116卓球団体,男女ともメダルならず

卓球団体男女とも惜しかった。男子の準決勝ドイツ戦は熱戦だった。最終戦の岸川はヨーロッパチャンピオンのボルに対し互角の戦い。ボルのスピンがかかったフォアドライブに最後まで苦しんだが,ランク差以上の善戦だった。もし,第1シングルスの韓陽が勝っていれば,試合の展開は違っていた。もっとも世界選手権では韓陽が勝ったとはいえ,ランクはオフチャロフの方が上だ。3位決定2回戦ではオーストリア戦。この試合のポイントはミズキシのダブルス戦だった。最終セットまで行ってジュースのすえのネットインで負けたのが大きかった。もしこのダブルスを取っていれば第3シングルスの韓陽も余裕をもって戦えただろう。もし,この試合に勝っても3位決定戦は対韓国だから,どちらにしてもメダルは取れたかどうか。主力のミズキシは,19歳と21歳。まだまだ伸びる。
3位決定戦の韓国対オーストリア,決勝の中国対ドイツは中継がないようだ。これだけ面白いスポーツの団体最終決戦を中継しない日本のテレビ局はどうかしている。偏向もはなはだしいと言わざるをえない。バドミントンにしてもそうだ。日本(人)の活躍よりもすばらしい競技を伝えるのがテレビの役割だろうに。いずれにしろ,両試合とも壮絶な打撃戦が期待できる。中国の主力の馬琳と王皓,韓国の主力の柳承敏はペン型だ。以前のペン型のバックはショートが主で,フォア=打ち,バック=押し,と言われたことがある。現在ではショートだけでなく裏面でもドライブを掛けるのがトップ選手の特徴である。韓陽も強烈なバックドライブを掛けていた。アジアの伝統的なペン型とヨーロッパのシェイク型との対決ともいえる(オーストリアの陳衛星はカット主戦型)。3位決定戦は,韓国が3-1でオーストリアに勝った。さすがに韓国も強い。
テレビ観戦でも打球時の金属音が響いていたと思う。試合の前にはラバーを張り替える。ラバーダインによってスピンや弾き具合はかなり違ってくる。ゲームの変わり目にラケットをテーブルに置いてベンチに帰るのは,ゲーム毎にラバーの張り替えを禁止するためでもある。以前はゲーム毎にラバーを張り替えることもあったほどだ。ラバーダインの種類や使い方については一定制限があった(今は疎いので詳しくは知らない)。福岡が2006年の世界選手権時に抜き打ちの検査で,基準値以上のキシレンが検出され,失格になったことがある。
女子の3位決定2回戦の香港戦は見事だった。第2シングルスの福原,ダブルスの福原・平野はともに0-2からの逆転だった。この頑張りが第5シングルスの平野の快勝に繋がった。平野は帖には勝っていなかったはずだ。団体戦の面白さを満喫させてくれた。3位決定戦は予選リーグとまったく同じ対戦になった。第1シングルスの平野対金戦が鍵だった。平野は第3セットにドライブの緩急をつけ,左右に振って快勝した。そのまま行くかと思ったら,相手カットを繋ぐドライブに戻ってしまっていた。スマッシュしてミスするよりも,つなぐドライブのミスのほうがショックが大きい。福岡・平野のダブルスは,福岡のミスは予選リーグの時より少なく,フォアスマッシュが効果的に決まっていた。平野が繋ぎのドライブに終始したのが敗因だろう。日本の勝利にはダブルスまでの3試合で2-1が条件だったと思う。もし,1試合でも取っていても,福岡対唐,福原対朴のシングルスは韓国に分がある。
女子団体決勝は,中国が3-0でシンガポールに快勝した。シングルスの王楠張怡寧がそれぞれ1セットを失っただけ。中国の強さは圧倒的だ。女王の座はこれからも揺るぎがないだろう。
オリンピックの個人戦はシングルスだけだ。今日からすでに試合が始まっているようだ。
国際卓球連盟 (ITTA) のトップ50について顔写真とラケットの種類などについてまとめた下記を参照。