いまこの瞬間に集中する

じぶんぢから再生プロジェクト ゲンキポリタン
株式会社マートワン
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【18】いまこの瞬間に集中する
 ■自己肯定スキル(自己認識スキル・共感性)

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【 基調 】
● 統合(人生の最終テーマ)
● 励ましの技術
● 自分をいかす
● じぶん力の安定
● 落ち着いて静かな状態


【 実行 】
● 準備を怠らない
● エイヤー!集中する


「いまこの瞬間に集中する」は、ライフスキルの統合によって実行可能になります。
また、「いまこの瞬間に集中する」は禅の教えでもあります。
ひととして幸福な状態であると言えます。
「好きこそモノの上手なれ」というのも、ここにあります。
そう思うと、かなり難しいということです。

だからマネジャーやリーダーがいます。
誰もが、いまこの瞬間に集中できればマネジャーやリーダーは不要になるかも知れません。
しかし、そのマネジャーやリーダーも「いまこの瞬間に集中する」ことが難しい。
だからいつまでも問題が解決しない。
と、いうことはみんなが「いまこの瞬間に集中すればいい」というわけで禅問答のようなことになります。


ひとは自分の行為に対する報酬(メリット)が気になると、恐怖心が芽生え、目的から意識がそれてしまい、心ここにあらずになり他人事になります。
逆に結果にこだわっているひとは、行為に対する報酬(メリット)を忘れて、結果にこだわらず行動します。


このため、誰もが意識の上では結果に集中して取り組んでいると思い込んでいます。
そこで結果が出ない人、変化が乏しいひと、変化しないひとは、原因に気がつかないまま、原因を自分以外に求めて周囲への不満やストレスを感じます。

感情が不安定になり、さらに自意識を過剰にしてしまい、目標への集中力を欠き、じぶん力を弱めてしまいます。依然として原因は分からないままです。
これが自分にも周りの人の間でも大きな問題となって浮上します。


【問題点】
● 意識がバラバラになる
● 他のことが気になる
● 白か黒かの発想がやめられない


「いまこの瞬間に集中する」ことは、ひととしての幸福を手に入れる関ヶ原のような決戦場といえます。
関ヶ原の合戦が総力を結集したように、ライフスキルの諸要素を結集して、結果に徹底してこだわりながら、結果にこだわらない状態を自分の内に創り上げます。
その状態が「いまこの瞬間に集中する」です。



【実行できない場合】
● 目標達成にこだわる
● イメージを味方にする
● 良い変化を起こす
● PLAN(計画)→DO(実行)→CHECK(反省)→ACTION(対策)
● 整理整頓


いまこの瞬間に集中する秘訣は、優先順位の決定力と準備力、整理整頓などかたづけの励行です。
まず気をそらせる障害となるものを排除することです。
厄介なのは、感情による障害です。
この対策は禅がヒントになります。
なにか考えや思いが浮かんだら、そこで断ち切る訓練を継続的に実行することです。


しかし、なかなかそれができません。
なぜなら心地よいからです。酒、たばこがやめられないのと同じです。
例えば失恋の感情は不快なはずです。
ところがクヨクヨしてしまう。あるいは考え込んでしまう。
これを心地よいとは思う人は少ないはずです。

でも、心地よくないはずのことが続く人には、これが心地よいのです。
いま目の前の集中することから逃げられるからです。
心地よいのは失恋に対する感情ではなく、逃げることです。
失恋を理由に上手に言い訳して逃げているわけです。
もちろん逃がしているのは自分です。自分の選択です。
対象が逃げる以上に魅力的であったら、逃げません。
禅は、どうにも魅力的でない状態にしておいて、それでも「他のことを考えるな」という場面を用意しています。だから訓練・修行になります。

優先順位の決定と準備をしっかりして、それで感情がチクチクうずいたら、
「ダメダメ、その手には乗らないよ」とノー・サンキューで返しましょう。
感情の洪水を受け入れて、自分をいまこの瞬間から逃亡させるか、それとも感情をシャットアウトして、いまこの瞬間に集中するか、自分の選択です。
また、いま自分がすることの関心よりも、自分への関心が優ってしまう場合も問題です。
たとえば営業マンが、そうなるととどうなるでしょうか?


「恥ずかしい。」
「どう観られるか不安だ。」
「自分の言うことなんか聴いてくれるはずがない。」
「うまく話せるかどうか心配だ。」
「心の中で笑われないだろうか。」


このような感情が起こることは、別に悪いことではありません。
問題は感情的な行動に発展させることです。
お客さまを相手にして、上記のような思いが起こり、そのため思うような行動がとれなかった場合、お客さまそっちのけ状態です。
自分のことしか考えていない状態です。別にお客さまはどうでもいいとは思っていないはずです。
どうして自分のことに、集中するかというと、感情がバラバラになったからです。

感情がバラバラになるとは、グレーだったひとつの感情が砕けて、いい感情、悪い感情などになった状態です。
白があったり、黒があったりです。
ひとは誰でも自分の好きな自分、嫌いな自分があります。
あるいはいい自分、悪い自分、なりたい自分、なりたくない自分など両端に属する自分がいます。
気持ちが安定しているときは、それらすべての自分を受け入れています。
自分以外に注目していて、自分を気にしていないからです。
おかげでいろんな自分が統合されているので喧嘩しません。穏やかです。
ところがなにかアクシデントが起こって、その処理に出かけた自分が嫌いな自分だったら、自分が気を悪くします。
“なんでなんだよ、好きな自分に出動してほしかったのに。”と思います。
すると自分のなかで内輪モメが始まります。ドンドンガタガタ騒々しい。
この状態が、感情が乱れた状態です。
そこで、自分が“まあまあ、そういうこともあるよ。嫌いな自分も自分の一員なんだから許してやれよ。好きな自分になるようにこれから努力させたらいいことだよ。”と仲介してやれば感情は処理できます。
また穏やかな状態になります。
しかし、自分が嫌いな自分が出動したことが許せないと、なんとかその事実を変えたいと思います。
すると犯罪者が証拠隠滅をするのと同じようにいろんな工作をします。
つまり感情が行動開始です。これが感情的な行動です。
工作したいと思っていないのに、しなければならないことが悲しくなります。
その悲しみは自分のなかに沈殿し、感情は重くなります。
メタボ状態と同じで、軽快なフットワークができなくなります。
不平不満が増える、イライラしやすい、疲れやすい、被害者意識が強くなるなど、いろんな症状が出てきます。

不健康な状態を改善するには、治療薬を飲むことも必要になります。
しかしなんといっても基本は、メタボ退治と同じで、運動することです。
それがライフスキルの花を咲かせるゴールデン・ルールの実行です。

感情は瑞々しいもので、ひとにとって大事なものです。
しかし、感情と感情的な行動は全く別物であることを忘れないようにしたいものです。

ある異性に恋をする。それは感情。
だからといって合意もなく抱きついたら、それは感情的な行動。犯罪です。
感情と感情的な行動はそれほど違います。
(後述「感情的な行動をしない」と併せて考えてください)


楽観的、ポジティブな人が、実は繊細で神経を使っている人です。
いつも危機感を自分から創りだして先手先手で手を打っています。
松尾芭蕉の俳句「ふる池や蛙飛込水のおと」を思わせる心静かな状態が目に浮かぶ余裕を感じます。


心が穏やかだから、いまこの瞬間に集中できます。
ネガティブな人は神経質ではなく、鈍感なだけです。
後手後手になっているから不安になります。不安は混乱を招きます。
ネガティブな人がプロセスに注目せずに結果に注目していることと関係しています。
楽観的な日々を過ごせるようになりましょう。

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