なぜぼくが合同会社を作ったのか

「翻訳を自由にやっていてご飯が毎日食べられるとしたら?」
「インターネットでなんでも調べられるのを最大限に生かす方法は?」
「いましかできないことをやってみたい」
こんなことを考えていたら「合同会社」というものに出会いました。「合同」ってなんですか?ということをぼくも最初は思ったんですが、この変な名前の会社にはなにか面白いものがつまっていそうだと思って「よし、ひとつこれで会社を作ってやろう」と決めたんです。
こんなぼくでも作れた(らしい)のですから、簡単なんだと思います。作りたい人、作れそうな人はどんどん作ったらいいと思います。
ややこしい話は抜きにして、「合同会社」ってヤツのなにがそんなにいいのか、考えてみようと思います。

  1. ひとりでも会社を作れる
  2. お金が少なくても作れる
  3. 自分の一生懸命やっていることを人にわかってもらいやすい「カタチ」にできる
  4. 自分の会社に就職できる

ざっと思いついただけでもこれだけあります。ぼくから見たら、この四つだけでも本当にありがたいことなんです。信じられないくらい世の中は変わりました。
ぼくの場合、かねてから翻訳とインターネットをやって暮らしていきたいと思っていたので、それができそうだということだけが理由で合同会社を作ったようなもので、世の中の大半の人から見ればこれは「自分には関係ない」「オレいまの会社で満足だし」「そもそも合同会社みたいな変な名前で店を出したら近所の目とか体裁が悪い」「本当にそれで食っていけるの?」という話になるのだろうと思われます。そうですよね。ごもっともだと思います。もう少し意見を聞かせてください。え、なんですか?「国が作ったからには、時間はかかっても信頼されるようになっていくだろう」・・・。なるほど。ぼくもあなたの意見に賛成です。せっかくだからちょっと合同会社について調べてみませんか。
合同会社設立.com
「安い」「早い」「安心」ということで、34,800円で合同会社設立を手伝ってくれるそうです。行政書士法人のページ。
会社設立 - 『合同会社(LLC)』ってどこがスゴいの?
合同会社は別名「LLC」っていうらしいです。アメリカの会社制度を日本に輸入したらしいですね。日本に持ってきたら、出世魚みたいに格が上がって法人格が与えられるようになったんだ。へえ。
法務省 オンラインシステム
それで、国に届け出ると合同会社を設立できます。オンラインでもできるんですね。ただ、ぼくはこれでけっこう壁にぶつかりました。

それで、今日法務局に行ってきました。

今朝起きたらなんだか寒かったです。10月になったんですね。
10月1日という日付には、まったくこだわっていなかったんですが、ものごとのなりゆきで、今日晴れて世の中に自分の合同会社をお披露目いたしました。会社の名前は、「合同会社翻訳オフィス駒田」というものです。これで申請が却下されないといいんですが。「そんな名前、だめです」とか言われたら落ち込みますね。普通に自分の名字を入れて仕事の内容がわかるような会社名にしたので、そんなに問題はないと思っていますが、10日後に登記が完了するまで、嬉しいような怖いような気持ちが続くのでしょう。
「オンライン申請」というのがとても興味があったので、ぜひやってみたいと思ってインターネットで情報を集めて半月あまり、結局ぼくの場合は家から歩いていける法務局に行ったほうが話が早い、という結論になりました。港区の法務局は区役所にあるわけではありません。隣りとか並びとかでもありません。ここです。
港出張所 案内図及び交通手段
ちょっとわかりにくい場所かもしれません。最寄り駅は麻布十番。「新一の橋」という交差点から、芝公園方面に向かって、1分ほど歩いたところを左に入ります。そうすると静かな住宅地のなかに、人やタクシーやらが集まっているところがあるので、「たぶんこれだろう」と見当をつけます。そして、それは当たりです。看板はあまり目立ちません。
オンライン申請のつもりで自分で作成した申請書一式をかばんに入れて、ちょっといつもより多く現金を持っているので緊張気味に歩いて扉を開けると(自動ドアですが)印紙売り場があります。ここで「登録免許税」というものを払うらしい。60,000円払いました。それから、「定款」に貼り付けるという印紙税があるという話を聞いていたので、40,000円払いました。あわせて100,000円。ちょっとこれは安くはないですが、「紳士は税金の話をしない」という・・・。
ぼくは誰にも教わらずに自分で申請書一式を作ってきたので、不安です。行政書士の方に頼めばよかったかも、とか思いながらも、相談コーナーがしっかり賑わっていたので安心。順番を待って、専門家らしい男性の方に話をします。
結論。相談してよかった。自信にあふれた感じの人で、こちらが言う前に言いたいことを呑み込んで答えを出してくれるような人でした。ありがとうございました。
印鑑を押す場所とか、束ね方が不安だったので、相談してから局内で申請書を仕上げました。ぼくの場合、提出したのはこういったものです。

  • 合同会社設立登記申請書
  • 定款
  • 代表社員、本店所在地及び資本金を決定したことを証する書面
  • 代表社員の就任承諾書
  • 払込みがあったことを証する書面
  • 印鑑届書(会社代表者)
  • 印鑑証明書(自分)
  • 別途FD(「登記すべき事項」をメモ帳に書いた.txtファイル)

これで足りたと思ったんですが、あまりにも簡単に受け取ってもらえたので、あとで思わぬ展開が起こらなければいいなと心配。でも相談してもらったから大丈夫かな。
ぼくは印鑑を押すのが苦手。ほんとうに向かないと思います。手先が不器用というわけではないのですが、印鑑を持つと緊張して手が震えてしまうのです。
今日は申請書一式を受け取ってもらって、登記完了の日が書かれた一枚の紙をもらって終わりです。控えとかをもらえるのかと思ったら、なにもなかった。法務局は忙しいんだと思います。どんどんさばいていかないといけない。簡潔でいいのかもしれない。