akehyon2010-04-24

今日は帰るだけ。午前中は時間があったので、風月で自転車を借り、島の西端のマハナ展望台や、北にある洞寺(鍾乳洞)、東の長浜ビーチなどを見て回る。
一日一往復しかないフェリーで、那覇に帰る。那覇空港から、神戸空港へ。那覇も2日前と比べて肌寒くなっていたが、神戸の寒さは応えた。気温差約10度。

競争と公平感

労働経済学者である大竹文雄氏の著作。やや細切れ的であるところは残念だが、一方で市場メカニズムの有効性を強調し、他方では、心理学、社会学などの他の学問領域からの成果を柔軟に取り入れて経済学的な思考を発展させる、内容豊富な新書となっている。中心的な論点の一つは、なぜ日本人は市場メカニズムに対して評価が低いのかという点だろう。成功には「勤勉さ」よりも「運やコネ」が重要と考える日本人が。1995年から2005年で急増しているという調査結果は、暗澹たる気持ちにさせられる。
その他、2章で紹介されている、死後の存在(天国や地獄)を信ずる人が多いほど経済成長率が高いが、教会に熱心に行く人が多いほど経済成長率が低いというBarro and McClearyの研究(Religion and Economic Growth across Countries)はなるほどと思った。中毒財(タバコ、ギャンブルなど)に課税すべきという主張も納得できる。
最低賃金の引き上げると、雇用が減るというのが(単純な)経済学的な見方だが、必ずしもそうではなく、雇用を増やすという結果を得た研究もあるという。多くの経済学者がさまざまな論文を発表しており、これに関しては未だに結論が出ていないそうだ。
競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書)