【編集大苦戦!】 『イナズマイレブンGO』第17話「炸裂!アルティメットサンダー!!」の感想 【必殺技大杉!】

 恒例のテレビアニメ『イナズマイレブンGO』の感想文、今回は第17話「戦慄!帝国学園!!」を観ての感想を書く。やっと感想文のペースが追いつけた感じ(今日にはまた引き離されるのだけど)。雷門中学と帝国学園との戦いは、円堂守(CV:竹内順子)と鬼道有人(CV:吉野裕行)とのサッカーへの思想の違いからくる代理戦争の様相を呈している。試合は鬼道イズムを前面にした帝国が圧倒的に押しまくる展開の中、果たして雷門は勝機を見出せるのだろうか?


 当ブログは、『イナズマイレブンGO』を視聴しての感想を、自分なりに面白いと思えるよう、コミカルにそしてシニカルに描く事をモットーにしています。その事に不快を感じる方はご覧にならないよう、お願いします。


 前回のアニメ『イナズマイレブンGO』の感想は、
『イナズマイレブンGO』第16話】「戦慄!帝国学園!!」の感想 【馴染みたくなかったけど、馴染みのネットカフェよりお送りします】をご覧ください。


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 1人少ない10人で、地区予選、優勝候補の大本命の帝国学園と戦う事となった雷門中学。質・量ともに勝る帝国側の攻撃をよく耐えてきたが、ついに帝国キャプテン、御門春馬(CV:早志勇紀)の放ったシュートによって失点してしまう。

 一方、病院では、サッカー界を裏から支配する組織、フィフスセクターと剣城京介(CV:大原崇)との関係を、剣城の兄の優一(CV:前野智昭)が気付いてしまう。



  


 試合会場では、先制された雷門が必死の反撃に出ていた。だが帝国の選手たちは監督の鬼道の最終指令「オペレーション・α1(アルファワン)」で行動している。これまで以上に強力なプレーで雷門イレブンに立ちはだかる。



 攻め上がる倉間典人(CV:高垣彩陽)から帝国ディフェンダーの蒲田太留彦(CV:大原崇)と飛鳥寺朔也(CV:飛鳥寺朔也)が合体ディフェンス技「サルガッソー」でボールを奪取する。

 さらに攻撃に転じては、前回空中戦で西園信助(CV:戸松遥)を苦しめた逸見久仁彦(CV:古島清孝)と佐々鬼厳(CV:奈良徹)とのコンビで織りなす必殺技「ブリタニアクロス」で速水鶴正(CV:吉野裕行)をフィールドごと粉砕する。





 弱々しい速水がやられているので、絵ヅラが単なるイジメのようだ。


 そして先制点を挙げた御門は脅威のパワーで霧野蘭丸(CV:小林ゆう)、天城大地(CV:奈良徹)2名のディフェンスを文字通り蹴散らし、シュートに持ち込む。省エネなのか、ノーマルのシュートだったので雷門ゴールを守るゴールキーパー三国太一(CV:佐藤健輔)もパンチングで防ぐ事が出来た。

 防御でフラフラの雷門の必死さと比較して、帝国イレブンは余裕しゃくしゃくの表情で、人数だけではない、地力の違いを雷門に見せ付ける。



 チームメイトである雷門選手たちの苦闘を見ながらも、依然病室にいる剣城に向かい「お前はこんなところで何をしているんだ?」と問いかける兄の優一。



 試合では、ついに雷門キャプテンの神童拓人(CV:斎賀みつき)が自らの化身を発動させて行き詰まりを打破しようとするが、化身に関してはフィフスセクター出身者(シード)の多い帝国の選手の方も十八番(おはこ)だ。前回化身を発動させた龍崎皇児(CV:前野智昭)が化身「竜騎士テディス」を発現させ、神童の「奏者マエストロ」に対抗する。





