夢十夜


秋は・・夜が長いですね。お彼岸の中日を過ぎれば・・とくにです。
最近、睡眠時間が伸びている気がします。9時間は寝ています。
もともと沢山寝ないとダメなひとなんですが、猛暑からいきなり解放されて
寝やすくなったのでしょうか(~_~;)

前記事に続き、もう少し夢の話を書きたいと思います。


初めて夢診断なるものに触れたのは、中学の頃で「ユング夢分析」でした。
「夢を分析するなんて・・」不思議ですし、それは明らかに夢占いとは異質のもの。
単に夢を吉凶で判断するのではなく、夢を深層心理の産物と考え“読み解く”という
スタンスは驚きでした。また「ペルソナ」「アニマ」「アニムス」「オールドワイズマン」
など“ユング心理学のキーワード”の神秘的な響きは不思議大好き少女(笑)にとって
秘密の暗号のように聞こえ、私はすぐに夢中になってしまいました。

当時、ユング心理学の本で学生でも読めるレベルの本は少なかったと記憶しています。
そのなかで秋山さと子さんの『夢診断』はクリーム色の講談社新書が手に取りやすく
すぐ購入できました。
その本の中に更に「夏目漱石の小説“夢十夜”を解読する」という章がありました。
夏目漱石の『夢十夜』・・「こんな夢をみた」で始まる漱石の小品です。
その神秘的な美しい文章は“漱石らしからぬ”幻想的なもので本人が見た夢なのか創作なのか
わからないところが、また不思議に魅了されるのです。
作中に登場する美しい女性たち・・それは漱石の“アニマ”だということでした。
私のおぼろげな記憶によるとアニマというのは理想の女性像に近い概念ということでした。
(アニマはまた人格の女性的部分ともいえるそうです)
その後私の夢熱は(新語を作ってしまいました 笑)ユング心理学から
もっと実際的な夢の収集と解説を行う研究家・不二龍彦さんの著作へと移っていきました。
それでもユング夢分析は神秘な印象とともに「潜在意識」と呼ばれる、
私達の内側の広大な宇宙への切符として、私のなかに大切に保管されています。
『秋深し・・となりは夢を見るひとぞ』