大楠山菜の花畑発 秋谷海岸経由 相澤仁美行き
ああもったいない。
こないだの休みは喉がいがらっぽく一日家でじっとしていたため何処にも行けず、結局吉野梅郷の梅も時期を逸してしまった。 やはり何時行っても楽しいところよりも期間限定の物を優先すべきであった。
で、今日は期間限定物を優先。 自転車ではなく歩きで大楠山を目指す。そう、この時期は山頂近くの菜の花畑が満開なのであるよ。 神奈川新聞のサイトでも確認したから抜かりは無い。 家を出るとき天気が今ひとつすぐれないのが気にかかったが、そういって先延ばしにしても花は散ってしまうだけなので延期するわけにはいかない。
京急新逗子からバスで前田橋まで向かうのだが、土日だけあって国道134号周辺は渋滞がひどいらしくバスはかなり遅れた。葉山を過ぎてからはスムーズだったが・・・。
去年と同じく前田川遊歩道を遡上し、そこから大楠山登山道へ向かうのだが、残念ながら今日はカワセミに出逢うことは無かった。
春先の登山道でおなじみ、ウラシマソウ
登山道に入ると去年よりさらに整備されて歩きやすくなっている。 土嚢で設えられた階段は擬木丸太に取り替えられており、多少の雨でぬかるんでも安心して歩けそうだ。 だから、というわけでもないだろうが(大体今日は土曜日だし、菜の花日和だし)、中高年登山客と子供連れが多い。 いつもは途中数人としかすれ違わないが、今日は50人からの団体客の通過待ちをするような状況。 山頂近くなると足の遅い中高年グループで渋滞するような有様だった。
それほどの疲労も無く菜の花畑に到着したのであるが、出発時より多少雲は薄くなったものの相変わらずの曇天でさえない空なので写真を撮っても面白くない。 おまけにメモリーカードをPCのスリットに挿したまんまで忘れており、6枚ほどとったところで内臓メモリもフローしてしまった。
そうすっと大してやることも無いのでさっさと山頂行ってめし食って帰るか、という事になるのだが、移動した山頂は登山客でごった返しておりGWの高尾山頂状態。展望台にいたっては3段すべてが満員。 これはどうしようもないのでエナジーゼリーだけ啜って退散。とっとと下山してしまう事にした。 下りでは他の登山者と擦れ違う事も無く(まあいくら低いつったって1時過ぎから登り始める奴もいないよな)、半ば小走りでスムーズに登山口まで降りる事ができた。
不思議なことにこのあたりで雲がどんどん消え、さわやかに晴れてきた。イヤガラセか!
秋谷のコンビニでコーヒーを購入し、立石公園のベンチで小休止。 本当は鎌倉ハイクの時のようにストーブでお湯を沸かして山頂で熱いコーヒーでも淹れたいとこだったのだが、出掛けになぜかいつものコーヒー紅茶小休止セットが見当たらず、置いてきてしまったのだ。 まあ、山頂のあの状況を考えたら持ってこなくて正解といえなくも無いが・・・。
人心地ついたら磯の周りを探索に向かう。この辺の水は比較的きれいで、夏になればスノーケリングも楽しめそう。もちろん釣り人には気をつけなければならないだろうが、休憩するベンチもあるし、水道やトイレもあるから遊びには良さそうだ。
探索を一通り終えた後は長者ヶ崎に向けて再び歩き出す。今日はこの後横浜の映画館に行くので3時ごろになったらバスに乗ってしまおうと思っていたのだが、キリ良く3時ごろ長者ヶ崎に到着した。 時刻表を見るとバスの時間ギリギリだったが遅れているようなのでちょっとウトウト。 ここ数週間不規則な生活なので変な時に眠くなってしまうのだ。
10数分ほど遅れてやってきたバスは程よく空いていたので座る事ができたが、二つほど停留所を過ぎるとすし詰め状態になってきた。そのうちこんな状態のバスに足の不自由そうな老婆が乗り込んできた。 あーもうしょうがねえな誰か席譲ったれよ、と周りを見渡したのだが、周りの座席に座ってるのは見事に老人ばかり
これはもう寝たふりするしかないよな!
