「リカちゃん人形の好きなおじさんだったらキモイ!!」

国内某有名ジェンダー系MLを読んでいたら、7月7日の朝日新聞天声人語について議論していた。
議論の趣旨は、「女の子はリカちゃん人形ずき」的な典型的女性ジェンダーロールを、無批判に肯定している、天声人語への批判だ。
その批判そのものはともかく。


驚いたのは、その天声人語執筆者に関する、美術史専門の某大物ジェンダー学者の次の発言。

>リカちゃん人形の好きなおじさんだったらキモイ!!


で、その後のML投稿読んでも、誰も突っ込みをいれてなかった。


日本のジェンダー学なんて、しょせんそんなものか。

 
http://www.asahi.com/paper/column20070707.html
2007.7.7.朝日新聞天声人語

 「大人になったらなりたいもの調査」(第一生命)で、女子の首位は10年続けて食べ物屋さんだという。保育士や看護師の人気も根強い。幼い頃、あこがれの職業を、着せ替え人形と相談した人もいるだろう。

 タカラトミーの「リカちゃん」が、発売40周年を迎えた。累計5300万体。日本の少女文化を担い続ける。50歳前後までの女性なら、多くが一度は彼女と遊んだはずだ。

 開発者の小島康宏さん(66)にお会いした。かつてのタカラはビニール用品専門で、業界の空気は「膨らませ屋が何を」だったという。社長は「3年は売る」と意気込み、3年後には「あと10年」に。小島さんは腹を据え、長女の名前を里香とつけた。

 少女漫画の悲話をまね、リカの父は行方不明という設定。子供が遊ぶ時は、これが地域により「出漁中」や「東京へ出稼ぎ」になった。後に、父親はフランス人の音楽家と「発表」された。その種のあこがれは、双子の妹や白い家具など、膨大な商品群を生んだ。

 この40年で日本女性の寿命は11歳延び、産む子供の数は2.2人から1.3人に減った。自由時間や選択肢は増えたが、幸福感はどうだろう。リカちゃんの購入層は約5歳若返り、幼稚園児が主となっている。おとぎ話で遊べる時期が、昔より早めに終わってしまうのだろう。

 夢がより現実的になっても、「なりたいもの」が社会に優しく役立つ仕事なのには救われる。その情操を育むのに、リカちゃんも一役買ったのか。「永遠の11歳」は目に星を浮かべ静かにほほ笑むだけだ。