 化身対決は龍崎が制する。対天河原中学戦の隼総英聖(左・CV:室元気)と争ったときもそうだったけど、どうも神童は化身同士の力のぶつかり合いには弱い印象。


 技や戦術がことごとく潰され、やはり望みは未完成の必殺タクティクス、「アルティメットサンダー」しかない。だがそれを成功させる事ができる選手がいない事もまた、事実。


 車田剛一(CV:野島裕史)が機関車を思わせる豪快な必殺技「ダッシュトレイン」で佐々鬼をぶっ飛ばし、ボールを奪取する。この技は派手な上に、誰に対しても通用しそうで観ていて楽しい。




 車田は奪ったボールをすかさず神童にパスする。神童は何度目になるか分からないほど繰り返された、「アルティメットサンダー」への挑戦をまたも挑む。今回は起点から神童で、浜野海士(CV:金野潤)が蚊帳の外だったのが浜野ファンの当方的には残念。

 倉間まで順当にパスが繋がり、後は前に蹴り出すだけなのだが、やはり力不足で失敗してしまう。


 攻守ところを替え、帝国が雷門陣内に攻め入る。御門が化身「黒き翼レイブン」を発現させ、シードの真の姿を露わにする。まずい! 三国さんでは10000%止められそうにない超強そうな化身だ!

 もはや一つ覚えの、とりあえず出しとこか技「バーニングキャッチ」を出す三国。前回の失点シーンで放たれた「皇帝ペンギン7」よりも強力なシュートの前には、三国のバーニングの炎など風前のともしびにしか見えない。





 やはり止められなかった!! これで得点は0-2となり、雷門の逆転は相当に難しくなった。前回、神童の必殺シュートを技を発動させる事なく止めて見せた帝国のキーパー、雅野麗一の牙城を崩し、3点を奪わなければならなくなったのだ。これは見た目の数字以上に厳しい印象を受ける。


 フィフスセクターの幹部も、これで雷門も終わりだと安堵の言葉をつぶやく。



 病室では優一の、剣城への追求じみた質問が続く。剣城がフィフスセクターの使いの黒木善三(CV:加瀬康之)と話していた会話を聴いていた事を明かす優一。

 驚く剣城。汚いサッカーに心を売って自分の脚の治療費を得ようとした弟を激しく叱責する優一。何の打算もなくプレーした頃の、楽しかったサッカーの事を語り、気持ちを伝える優一。

 感極まった優一の目から流れ出たモノが、握り締めた拳の上ではじけ、その輝きは剣城の心を激しく打つ。



 兄弟で夢見たサッカーの世界観を裏切った弟を、兄は許す事が出来なかった。「出て行け!!」と有無を言わせない強い口調で剣城を病室から追い出す優一。優しい兄が見せた、取り付く島もないその頑(かたく)なな態度に無言で立ち去る剣城。すべては兄のためにした事だったのだが、それこそが兄の心を傷つける裏切り行為だった事に、今ようやく気付かされたのであった。



 試合では2点のビハインドを背負う雷門が、未だ攻められ続けていた。ここまでの全得点を挙げ、ポイントゲッターとなっている御門をマンマークする神童。確かに化身使いの御門を止められるのは、雷門で今のところ唯一化身が使える神童しかいない。だがそう思うのは帝国側も同様。神童がそう来る事も、御門には想定の範囲内であった。

 雷門のキーマンである神童を引き付け、他の選手を縦横に使うスペースをおぜん立てする御門。帝国側の個人技の高さも相まって、ピンチが再三訪れる。



 ここで長かった前半戦が終了する。必死で戦い、それでも2点を失った雷門。観客席からかつての仲間たちを応援してきた一乃七助(CV:折笠富美子)と青山俊介(CV:高垣彩陽)も、やはり強い帝国、そしてその背後に控えるフィフスセクターの強大さには逆らえないのかと残念そうにつぶやく。後半戦が残っているのに、敗色濃厚な状態を感じて諦めムードだ。現状では確かに、そう見えても仕方が無いだろう。

 実際、ハーフタイムの帝国の側も逸見が余裕の態度で、雷門の歯ごたえのなさを揶揄する。御門が油断を戒(いまし)めるが、それもキャプテンとしての立場から発した言葉であって、表情はもう楽勝を感じ取っている。