席譲りたくないし
と、狸寝入りを決め込む事にしたのだが、いつも圧倒的に強いはずの心の中の悪魔は疲れていたのか、老婆をちょんちょんと手で突っつくと心にもない事を口にしていた。
「あの、ここ、どうぞ」
(待った待った今のなし。俺は登山の帰りだし、狸寝入りじゃなくて本当に眠いの!)
と取り消そうと思っても後の祭り。ペコペコ感謝する老婆に背を向けて俺は苦虫を噛み潰していた。
バスの中で眠れなかったのでボーっとした状態のまま京急に乗り込む。乗った電車は途中から快速に切り替わるので映画館のある黄金町に行くには手前の上大岡で普通に乗り換えなければいけない。 ところがバスで眠れなかった分睡魔に抗う事ができず、目が覚めたときには丁度上大岡を出たところであった。 横浜で折り返しようやっと黄金町へ。ちょっとロスしたが、余裕を見てあるので大丈夫だろう。
さて、俺はしょっちゅう横浜を訪れてはいるが、大体が山下公園とか中華街とか港の見える丘公園とかなんでここらへんはまったく知らない。聞くところによるとこの辺は有名な性風俗地帯で、ここ数年浄化作戦などで新聞を賑わしていたらしいのだが、風俗とかぜんぜん行かないんでこの辺の事は全く勝手が判らないのだ。 おまけに映画館のある若葉町はコリアン&タイタウンであるらしく、周囲の店はハングル表記のみのガチ韓国料理店とシャム文字のみのガチタイ料理店ばかり。道を聞こうと思っても聞こえてくるのは聞いた事ない言葉ばかり。ここはどこわたしはだれ?
あっちへうろうろ、こっちへうろうろしながら住所表示を頼りにようやっと映画館に到着した。早く着きすぎるようだったら古本屋で小説でも買おうと思っていたがむしろ丁度いい時間だった。
その映画館はジャック&ベティという。
ドリンクチケット兼用のチケットと整理券をもらうと気分が落ち着いたので周囲を眺める余裕が出てきた。館内もうろついて見ると何とも怪しげでエスニックな雰囲気漂うこの街に負けず劣らずサブカル・アングラ臭が濃厚に漂う映画館だ。基本的にアート体質では無い俺はこういうところに来ると急にケツのあたりがムズムズしてくるのだが、向こうにしても紺の作業服にバンダナ、泥靴というどう見ても労務者風の俺には違和感を感じているだろうからお互いさまなのだ。
時間が来るといよいよ舞台挨拶。 映画自体清水ミチコさんが出るって事で期待はしていたのだが、めったに映画館に足を運ばない俺が(だって前見たのはモーターサイクルダイアリーズだよ?)今日ここに来て見る事にしたのはそりゃあもう可愛くてお色気うっふんなグラビアアイドルの二人が舞台挨拶にやってくるという話だったからだ。
俺のブログを丹念に読んでる暇な人なら覚えてるかもしれないが、俺は八丈島や式根島の混浴温泉に入る時に毎度毎度「彼女みたいな子が入ってないかな?」と妄想を膨らませるぐらい今日のゲストの子の大ファンなのである。 そう、オッパイ番長の異名をとる
相澤仁美さんだ。
もう一人は映画「スイングガールズ」に出演し、いくらかはわからないがうちの店の売り上げUPに貢献してくれたであろう
辰巳奈都子さん。
オメーそんなに可愛い子間近で見たいんならアキバでも行けばいーじゃん、と思う向きもあろう。が、石丸電気なんかのイベントに行こうものなら即座にキモオタのレッテルを貼られてしまうところだが、小劇場で散発的に行われている映画なら「アイドルの舞台挨拶じゃなくてこの映画が目当てなんだからね」と白を切ることができるという姑息な計算がなされているのだよふっふっふ。 まあ、ブログで盛大にばらしてしまっては何の意味も無いが。
果たして現れた二人の人気グラドルは当然のことながら眩暈がするほど可愛かった。 相澤さんは称号に違わずゆっさゆっさと豊満なバストを揺らし目のやり場を困らせ(嘘付け谷間に釘付けだろ)、辰巳さんは寸分の隙もない天然ボケ可愛コちゃん振りを振りまいていた(計算なら計算で並みのスケベ男には太刀打ちできんね)。
挨拶の後はファンからの質問タイムなのだが、ブラウン管越しだと何こいつと反感を買ってしまいかねない答えでも間近で笑顔で言われると全部好意的にしか受け取れなくなってくるのだ。
そうそう、映画は借金を抱えた6人が集まり、投票によって一人にババを掴ませる、という内容なのでもちろん質問は借金にまつわる話でスタート。
Q1: 借金をするとしたらいくらぐらい?それは何に使って作っちゃった借金?
