ホームレスにおける男女の非対称性

こんな記事読んだ。
○planet カラダン
http://d.hatena.ne.jp/Romance/20080801#p1
■屋根があればいいのか/ホームレスに女性が少ないという話


日本のホームレスには男女差がすごくあってなんとホームレスの90%は殿方だという。男性って大変だなぁ。

しかし、世の困窮という点では男女にそんなに差が無いと思うのだが何故こうも開きが出てしまったのか謎だ。ここで上記ブログエントリでも色々な考察をしているし、コメ欄でも色々な議論があって、なんだか「やっぱり男の方が悲惨だ!」とか、「ホームレスになってないとはいえ女性も別な点でこういうふうに悲惨」とか悲惨度の競い合いみたいな証拠ならベ状態とも言える状況がちらほら見られます。どっちもまぁ悲惨なことに変わりはないわけで、とにかくなんでこんなに開きがあるんだろうね?ということへの回答もそれぞれ憶測しかないわけですが、現実はどうなんでしょうね。

1:子供を引き取るというパターンが多いので生活保護を受けやすい。
子供が育ってしまった場合はこれは受けられない。男性のホームレスでも高齢者は多い。若い女性より多いとはいえ女性の高齢者ホームレスが少ないのは何故か?

2:DV被害によって家をでた女性が困窮するパターンではシェルターがある。
すべてがDV被害で出るとは限らないだろうし単なる経済弱者だって沢山いるとおもわれなのです。

3:風俗店で働く受け口がある
これはかなり大きい。そして辛いシロモノではある。路上生活で身が安全なら性風俗店なんかで働きたくないという女性も多いとは思う。逆に男性はこの職業選択肢は少ない。
尚、この場合、女性高齢者はどこに?老け専ってそんなにないかも。あと地方お宿の中居さんとか、お手伝いさんとか、そういう仕事とか、住み込み仕事なんかの受け皿数の差も調べた方がいいかも。

4:低賃金労働、単純労働の募集数は女性の方が多い
パートっていうと男性より女性の姿の方が浮かびます。そしてドカタとかガテン系は男性です。公共事業が減ったせいで殿方の仕事が急速に減ったとかはないかな?あと。パート賃金をこつこつ貯めて家賃払ってる女性も多いかも。ホームレスのおじさんが日雇い賃金を酒と賭博ですっちゃうという話はよく聞きます。ただパチンコ中毒の女性もいるからなぁ・・・。
3番のお話も含め、生活弱者、低賃金労働の職種ごとの男女内訳、総合数なんかも調べないと判らないですね。

5:女性はナニがなんでも屋根を求める
上記エントリでもありましたが、女性が路上生活をしようとするハードルが高いのはやはり身の安全への不安という本能かも。レイプには殺されると同じ恐怖がある。これは殿方には判らない感覚かもしれない。そして女性の方が保護本能が強い。なので身を寄せる相手をマジ真剣に捜すかもなのですよ。それは生活パートナーとしての男だけじゃなくて親、兄妹、親戚すら頼る。殿方よりは受け入れられやすいのかも。未だ女性が弱者という価値が世間にあるとかも作用して、受け入れるなんらかの親戚とか兄弟とかいるかもしれないです。といってもこれは憶測なので実態は不明。
世帯にいるぶらぶらしてナニもしてないおじさんとおばさんの比率も調べてみるといいかもなのです。

とにかく現実の統計資料がないと判んないです。

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上記の記事に対する良エントリ
○NC-15
http://d.hatena.ne.jp/muffdiving/20080801/1217658093
■[Text]ホームレスじゃねえからって困窮度が低いわけじゃねえけどな

マルクス博士情報によると猫猫センセの天敵らしいmuffdivingさんだけど、威勢がいい口調でいいこと書いてることが多いのですよ。

悲惨の光景には確かに男女に違いはあるかもしれないが、悲惨はただひたすら悲惨なんだよね。どっちにおいても悲惨であるならばそれを掬い上げる政治を考える必要はあると思われ。

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関連記事

○辻広雅文 プリズム+ONE
http://diamond.jp/series/tsujihiro/10004/
■貧困をイデオロギー問題として捉えた日本の不幸

最大の原因は、日本政府が1966年に貧困層の調査を打ち切り、再開していないことにある。議論の土台となるデータがないのだ。

な、なんだってーーーΩΩ Ω
ヒドす。
データがないわけだ。これ、ほんとですか?と疑いたいくらいですよ。