 監督の鬼道は、一方的な展開となっている試合を振り返り、「どうした円堂。これが雷門の全力なのか?」とかつての友の率いるチームの不甲斐無さを嘆くかの様な態度を取る。まるでこの程度の壁は乗り越えなければならないと教え、導くかのように。


 一方の雷門イレブンのハーフタイム。当然ながら全員が落ち込み、元気がない。せめて「アルティメットサンダー」が成功しなければ、勝ち目はないと速水が言う。キッカーとして失敗し続けている倉間は、それを聞いて立つ瀬なく、悔しそうに顔を歪める。

 そんな倉間に声を掛けたのが、KYでならす松風天馬(CV:寺崎裕香)だった。「もう一度挑戦しましょう」と頭を下げてお願いする天馬に対し、やはり立つ瀬なく当り散らしてしまう倉間。


 「諦めるな! 諦めない奴だけに、掴めるものがある!」と倉間を諌(いさ)める円堂監督。またイイとこ取りのセリフに見えるが、今度ばかりはその言葉にも神通力がなく、みんな下を向いてしまう。


 だがそこにようやく、視聴者のみんなが待ち望んでいた男が現れる。「オレを出せ!!」と語気鋭く現れた男、その男こそ、「アルティメットサンダー」を蹴る事ができると思われていた、剣城その人であった。




 剣城の登場に反応した帝国のこの4人が、おそらくシード。


 兄からの叱責を受け、剣城は本当のサッカーを自分なりに取り戻すためにやって来たのだ。シードとしてのプライドも外聞も捨て、出場を懇願(こんがん)する剣城。

 当然の如く、信用できないと倉間が言い放つ。剣城を見る他のみんなの視線も厳しい。これまで犯してきた行為を鑑(かんが)みれば、これが普通の感覚だと思う。

 沈黙に耐えかねて、円堂の裁可を仰ぐマネージャーの空野葵(CV:北原沙弥香)に対し、剣城の処遇を決めるのはお前たちだと、決定権を選手陣に丸投げする円堂。


 そこで発言したのが、やはりわれらがKY、天馬だった。

 「俺は剣城を信じます!!」

 と、力強く言ってのけた天馬くん。出会ってからこっち、天馬を酷い目に遭わせ続けてきた剣城が、被害者側のその意外な発言に驚く。剣城の行状を理由に剣城の仲間入りを拒否する倉間の当然の言い分にもKYを貫く天馬。

 剣城のプレーは、サッカーが好きな人間でないと出来ないプレーだと喝破し、皆を説得する天馬。天馬の単純でいて素直な視線は、剣城の本質を見事に見抜いていた。



 天馬から思わぬお褒めの言葉を受け、涙腺が緩む剣城。このシーンではホントに泣き出しそうだった。


 そして彼のKYは今回は良い方向に働く。キャプテンの神童が最初に天馬に賛意を示す。そして信助、三国と後は雪崩(なだれ)だった。全員が剣城の仲間入りを許可し、最初に反対した倉間さんの立場が……。

 で、立場のなくなった倉間も「1人足りないシナ〜」となり、正真正銘、全員の推挙で剣城は雷門イレブンの一員となった。

 全員の意向を受けて、最初からそうなると思っていたかのように笑う円堂。剣城に出場を許可する。演出過多な展開だけど、円堂は選手名簿に剣城の名前も書いていたはずなんだけどね。じゃないと出られないはずだから。ただこのシーンでそんな野暮な事は言いっこなし。

 剣城という頼れる11人目のメンバーが加わったことにより、意気が大いに上がる雷門。天馬から頑張ろうと声を掛けられ、笑顔で返す剣城。ついにツンだけだった剣城にもデレ期が訪れたようだ。



 後半戦直前。剣城がピッチに立った事は様々な波紋を呼ぶ。フィフスセクター本部では、自らの説得で剣城が動いたと思い込んだ黒木が、成り行きを満足そうに聖帝、イシドシュウジ(CV:野島裕史)に報告する。

