戦争のつくりかた

戦争のつくりかた
あなたは、この本をご存じですか? 「戦争のつくりかた」という絵本です。


ネット上で有事法案を考える人たちが集まって、生まれた絵本です。
そのグループは「りぼん・ぷろじぇくと」様で、無料のPDFバージョンを見ることも出来ます。
ぜひ、ご一読になり、また家族やお友達に回覧をお勧めします。


りぼん・ぷろじぇくと
http://www.ribbon-project.jp/book/


気が付かないうちに少しずつ、戦争の足音が近付いているような気がする昨今。
イラクで起きていることを、対岸の火事なんて思っていたら大変なことになると思います。
先日(id:Yuny:20040722#p1)、NHKの「赤紙」という書籍をご紹介しましたが、なんでもない普通の人が、国民だからと兵隊としての検査を受け、健康であれば意志に関わらず戦場へ行った。
そんな時代への準備が、知らない間に着々と進んでいる。
この書籍の末尾には、具体的にどのような法律が、有事に備えて(=戦争をするために)国会成立しているか、抜粋して書かれています。


ショックが特に大きかったのは、自衛隊法の第百三条。
自衛隊で必要とされれば、都道府県知事は防衛庁長官政令で指定された人の要請を受けて、医療、土木建築工事、または輸送業を営む人を、自衛隊の目的のために、同じような業務で使うことが出来、それを断れば六か月以内の懲役か30万円以下の罰金。
それが、自衛隊が活動している県とかじゃなくても、他の県の人でも、自衛隊が必要だと思えば、呼び出して使うことができる。
この法律については、全文がここに。103条の直前位を表示します。
http://www.houko.com/00/01/S29/165.HTM#s8


実は、私の兄は病院薬剤師。今日も患者さんの生命と向き合って、元気に働いていると思います。「人のために薬ができること」を、真剣に考えてくれている、身内ながら腕利きの薬剤師です、はい。(家族をこういう場所でほめるって、テレますねえ)
しかし、薬剤・化学の技術というのは、必ずしも人を救うために使われるものではありません。未だ記憶に新しい長野県松本、あるいは東京都でのあの事件も、化学の技術を用いたものでした。
この法律が、有事の時に本格的に動けば、兄も召集対象になります。召集する時は「自衛隊の病院内で働きなさい」という意図に見せておき、実は化学兵器の製造のための実験をさせられた、というようなことが起こらないでしょうか? 有事の際に。当然守秘義務がありますでしょうから、召集解除になってもおそらく誰にも話すことすら許されないわけで。バレない、となればなんでもやる。やれない人にも心理的に追い込んでやらせてしまう。それが戦争だと思います。


こうした事態への抑止力になるものは、月並みですが国民の声だと思います。つまり、選挙に行くこと。
先日の参議院選挙も、このダイアリーで取り上げましたが、それはこれを読んでくれているあなたの選択で、投票権を使って欲しい。無駄にしないで欲しいと思っているからです。
はてなユーザーさんは20代が多いらしいので(人力での年齢別アンケートの集まり具合を見ていると分かります)同じ世代の方には強く訴えたいです。本当に20代の投票率は低いので。
あなた自身がどういう選択で投票してもそれは構わない。でも、投票しないのはもったいなすぎる。だれもが政治をほうっておいたら、こういう法律がどんどん出来て、いつのまにか自分が、あるいは自分達の子どもが、銃剣を握っているって事態になりかねません。今ですら、この種の法律がどんどん出来ているのに。


もう一度、URLを書きます。とにかくこちらで、一度「戦争のつくりかた」をご一読下さい。
PDFで無料です。
http://www.ribbon-project.jp/book/