たいやきさんは本を読む

2017-12-19

本日読了[461冊目]岡野憲一郎『脳科学と心の臨床』☆☆☆

19:46 | 本日読了[461冊目]岡野憲一郎『脳科学と心の臨床』☆☆☆を含むブックマーク 本日読了[461冊目]岡野憲一郎『脳科学と心の臨床』☆☆☆のブックマークコメント

一番気に言ったことば「治療全体を支えているのは、療法家の持つ知識でも技法でもなく、統合する力とそれを基盤にした創造力である。」


この本で得られる脳科学知識は、僕が既に知っていることが殆どでしたが、著者の逸話や経験談が盛り込まれ、読み物として楽しく読ませてもらいました。


僕自身、臨床心理士心理療法家としては、ある程度の脳科学知識が必要だと思っています。


既に学んだ事柄でも、このような本でリハーサルしていくことは肝要です。


脳科学と心の臨床―心理療法家・カウンセラーのために

脳科学と心の臨床―心理療法家・カウンセラーのために

2017-12-16

[460冊目]ドナ・ウィリアムズ『自閉症だったわたしへ』☆☆☆

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一番気に言ったことば「基本的にいつも、間接的なやり方がいいのである」



全体的に読んでいて思ったのは、非常に雑然としていて、ストーリーの意図するところや作者が何を伝えたいのかがわかりにくいなということです。


この本は自閉症自閉スペクトラム症)を抱える著者が、人生を語り、自閉症の世界を語ることを目的として書かれたものです。


自閉スペクトラム症だけでなく、虐待、解離性同一症といった心理的な問題もストーリーの中で語られます。それだけでなく、他者との関わりから高機能自閉症と言われる方が他者に影響されパーソナリティを形成していく過程や、自閉スペクトラム症故に他者との関係のなかで不利益を被る際の一事例として読むことができます。


正直本文はつまらないですが、エピローグとしてまとめられている部分や、訳者のあとがきを読むだけで、自閉スペクトラム症を抱える人に関わる人にとって役立つ示唆が得られると思います。


自閉スペクトラム症自閉症アスペルガー障害高機能自閉症)を抱える方がどのように社会、世界、または人間関係を捉えているのかについて知りたい方は(面白いと思った人は別に、なぜ私がつまらないと言ったのかを考えながら)一読することをお勧めします。


自閉症だったわたしへ (新潮文庫)

自閉症だったわたしへ (新潮文庫)

2017-11-21

[459冊目]奥田健次『メリットの法則 行動分析学・実践編』☆☆☆☆

16:23 | [459冊目]奥田健次『メリットの法則 行動分析学・実践編』☆☆☆☆を含むブックマーク [459冊目]奥田健次『メリットの法則 行動分析学・実践編』☆☆☆☆のブックマークコメント

一番気に行ったことば「アメとアメなし」


問題行動への対応について、行動分析学の理論を踏まえてわかりやすく説明されています。


こんなにシンプルでうまくいくのか?というくらい明確な対応法が載っていますが、


実際の現場では、問題行動を起こしている個人特性を知り、行動観察をしっかりした上で

行動変容に必要な環境調節(他者の対応含む)をしていくことが不可欠です。


これからも応用行動分析の書籍を漁って学んでいきたいと思っています。


メリットの法則――行動分析学・実践編 (集英社新書)

メリットの法則――行動分析学・実践編 (集英社新書)

2017-11-12

本日読了[458冊目]メアリー・シーディ『言うことを聞かないのはどうしてなの? スピリッツ・チャイルドの育て方』☆☆☆☆

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一番気に言ったことば「完璧さを求めるのではなく進歩を」



この本は、著者の提唱する、スピリッツ・チャイルドの育て方、数々の問題行動に対する対処法を紹介する本です。


スピリッツ・チャイルドとは、〜すぎる、子で、「癇が強すぎる」「かたくなすぎる」「感受性が強すぎる」「知覚が鋭敏過ぎる」といった子どもたちです。


spiritedということば自体は、「生き生きとした、創造的な、鋭敏な、熱中しやすい、エネルギーと勇気に満ちた、自己主張の強い性格をした」ということみたいです。


スピリッツ・チャイルドの特徴として、著者は、5つの性格を提示しています。

,箸砲く気性が激しい(パニックを起こしやすい)、⊆蠅つけられないほどかたくなな(頑固・こだわりがある)、とても敏感である(感覚過敏・感情抑制が困難)、いい弔任眞粒个鋭い(注意欠如)、ナ儔修謀応するのが遅い(スケジュールの変更、気持ちの切り替え苦手)を挙げています。(カッコ内は私の見解)