 病院では兄、優一がピッチに立った弟を見つめ、自分の脚を気にする事なく自由にプレーする事を望む。

 帝国のメンバーのうち、(勝敗指示も知っているから、おそらく)シードである御門と逸見の生傷コンビは、勝敗は既に決まっているのに、来てもお前の仕事はもはや無いという心境。まだ剣城が本格的にフィフスセクターを裏切っているとは思っていない様子だ。


 剣城を観る者に様々な思い(勘違いを含む)を抱かせたまま、後半戦がスタートする。



 開始早々、剣城はその高い能力でボールを奪う。その動きを見て、剣城は完全に自分たちフィフスセクターを裏切った事に気付く御門と逸見。ただ剣城が雷門に付いたところで、実力差でねじ伏せるつもりの2人は余り動じない。


 倉間をゴール前に送り込み、自らは剣城を核としての「アルティメットサンダー」を発動するための起点となる神童。浜野は完全にお役御免になってしまったようで。

 ボールは剣城まで繋がり、剣城が「アルティメットサンダー!!」の掛け声と共に蹴り出す。いよいよその未完の必殺タクティクス完成か? と思われたのだが、まるで威力の無いものとなってしまう。




 律儀に輪になって必殺タクティクスを待つ帝国の皆さん。しかしここでは不発に終わる。技名が文字として出ない時は失敗するんだよね。


 技が不発に終り、落胆する雷門イレブン。敵陣に落ちたときに衝撃波を発し、相手ディフェンス陣を打ち破る必殺タクティクスが「アルティメットサンダー」なのだが、剣城のキック力を持ってしても成功しないというのだろうか? それとも、他に何らかの要因が?

 もう一度挑戦する事を志願する剣城。その意気に答え、神童は再び奪ったボールを回し始める。剣城も後方に向かって走り出す。

 同じようにボールは繋がり、そして剣城が再びボールを蹴り出すが、やはり衝撃波が出ない。2度目の挑戦も失敗に終わる。神童や倉間と違い、キック力のある剣城のボールは前に飛んではいるのだが……。


 まさか、手加減をしているのでは?(=実はフィフスセクターの意のままに動いているのでは?)と疑念の目で剣城を見てしまう速水や倉間。疑われている事に気付き、そうではない事を証明したい剣城。

 ボールを蹴る瞬間、リハビリをする兄の姿が頭をよぎっていた事に思いが至る。その事が引っ掛かっていて、無意識的に思い切ったプレーが出来ない状態だったのだ。

 その事がテレビを通しても分かるのだろう。優一がサッカーの事だけに集中しろと語りかける。

 一方、そのプレーを観て自分の説得により自信を持つ黒木(ザ・勘違い)。


 攻め込む帝国の逸見に対し、初披露のディフェンス技「ザ・ミスト」でボールを奪う蘭丸。「霧野」という名字は伊達ではなかった。




 そして剣城にパスを送る蘭丸だったが、剣城はさっきからの失敗に動揺してそのパスに気が付かないという失態を重ねてしまう。せっかく蘭丸が奪ったボールを、まんまと龍崎に掠(かす)め取られてしまう。
 
 剣城の失点を取り返すべく天馬が突っかかるが、龍崎は余裕でかわし続ける。



 天馬が剣城を元気付けるセリフを言っている間、律儀にリフティングして待っていてくれる紳士の龍崎。


 未だ目覚めない剣城に向かい「そんなんじゃ、サッカーが泣いてるよ!」と坂田三吉のような事を言う天馬くん。その言葉にハッとさせられ、我に返る剣城。

 天馬の頑張りと、兄のこぼした涙が脳裏に去来し、その2つが剣城の胸中にオーバーラップする。迷いの一切が吹き飛び、決然と前を見据える剣城。


 天馬が追っていたボール保持者の佐々鬼に一気に追いつき、そのボールを高度な技術で一瞬にして奪い取る。剣城の復活であった。



 そして神童にパス。狙いは三度(みたび)の「アルティメットサンダー」だ。どうでもいいけど、剣城、先輩でありキャプテンである神童を呼び捨てにするところは変わらないのね。

 今まで裏切ってきたサッカーに、そして兄の思いに対する償いを込めて、剣城は「アルティメットサンダー」を蹴る事を心に誓う。



 サッカーが楽しかった頃、剣城の記憶の中の兄も楽しそうだった。




 そしてついに成功する、「アルティメットサンダー」!!


