よい問題解決のためのプレイエイド
この前の記事で、F.E.A.R.が難しいドラマツルギーをRPGに使いやすいすごく簡単な形で解説しているとお話をしました。
ここではそれと同じことを問題解決の理論にて行ってみようという試みです。
問題解決の種類
どうしたら問題が解決するのか
- 問題の原因を取り除く
- 問題を他のもので埋め合わせる
- 問題なんて実はなかったと発想を転換する
ぱっと思いつくのはこんなものです。
例えば、悪徳領主の税金がきつくてお金がない村で村の娘を売って冬を越す金をなんとか稼いでいるという問題があるとします。それぞれの解決法を具体的に述べますと
- 悪徳領主をやっつける
- 金を掘り当てる、観光名所をつくる…とにかく金を稼げるようになれば問題が解決
- 村の娘を売るのが、私欲のないよいライフスタイルだと洗脳する…、売られた娘たちが実は裕福に生活していることを調査にあきらかにする
となります。3番目の前者はひどいな…まぁそれはおいておいて…。
よい問題解決
ここではいろいろ発想してみてあとでよいかどうかのふるいにかけるという2ステップを考えるとします。
ブレインストーミングでよくとられるやりかたですね。
発想法
物の配置、天候、人間関係 etc. ここの引き出しが多いといろいろ思い浮かびやすい。
ふるい
- 効力がある
- 効力を裁定するのはGMだと思うけど、このへんPLと意識のずれがあると揉めやすいなぁ。
- そのとき限りの状況を使っている
- なるべく万能な解決策にならず、今回限りの解決策となるほうがおもしろい。パターンはつまらない。
- 自分のPCの性格、性質にあう
- 自分のPCの正確や性質をよく把握しておく必要があります。戦いを好まないなら人が傷つく選択をとらないとか…。
- 世界観にあっている
- 意外な方法である
- 意外な方法を意図的にとるって…むずっ!これは小説の書き方なんかを参考にしたほうがいいかもしれません。例えば、今までの方針と全く逆な行動をとる、短所だと考えられるところを逆に利用する
これをみて思うのは”ふるい”はいっぱい思いつくものの、発想法のほうは全然思いつかないということです。ビジネス書に問題解決の発想法みたいな項目はあると思うので、それを読んでRPGで使えるように焼きなおすという作業が必要だと思います。
Aの魔法陣で遊ぶ場合、2番目の条件はシステムが補助しますね、そもそも3番目のふるいに残らないものは成功しません、4番目の要素に関してはAの魔法陣では世界観がたくさんあるので微妙なところでしょうか。PCが異世界からきてる場合もありますからね。なんにしてもAの魔法陣はそもそもよい問題解決が自然に選ばれるようなよく練られたシステムですね。ここではとりあげませんが、問題を分割するなんていうのは通常でも有効ないい手段です。これのいいところを見習うようにするってのがまずは近道でしょう。今度挑戦してみます。やり方は以下のようにします。
- 問題を明文化
- PCの成功要素を明文化
- 使えそうな成功要素を選ぶ
- その場でうまく使えそうな環境要素を追加
234は順番を逆転させることも可能ですね。
- 問題を明文化
- 使えそうな環境の要素を明文化
- 使えそうな要素を選ぶ
- PCの特性でよりうまくことが運びそうならそれを追加
しかし、PCの長所短所を挙げるより、環境や状況の長所短所を挙げるほうが難しいですね。ここは少し訓練がいるでしょう。
ところでおもしろいのは発想してふるいにかけるのではなく、ふるいにかけながら発想するというところですね。場が停滞することには賛否両論あると思いますが、僕はあんまり好きではありません。ブレインストーミング型ではなくこのかたちのほうが、スピーディかもしれませんね。
追記
マッキンゼー式世界最強の仕事術とか世界最強の問題解決のテクニックとかを参考にしてみたが(あんまりまじめに読んでないけど)、思うに持ってる資源(PCの能力とか)の中で、この状況でどれが使えるのかというのは簡単だけど、この状況を解決するためには何が必要なのかという風に新しい解決策を模索するのは難しい。発想法を変えるんでなく、提案の仕方を工夫したりするほうがいいのかなぁと思ったりもする。
ただ、現状”いい問題解決”といったときに抽象的に考えすぎているので、まずリプレイなどを見ながら、具体例の集積をしないといけないのではと思う。