発達障害、あるいはそのグレーゾーンの子は、ネガティブな印象とことばでスティグマを与えられることが多いと思いますが、スピリッツ・チャイルドということばは、子育てはしにくいけれども、子どものポジティブな特性に注目して、工夫して関わることで、良い面を引きだそうとする意味を含んでいると思います。


ここで扱っている子どもは、一般的には子育てのしにくい子、あるいは発達障害グレーゾーンといわれる子だと思います。


正直残念な点として、アメリカと日本の子育て文化の違いや、事例(物語?)がメインの構成になっていて、主張が話の内容に埋没していて、拾いあげるのに集中力・注意力が必要だというところです。


よって、子育てに困難を抱える子をもつ親や、発達障害のある子を抱える子をもつ親がいきなり読んでも「???」となりやすいと思います。


ある程度発達障害知識がある親御さんや、他の発達障害に関する本の副読本として読むのが良いと思います。内容はアドバンス(教科書的な内容から一歩進んだもの)だと思います。


2017-11-05

[457冊目]中野信子『サイコパス』☆☆☆☆☆

18:58 | [457冊目]中野信子『サイコパス』☆☆☆☆☆を含むブックマーク [457冊目]中野信子『サイコパス』☆☆☆☆☆のブックマークコメント

一番気に言ったことばサイコパス


新書として書籍や研究論文からの引用がわかりやすく述べられており、

新書として非常に優等生的なつくりの本で、新書とはこういうものといえるような構成、内容になっています。


サイコパスは、非人格的で犯罪者予備軍というイメージが強いかもしれません。


しかし、共感性が低い、合理的物事を考える、恐怖や不安を感じにくい、といったサイコパスの性格・思考の特徴は

時に社会的・職業的有用であることがあります。


また、非常に雄弁で、魅力的な人の場合もあります。


サイコパスには、社交的で機知に富む、生意気で傲慢、感情を逆撫でする、冷淡で威嚇的など、

いくつかのタイプがあるみたいです。


サイコパス自体、障害ではありません。性格特性の一つです。


一方で、障害(disorder)とみなされる場合は、反社会性パーソナリティ自己愛パーソナリティ障害

などの診断がつくことになると思います。


心拍数が低い、あるいは上がりにくい、扁桃体の活動が低い、眼窩前頭前皮質側頭葉前部の機能低下など

(目には見えませんが)脳機能の特徴についての研究報告や理論について学ぶことができました。


サイコパス (文春新書)

サイコパス (文春新書)

2017-10-29

[456冊目]時雨沢恵一『キノの旅検戞☆☆

17:10 | [456冊目]時雨沢恵一『キノの旅検戞☆☆を含むブックマーク [456冊目]時雨沢恵一『キノの旅検戞☆☆のブックマークコメント

一番気に言ったことば「”誰も必要とされていない人はいない”とわかったら、祭りが行なわれる」


短編連作の寓話形式のライトノベルです。


気軽に読めて、大人なら少し考えると、「あの話か、あの問題のことか」とすぐにわかる

倫理的問題を含んでいたりいなかったり。


気に入ったことばは「認めている国」から。


話を要約すると、この国では、自分にとって必要な人に投票して、誰からも選ばれなかった人を国が殺すことに決めたが、

これまで誰からも名前を書かれなかった人はいないという。

しかし実際は、国の医師が秘密裏に誰からも選ばれなかった人を殺している。


世界では子ども(や親)を捨てる、あるいは売る(人身売買)は多くの国で行なわれているし

日本でも、法に触れる触れないに関わらず、自分の子どもや親を捨てることができるし、行なわれています。


命は尊いもので、必要無い人なんていないと理想を語ることは大切だと思う。


それを大声で強要する人は嫌いだけど。



2017-10-17

[455冊目]杉山登志郎・辻井正次(監)『発達障害のある子どもができることを伸ばす 幼児編』☆☆☆

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一番気に言ったことば「楽しい気持ちを共有することが大切」


基本的には親御さん、保護者向けの本です。


発達障害の基礎知識から、障害のある子への養育の視点、家庭での療育的関わり、困った行動への対処法

という構成です。


2011年発行なので、発達障害に関する診断分類の定義が最新のものではないです。


僕は発達障害に関する本を何冊か読んできたので、あまり新しい知見は得られなかったです。

発達障害のある子を育てる保護者の方が初めて読む本としては良いと思います。


発達障害のある子どもができることを伸ばす! 幼児編

発達障害のある子どもができることを伸ばす! 幼児編