 「アルティメットサンダー」により、帝国のゴール前のガードはがら空きとなる。そこにものすごい勢いで走りこむのは、天馬だった。天馬は円堂から指示されていた、シュート技を完成させていたのだ!

 剣城の「アルティメットサンダー」の成功をゴールに繋げようと、天馬の必殺シュート「マッハウインド」が炸裂する。帝国の最後の防衛線、雅野も必殺技「パワースパイク」で迎え撃つ。この必殺技同士の勝負はどちらが勝つのか?





 何と、あっさりとゴールを割り、雷門が1点を返す事に成功した。天馬はこれが公式戦初ゴールだ。雅野は神童の「フォルテシモ」を技なしで止めたすごい選手のはずなんだけど……。よほど威力のあるシュートなのだろう、天馬の「マッハウインド」は。

 チームメイトから祝福される天馬に、剣城もその実力を認める笑顔で迎える。完全にデレ模様の様子。


 そこからは完全に雷門のショータイムとなる。神童の必殺フェイント「プレストターン」で相手を完全に翻弄し、剣城の参入で実は一番見せ場の減ってしまった浜野も「なみのりピエロ」で相手を華麗に抜き去る。




 全員の力でもぎ取った1点がその数字以上に雷門のメンバーに力を与えていた。「勝つぞ!」の神童の掛け声に、一斉に力強く答える真正雷門イレブン。


 だがさすがは帝国のキャプテンにしてシードの御門。もはやその勢いは誰にも止められないと思われた雷門から強引にボールを奪い(ちなみに奪われたのは、浜野)、すかさず化身発動に持ち込む。まずい、攻撃ではイケイケの雰囲気だったけど、三国さんは今の雷門の数少ない穴だ。化身でシュートされたらひとたまりも無いだろう。

 そこは同じく化身持ちの神童が「奏者マエストロ」を発現させ、御門の「黒き翼レイブン」に対抗する。今の雰囲気、そしていい感じにバックに流れる「T-Pistonz+KMC」の歌声を聴いていると、負ける気がしねぇ。



 黒い羽を撒き散らし、ワタリガラスraven)は奏者に狩られた。


 龍崎の「テディス」にはしてやられた神童の「マエストロ」だったが、今度は押せ押せの雰囲気も後押しして圧倒した。餅は餅屋、化身持ちは化身持ちに。三国さんは保護対象です。


 ボールは剣城に渡る。かつてはシード仲間だった龍崎がその行く手を阻む。シード同士の戦いかと思われたが、剣城はボールを高く蹴り上げる。すでに仲間の特性を掴んでいるのだ。

 そこに走り込むのは、もちろん雷門イチのジャンプ力の持ち主、信助だ。





 今度は信助の必殺技「ぶっとびジャンプ」と雅野の必殺技「パワースパイク」の戦いだが、これも時間の都合か、あっさりと信助が押し込んでしまう。ひょっとして雅野は、必殺技を出さない方が使えるんじゃないだろうか?