相澤:100万ぐらいですね。 宝石とか買って。私は誕生石はペリドット(注:8月生まれ ペリドットとサードニクスが誕生石)なんですけど、そういう宝石買って借金作っちゃいそう。
監督:ちょっとw そんなに値段しないでしょう。騙されてるんじゃないのw 何処で買うのよw
相澤: それは・・・・自分で選んだジュエリーショップで・・・。
監督:それ騙されてる騙されてるw
辰巳:わたしわぁ。1000万ぐらいかなぁ?彼氏にプレゼントとかしてぇ。それくらい使っちゃう♪
相澤:・・・(表情固まる)
監督:ちょっちょっちょっ・・・なんでそんなにかかるのよ。
辰巳:だってぇ。年5回ぐらいプレゼントしたいじゃないですかぁ。バレンタインデーでしょぉ、彼氏の誕生日でしょお、お付き合い始めた記念日でしょお、私の誕生日に貰ったお返しでしょお、あとクリスマスでしょお、その5回♪ 大体そういうの渡す時には綺麗なホテルのレストランとかで渡したいじゃないですかぁ♪そういうところでもお金いるでしょぉ。
監督: 辰巳さん、そこの人(注:俺の事)驚いて口開いちゃってますよ
辰巳: それとお、洗濯機とか冷蔵庫とかいろいろいるじゃないですかぁ。
監督: 何、彼氏だってそんくらい持ってるでしょ。
辰巳: あたしが買ってあげるの♪
監督:で、相澤さんはこないだ公共機関から借金しちゃったんだよね?
相澤:ええ・・・やってしまいました。 いつも鞄に財布入れてるんですけど、その日は気分を変えて違う鞄にしたんですが、財布を移し変えるの忘れちゃって・・・。
辰巳:そういうことってあるあるー。
相澤:あたし実家住まいなんですけど、電話しても親は出ないし、今から家戻っても遅刻しちゃいそうだし。 でもまあ、集合場所の駅まで行ければいいんで、230円ぐらいだし恥を忍んで駅前の交番にお願いしたんですが・・・。
監督:そういう時って貸してくんないでしょ?
相澤:だから忘れたって言うと家に戻ればって言われちゃうんで、「落とした」って言ったんですよ。そこは考え回ってたんですよ私(得意気)。 でも、300円くらい貸してくれるかと思ったら、ホントにきっちり230円しか貸してくれなかった上に、住所とか連絡先とかいろいろ書かされて・・・・。時間もかかっちゃって・・・。
監督:家戻ったほうが早かったねW
俺:あの!ちょっとすみません!いいですか?
監督:ハイ!何?
俺:その警官、相澤さんのことわからなかったんですか????
