たいやきさんは本を読む

2018-04-19

読了[470冊目]ヘルマン・ヘッセ、高橋健二訳『デミアン』☆☆☆☆

21:49 | 読了[470冊目]ヘルマン・ヘッセ、高橋健二訳『デミアン』☆☆☆☆を含むブックマーク 読了[470冊目]ヘルマン・ヘッセ、高橋健二訳『デミアン』☆☆☆☆のブックマークコメント

一番気に入ったことば「人はカメのように自己自身の中に完全にもぐり込まなければならない」



この本は大学時代の親友に勧められて読みました。


主人公シンクレールの内省や、家族や他者との関わりの中で感じる狭窄さは、(大人になった読者からみて)若さ故のそれと言うべきか、

それとも過去の自分の浅薄な思考の追視体験になるのか。


同年代の読者であれば、その思考がリアルに感じられるか。


あるいは文化的な違いやパーソナリティの違いに拒否反応を覚えるか。


物語のほとんどの部分がシンクレールの内言(あるいは感覚)を繊細な言葉で表現していることに、この作品の価値があると思います。


つまり、作中に語られる言葉、その感情に共感できるか、それとも違和感を覚えるかによってこの作品の評価は分かれると思います。


醜いと自分自身が思う内面を、美しいと思われる言葉で表現した作品です。



デミアン (新潮文庫)

デミアン (新潮文庫)

2018-04-17

読了[469冊目]安藤延男『コミュニティ心理学への招待』☆☆☆☆

12:30 | 読了[469冊目]安藤延男『コミュニティ心理学への招待』☆☆☆☆を含むブックマーク 読了[469冊目]安藤延男『コミュニティ心理学への招待』☆☆☆☆のブックマークコメント

一番気に入ったことば「戦略概念としての「コミュニティ」」


学部生の時、しかもまだ行動基礎論コース(心理学)に入ってなかったときに大学生協で購入したものです。


そのときは、基礎心理学応用心理学の違いくらいは知っていたけれどこの本を見つけて

「へー、心理学にも色々あるんだな」と興味を持って手に取った記憶があります。


当時は、初めて知る知識に感銘を受けた感があったのですが、部分的に読んで終わっていました。

今改めて読んでみて、このような視点は、臨床心理士スクールカウンセラー他、福祉関係や教育関係に従事する専門家にとって

踏まえておくべき知識としてなかなか良い本だと思いました。


また、個人面接を行う臨床心理士にとっても、マイクロシステムからメゾシステム、あるいはエクソシステムあたりまでの視点を踏まえて

個人を見ていくという、広い視点を身につけるために、コミュニティ心理学の理論が役に立つと思います。

2018-04-02

昨日読了[468冊目]リヒテンバーガー,E.O.,マザー,N.,カウフマン,N.L.,カウフマン,A.S.,著、上野一彦・染木史緒(監訳)『エッセンシャルズ心理アセスメントレポートの書き方』☆☆☆☆

20:23 | 昨日読了[468冊目]リヒテンバーガー,E.O.,マザー,N.,カウフマン,N.L.,カウフマン,A.S.,著、上野一彦・染木史緒(監訳)『エッセンシャルズ心理アセスメントレポートの書き方』☆☆☆☆を含むブックマーク 昨日読了[468冊目]リヒテンバーガー,E.O.,マザー,N.,カウフマン,N.L.,カウフマン,A.S.,著、上野一彦・染木史緒(監訳)『エッセンシャルズ心理アセスメントレポートの書き方』☆☆☆☆のブックマークコメント

一番気に入ったことば「忘れないこと!」


この本は、事業所アセスメントを行うこと、フィードバックを行うことの事前学習として読みました。


学生時代に修得した知識の再確認をし、改めてアセスメントの重要性とそのフィードバックの心得について学びました。


気に入ったことばの「忘れないこと!」は所々にある要点のまとめ表の言葉です。


Don't forget!の直訳かな?


