201水谷,石川ともに優勝(卓球ワールドツアー・グランドファイナル)

日本の卓球に新しい歴史が刻まれた。ワールドツアー・グランドファイナル(12月11日〜14日,バンコク)の最終日を迎え,男女シングルスの準決勝と決勝があった。
男子シングルスでは水谷隼が準決勝ではフレイタス(FREITAS Macros,ポルトガル)に 4-1 (11-9, 11-7, 11-6, 4-11, 11-9),決勝ではオフチャロフ(OVTCHAROV Dimitrij,ドイツ)に 4-3 (14-12, 12-10, 8-11, 11-3, 6-11, 12-14, 11-6) と勝ち,2010年に続き2回目の優勝となった。水谷は初戦の森薗政崇戦で 4-3 と薄氷を踏み,メンゲル(MENGEL Steffen,ドイツ)戦から調子を取り戻した。チキータは多くなくフォア前へのストップレシーブを主に組み立てていた。以前よりも攻撃的なスタイルが印象的だった。オフチャロフにはここ最近1勝3敗(通算では8勝4敗)と分が悪かっただけに価値ある勝利である。
女子シングルスでは石川佳純が昨日の石垣優香福原愛との日本選手同士の対戦を制し,準決勝ではポータ(POTA Georgina,ハンガリー)に 4-0 (11-6, 11-3, 11-7, 11-5) に圧勝し,決勝では徐孝元(SEO Hyonwon,韓国)にも 4-0 (11-7, 11-7, 11-3, 11-9) と危なげなかった。ポータとは1勝1敗,徐とは2勝3敗だっただけに最近の充実ぶりをアピールする形になった。中国選手以外の決勝戦は1996年から始まったグランドファイナルでは初めてであり,また石川は中国選手以外の初めての優勝者となった。
日本選手は6種目すべての決勝に勝ち残り,男子シングルス(水谷),女子シングルス(石川),女子ダブルス(平野・伊藤ペア),U21男子シングルス(町)の4種目で優勝,男子ダブルス(松平・丹羽ペア),U21女子シングルス(前田)の2種目で準優勝というすばらしい成績を残した。ツアー大会の参加数などでエントリーできなかった圧倒的な強さの中国選手と対戦したならば違う結果になっていた。中国を追いかける2番手争いからは一歩抜け出したといっていいだろう。