相澤:わからなかったんですよ・・・・・・・。
監督: ははははは。知名度まだまだだね。
相澤:もっと知られるようがんばります・・・・(´・ω・`)
警官は釣り人と同じく例外なくスケベなんで、青年誌、実話誌、エロ雑誌etcの表紙を飾りまくってる相澤さんを知らないというのがにわかに信じられなかったんよ俺。近所の交番のオマワリはコンビニで雑誌見てるしな。
Q2 自分が男の人を引き付ける為の必殺の一言を教えてください
辰巳:「ごはんつくってあげるぅ。うちにこない?」かなぁ。一緒に食材のお買い物もして仲良くなれるじゃないですかぁ。
監督: ああなるほど。で、ご飯たべたあといろいろあるわけだ。
辰巳:エーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ないですよお。 ご飯食べ終わったらおうちに帰ってもらいます。
監督: ひっでえ・・・それ判っちゃったら絶対に来ないよ。 初回は良くても次は無い。
相澤: 私は・・・「耳掃除してあげる」かなぁ。基本耳フェチなんで。
監督:それ魅力無いなぁ。それに男は吸い寄せられないでしょー。ってか、耳掃除するってもう相当深い仲になってるんじゃね?
相澤:そうですかね?????
Q3 言われると一番うれしい褒め言葉をおしえて!
辰巳:そうですね。初対面の人にびっくりされて「君が今まで見た女性の中で一番綺麗だ!」って言われると嬉しいですね。
監督:それはありえないでしょう。初対面の人にいきなりそれ言ったら只の変な人ですよ。
辰巳:初対面で言ってくれなきゃイヤ!(><)
相澤:私は・・・ふとした時に「そのホクロ綺麗だね」とか言ってもらえると嬉しいですね(首のホクロを指差す)。 胸の事は言われてもあんまり嬉しくないんです。
監督: ふむふむ、いきなりじゃなくてふとした時に「こんなホクロあったんだ」見たいな感じで言われると嬉しいわけですね。
相澤:そうそう。
Q4 今回の撮影で共演者と打ち解ける為に何かしました?
辰巳:いっぱいお話しようと思ったけど、撮影自体押してたんでなかなかできなかったですね。 あ、でも結構話せたかな?
監督: そう、主演の彼が思いっきり遅刻したんだよね。 キャバクラのシーンで早朝の撮影なんだけど来ないんで電話したら自宅にいたという・・・・。
相澤:私のほうは撮影時間は少なかったけど、待機の時間だけは凄くあったんで・・・・絵しりとりですかね。 絵を描いて、一切喋ったらダメで、その絵でしりとりするんです。最後まできたらその人が何描いてたかやっと言っていいという・・・。描いた人と受け取る人がぜんぜん違って回答がずれたりする意外性があって、結構はまりますよ。
監督: うわ、それめっちゃつまんなそう・・・。
他にも撮影に纏わる話もあるんだけど、後は割愛。
全体的に普通の気さくな姉ちゃんといったテイストの相澤さんが、過剰気味な天然ボケかわいこぶりっ子の辰巳さんのブッ飛び回答に振り回されるといったペースで終始。アイドルのトークを聞くというのははじめてなのであるが、こういう世界もあるんだといい経験になりました。TVだとうわあこいつキワモノ・・・と思うような発言でも、今日の相澤&辰巳を見ていると「無難で良識的な回答は過激ななボケにあっさり蹂躙される」という冷徹な現実があるのだなぁ、と理解した。 TVのバラエティでアホキャラが跋扈したり過剰な危険発言があったりするのもこうしたキャッチーなトークのインフレの果ての事で仕方が無いのかなぁ、などとしみじみ思う次第。でも、変な事言うと反発買っちゃったりファン離れに繋がったりする危険があるから難しいよね(あびる優の集団万引き発言が典型だけど、相澤さんは不倫発言とかあったわけで)。
舞台挨拶が終わると二人は風のように去っていくのだが、一番通路に近い俺にもう触れるか触れないかのところを通っていった。なんかいい香りがした気がするぜ。 今日は事前告知がギリギリのため動員が少なかった事もあってか観客全員に目を配って丁寧に挨拶してくれたのでドキドキも格別であった。 会場のドアを出る時も二人は何時までも手を振っているのでなかなかスクリーンに目を戻せないくらい。 これ、キャバクラでやられたら(行った事ないけど)どっぷり嵌るんだろうなぁ。
いやあしかし今日は濃密な一日だった。
映画のほうは予想外に面白かったんだけど、この手の心理ゲーム的な映画でネタバレすると良くないので内容に関しては伏せておきます。