 天馬に続いて信助の公式戦初ゴールで、ついに同点に追いついた雷門。勢いを見れば、一気に逆転の展開だろう。ほぼ1人の力で2点取った帝国と違い、雷門は全員の力で勝ち取った2点だ(「ぶっとびジャンプ」は技の開発時からみんなの協力だったし)。メンバー全員の気合も断然違ってくる。


 この展開に周章狼狽(しゅうしょうろうばい)する黒木。聖帝にあわせる顔がなく、テレビ画面を見据えたまま、自分を完全に裏切った剣城に対して呪いの言葉を投げかける。


 御門はここで全員を自陣に戻して守る行動に出る。それを冷徹な目で見つめる鬼道。先導して動いた4人を見て、彼は何を思うのか。参謀のアイパッチ、佐久間次郎(CV:田野めぐみ)だけに聞こえる様な指示を出す。


 帝国の全員でゴールを守る行為は、現在の雷門に取ってはむしろカモであり、愚の骨頂である事を思い知る事になる。帝国メンバーが纏(まと)まったところに、一網打尽の「アルティメットサンダー」が襲い掛かる。




 無人の野を行くように攻め上がる天馬に、シードの意地にかけて通さないと、龍崎が化身を発動しながら立ち塞(ふさ)がる。しかし発動前に天馬の方がいち早く近寄り、必殺技「そよかぜステップ」で龍崎を蹴散らす。化身発動前のオーラを身に纏いながら、虚(むな)しく後方に消えていく龍崎。

 だが今度はもっと手ごわいシード、御門が天馬を阻止に向かう。しかし天馬はもうすっかり頼もしい仲間となった剣城に横パスを出す。


 剣城はここで新必殺技「デス・ドロップ」を放つ。こんなところまで新必殺技を温存するのが凄いが、仲間入りしたのが今回からだから、おかしい訳でもないよね。ここまでは「アルティメットサンダー」要員だったし。


 たったこの後半15分だけで、三国の「バーニングキャッチ」よりも信頼性を落とした蟷螂の斧(とうろうのおの)技の「パワースパイク」で立ち向かう雅野。だがこんな技で剣城の新必殺技を止められる訳もなく……。



 豪快に逆転ゴールが決まったところで、試合終了の笛が鳴り響く。ホーリーロード地区予選準決勝の雷門中学対帝国学園戦は、3-2で雷門の奇跡的な逆転勝利に終わった。

 兄とのサッカーを取り戻し、剣城は誇らしげにスコアボードを見上げた。そんな弟を、兄もまた誇らしげに見つめる。


 雷門の3得点は、すべて新加入の1年生の得点で、特に剣城は本当の意味での新加入と言えた。剣城の全得点に絡む大活躍で雷門は勝利した訳だが、それも全員で勝ち取ったという思いはみんなが持っている事だろう。

 そう、新加入の剣城でさえ勝利が自分ひとりの力だとは、もはや思わなくなっているはずだ。



 雷門の選手たちが勝利の美酒に酔っている間、試合会場の裏では鬼道と円堂の両監督が密談をしていた。フィフスセクターの仲間になった鬼道に、その理由を改めて問う円堂。

 その問いに、不気味に笑う鬼道。次回、その真意が明かされる。



 こんな邪悪な顔しといて、まさかあのオチとは……。



 次回に続く。



  エンディング



 今回は双方の必殺技が多くて、まとめるのが大変だった。ただ観ている分には楽しいんだけどね、必殺技の応酬は。


 帝国との戦いが、まさかこんなに巻きで終わるとは思っていなかった。てっきりもう1週ぐらい時間を取るのかと思いきや、一気に終わってしまったよね。おかげで前回すごそうな片鱗を見せていた帝国のキーパーの雅野くんが超ダメンズになっちゃった印象で、ちょっとかわいそう。まぁ彼は次回も見せ場があるんだけどね(ネタバレ)。


 次回はいよいよ円堂家のプライベートシーンも出て来る、日常パートの回。フィフスセクターとのいろいろな関わりを持つ人物も出て来るが、やはり見所は「円堂の嫁」で決まりでしょう。天馬くんの「突撃隣の晩ご飯」的リポもあるよ(ネタバレ)。



 次回「革命を起こせ!」に続く。



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 ↑ 最後まで読んでくれてありがとう。「諦めない者だけが掴める順位がある。」(今日の格言・円堂風。いつも図々しい言い方になってしまってすみません。悪いのは円堂のせいです) ……言い忘れていましたが、記事が面白かったと思われましたら、クリックして頂けるとありがたいです。



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