も残っていなかったそうです。女性患者は亡くなっているので、死人に口なし、ではありませんが真相はわかりません。ただ、私の意見としては、やはり、ご遺族の方はこの時の会話が女性患者との最後の会話となったので、よく覚えていて信憑性が高いのではないかな(=病院から11時までに来るように電話連絡はなかった)と感じました。しかし、この表に出ている情報を見る限りでは、女性担当医の証言が認められたようですね。
遺族らは「新聞はどこからこの情報を聞いたのだろう?」と不思議がっていました。私も判決結果を聞いたのみで内容まで詳しく聞いていませんが、私もこの判決が厳しいとは思いません。子宮外妊娠の可能性が高く、直ちに治療しなくてはならない状況にある事を患者に知らせていれば、患者も自分の症状に注意し、すぐに対応できたと思います。

麻酔科医麻酔科医 2012/02/03 09:58 >女性患者が朝(9時〜9時半?)腹痛を訴える電話をした時は、対応した看護士は「症状が強くなるようならば来て診察を受けてください。」と伝えて電話を切ったそうです。
対応した看護士は患者からこのような電話があった事を女性担当医には伝えていないそうです。>>引用ここまで
つまり、「朝の(9時〜9時半?)電話対応」は、産婦人科医の責任では、なかったんですね。

個人的には、このような内容を第三者が書き込んでいいのか、老婆心ながら心配します。

僻地の産科医僻地の産科医 2012/02/03 12:13 >IJさまのコメント
なんとなくしっくり来るものがあるように思われます。

一応、原典に当たるつもりで裁判所に電話したところ、
判決が出たためにカルテ等の証拠は整理中とのことで
来週の直明けには見られるだろうということで予約中です。

>ダグラスかに液体があり、腹腔内出血?
>hCG定量値は25000以上

もしそうなら、なぜ病院側が裁判にしたのか?
過失がある場合には裁判にしないのが通例ですし、
和解にする事が多いので。
もう一つは最終月経の確認・月経がキチンと来る
タイプかそうでないかですね。
(問診表があれば書いてあるだろう)

ただ産婦人科ではとても見つけにくい疾患であることも
知っていただきたいです。

深谷赤十字病院の妊娠管理の説明文書を参考にしてください。http://www.fukaya.jrc.or.jp/department/sanfujin/setsumei.html
<補足: 異所性妊娠(子宮外妊娠)について>

 異所性妊娠とは、子宮の外側や子宮のはじに妊娠してしまう病気です。診断がつけば、多くの場合で緊急手術が必要となります。卵管に妊娠するケースが最も多く、それが破綻すると出血を引き起こし、出血性ショックにつながることもまれではありません。ただし、かならず腹痛などの症状を伴いますので、症状がないまたは軽度であれば経過を見ながら判断していきます。妊娠の初診の時に、子宮内に胎のう(胎児が育ってくる袋)が見えなかった場合には注意してください。

 急に腹痛が強まったときや不自然に感じる腹痛を認めた場合には、早めに連絡し相談してください。その際には必ず、異所性妊娠の可能性がある旨を申し出てください。

僻地の産科医僻地の産科医 2012/02/03 13:06 補足
>遺族らは「新聞はどこからこの情報を聞いたのだろう?」と不思議がっていました。

裁判資料は誰でも閲覧ができます。
また裁判所には記者室というのがあるように(名古屋なら地下一階)、
毎日あった裁判をチェックしている新聞社記者が各社常駐しています。
裁判は憲法上では公開裁判ですから、一般人でもあとからでもこういった閲覧ができます。
参考になりましたら。

麻酔科医麻酔科医 2012/02/03 18:08 電話の対応というものの難しさを感じます。
あと、これは、これまでのマスコミの報道とネットでの議論の違いで感じることですが、マスコミは、字数の制限があり全ての情報を載せることができません。マスコミのつくるストーリーにそって、物語を要約することになります。一方でネットでは、詳細に一次情報の全てを載せることができます。今回の報道でも「10時に遺族と患者が電話で話した」という話は全く出てきませんでした。
自宅と病院と患者さんの会社の立地関係によっては、10時に家族と電話したあと、会社によってから病院に向かうつもりだったとしても、双方の発言は矛盾しないと考えます。また、10時に家族と電話で会話したあとで女性担当医が電話して11時に病院に行く約束をしていたのだとしたら、10時にはまだ、そんなに切迫した情況ではなかった情況で、主治医は1時間以内に病院に来てほしいといったことになり、「会社にいく」くらいの腹痛の女性に救急車を呼んですぐに病院に来るように指示するのもためらわれたのかもしれません。
いずれにせよ、10時に家族に「会社にいく」というくらい元気だった女性が13時には自力で病院に行けない情況になっていたとすると、かなり急激な臨床経過をたどったわけで、通常の対応では救命困難なケースだったのではないか、、と感じます。

もるーもるー 2012/02/04 03:47 産婦人科医です。

IJさまのコメントの通りとしてですが
・子宮内に胎嚢(ー)
・ダグラス窩のEcho Free Space
・hCG25000以上
とすれば産婦人科医なら震え上がるケースではないかと。
怪しけりゃhCG確認するまで帰すなって若手には言ってます。
これは院内の検査態勢にも関係するので一概には言えないと思いますが。

自覚症状がなく、ダグラス窩のEFSが少量であれば、一旦帰して後から検査データ見てウヒャアア!となったかも知れません。
自験例ではhCG650で見事に卵管膨大部妊娠だった事もありますし、外妊の診断にはいつも悩まされます。

むしろ僻地の産科医先生の仰るように、何故裁判に踏み切ったかが気になります。

麻酔科医麻酔科医 2012/02/05 17:25 まだ、一週間もたたないのに、朝日新聞以外の記事がリンクから外れてしまっています。後に訂正されることも考えて、PDFとして保存したり、スクリーンショットを記録しておく必要があるのかもしれません。ま、紙媒体に載った分は、図書館でコピーしたり、縮刷版という収集方法がありますが、そのあたり、引用と著作権の問題があって、難しいと思いました。
http://megalodon.jp/2012-0205-1724-47/www.asahi.com/national/update/0128/NGY201201270050.html