「重要なこと!」とか「要点!」とか、「覚えておこう!」の方がしっくりくる気がして、逆に見る度に違和感を持って覚えられましたw


全体としては、観察によるアセスメントや見立て・指針、フィードバックの心得などアセスメント全般の知識が得られるものの、

例にしているアセスメントは知能検査によるものが主なので、それ以外のアセスメントにここの知識を流用するためには、読み替えが必要かもしれません。


2018-03-21

読了[467冊目]能登谷晶子・編『ことばの障害と相談室』☆☆☆☆

| 23:06 | 読了[467冊目]能登谷晶子・編『ことばの障害と相談室』☆☆☆☆を含むブックマーク 読了[467冊目]能登谷晶子・編『ことばの障害と相談室』☆☆☆☆のブックマークコメント

一番気に入ったことば「ことばの発達」

この本は、ことばの障害専門家、あるいはそれを必要とする保護者向けに書かれた本です。


たったの80ページ程の本ですが、なるほどと思える学問的な知識が詰まっています。


発語や構音、吃音等ことばの問題に取り組もうという初学者にとっては一読の価値ありです。


2018-03-18

昨日読了[466冊目]神田冨士子『どうする?1,2歳の噛みつき・ひっかき』☆☆☆

22:59 | 昨日読了[466冊目]神田冨士子『どうする?1,2歳の噛みつき・ひっかき』☆☆☆を含むブックマーク 昨日読了[466冊目]神田冨士子『どうする?1,2歳の噛みつき・ひっかき』☆☆☆のブックマークコメント

一番気に入ったことば「噛みつきやひっかきの問題が起こるのは、たいてい、戸外遊びが不足しているときです。」


利用者の子どもの噛みつき、ひっかき(抓り)対応のため読んでみました。


この本は基本定型発達の子を想定して書かれているため、私が苦慮している子への対応とは異なるかもしれません。


ある程度この本の通りにやってみたのですが、その対象児が満たされるとはどの程度なのか判断しにくい、また満足の程度まで1人の子に対応することが事業所として不可能なのが現実です。


市の発達センターでも、保護者の、私の事業所でも色々な対応をしてるのですが、改善できていません。


さて、またヒントを求めて他の本を読んでみましょうか。



2018-03-13

昨日読了[465冊目]市川宜伸編著『発達障害の「本当の理解」とは』‐医学、心理、教育、当事者、それぞれの視点☆☆☆

| 14:43 | 昨日読了[465冊目]市川宜伸編著『発達障害の「本当の理解」とは』‐医学、心理、教育、当事者、それぞれの視点☆☆☆を含むブックマーク 昨日読了[465冊目]市川宜伸編著『発達障害の「本当の理解」とは』‐医学、心理、教育、当事者、それぞれの視点☆☆☆のブックマークコメント

一番気に入ったことば発達障害はあってはならないものではなく、一つの特性と見ることができるもの」


この本は、ASDを中心に、医学心理学教育学福祉、当事者など様々な分野の方々が自らの、あるいは学術的な視点で執筆されたものです。


薄い本の割に9章もあり、一つ一つの章は短く、掻い摘んで要点だけを流して見るにはいいと思います。


2018-02-13

友田明美『子どもの脳を傷つける親たち』☆☆☆☆☆

| 22:34 | 友田明美『子どもの脳を傷つける親たち』☆☆☆☆☆を含むブックマーク 友田明美『子どもの脳を傷つける親たち』☆☆☆☆☆のブックマークコメント

一番気に入ったことば「両親間の身体的な暴力を目撃したときよりも、言葉の暴力に接したときのほうが、脳へのダメージが大きい」


この本は、4月に予定している社内研修(僕の所属している事業所が担当)の参考図書として読んでみました。


内容は、虐待、マルトリートメント(不適切な養育)が脳に与える影響についてです。


マルトリートメントについては、享受する子どもだけでなく、その親のケアも重要です。この本ではその点についても言及しています。


この本の著者は実際子どもを育てる母親であるため、自分のマルトリートメント経験についても語られています。


それが著書の説得力を増すかどうかはともかく、実際の親御さんが養育の中で「失敗したな」、「良くなかったな」と思う言葉がけや行動について

それを振り返り、改善していくことが重要だという視点に同意します。


脳は可塑性に富み、愛着形成や人格(パーソナリティ)形成についても、ある程度はやり直しの効くものだと思います。それ故に

臨床心理士等、僕たちのような心を扱う対人援助職の有用性が社会に認められているのだと思います。


さて、これから児童発達支援や放課後等デイサービスに携わるプロに対して、これまでの振り返りと、(マルトリートメントを行っている指導員に対して)

改善を促すために、僕はどのような研修を行うべきか。


問題意識を持って取り組める人は伝えるだけでいいのですが、仕事として行っているにもかかわらず、問題意識を持てないスタッフも稀にいるのは確かです。


そのような人も含めて、よりよい養育、子どもの支援について考えていける研修内容にしたいと模索しています。