『かわいい悪魔』『京大M1物語』

『かわいい悪魔』
志村貴子さんによる単発作品を集めた短篇集です。
表題作を読んでも最初はよく内容が理解できず戸惑う。
魔女と少年の交流を描いてるんだけど非日常なはなしなので不意を突かれちゃった。
少年がとてもかわいらしいのん。のほほんと和むかんじのムキになったらかわいい男の子。
他にも自由研究で銭湯を観察する少女とか少女漫画の世界に没頭している女の子のおはなしとか。
いきなり少女漫画風タッチが出てきたときには笑ってしまったよ。
あまり書きこまないタッチに心情描写が上手いのはいつも志村さんなのですが妄想ワールドが炸裂していて濃い1冊でした。
すこしくらい夢見てもいいよねってかんじ。少し割高なのが難点です。
『京大M1物語』
東大生の冴えない男が京大で一番タメにならないような研究室(大学院)に進学するおはなし。
冴えないといっても主人公だからマトモだし妙に大人びている。
脇を固めるキャラが強烈すぎる。京都という立地と京都大学そして大学院のイメージを上手い具合に使っているのかな。ステレオタイプというかそんな人ほとんどいねーよってわけですが、ファンタジーとして読むぶんにはおもしろいよねー。
高梁さんという助手がいて最初むちゃくちゃ近づきがたいキャラなのにいきなり身近なキャラになったり下ネタ満載だったり。たしかにツッコミ所はたくさんあるのですが破天荒さが魅力を形成しています。
続きを読みたかったのですが休載してますね。未完のまま終了というかんじなのでしょうか。

志村貴子作品集 かわいい悪魔 (Fx COMICS)

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京大M1物語 1 (ビッグコミックス)

京大M1物語 1 (ビッグコミックス)

芸能人にたとえるのは愚問

よくある「芸能人では誰が好き?」とか「どんな子がタイプなん?」みたいな質問。
そこでYOUとか友近とか答えると年上すぎていつもひかれる(ちなみに僕はゲイなので性的対象にはなりません)。それは僕がおかしいというよりも日本が超ロリコン社会なんじゃないかとふと思った。
この手の質問はよく初対面というかあまり親密でないときに男同士でする話題だったりする。僕なんかからすると芸能人に例えたりしても実際付きあえるわけではないから意味ないし、身近な人物で誰がタイプか聞けよと思う。今日はこんなことばかり考えていて頭がおかしくなったのですが……。
この質問の背景には、芸能人=誰でも知っているという幻想が前提としてあって、みんなが共有できる話題だから、共通の友人がいないあまり親しくない人と話すときでもネタにできるのでしょう。
はっきり言います。そんなの幻想です!
芸能人をあまり知らない人だっているし、テレビを見ない人や僕のように芸能人の顔と名前が一致しない人もいます。ただ残念なことにそういった人の存在は可視化されることはあまりないですね。
多数派や強者の理論で世界が動くことは悪いことではないけども、小さな声もちゃんと届くようにしていきたいですね。マスメディアだと1対多のメディアだから視聴率や効率を重視するあまりステレオタイプを押しつけがちになりがち。Twitterなどのソーシャルメディアは一人一人が情報を発信できるから小さい声も拡散していく可能性があるかなあと期待しております。
マイノリティなんて自分から程遠いものだと思われがちですが、案外身近だったりするし自分もある側面ではマイノリティだったりするかもしれませんね。だからって恥ずかしがる必要はないと思います。
なにいってるか自分でもわからないけど、ふと思ったので書いてみた。