名張毒ぶどう酒事件、弁護側が特別抗告


去る9日、名古屋高裁名張毒ぶどう酒事件の再審請求に関して死刑囚側の異議を棄却しましたが、弁護団は14日に特別抗告を行っています。
名古屋高裁の判断について、東京新聞の社説は次のように批判しています。

 触らぬ神にたたりなし、ということなのか。検察側の倉庫に眠ったままの証拠は、今回も、調べられることがなかった。証拠開示への逃げ腰は、司法に対する国民の信頼を損ないはしないか。
 奥西勝死刑囚(89)の再審開始を認めなかった名古屋高裁名張毒ぶどう酒事件異議審決定は、昨年五月の請求棄却決定と同様、弁護団が新証拠として提出した三通の意見書を「再審請求の要件を満たさない」と一蹴した。弁護団は「検察官の証拠隠しを許したまま非情な決定を出したことは許し難い」と高裁の対応を非難している。
(中略)
 検察側はかつて、裁判所と弁護団との三者協議で「証拠はまだ膨大にある」と認めていた。弁護団は、その中に奥西死刑囚の無実を明らかにする手掛かりがある可能性が高いとみて証拠の開示を求めてきたが、裁判所も検察側も応じぬまま、異議審も終結した。
(後略)
(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015011402000172.html)

一審では無罪判決、死刑確定後も一度は再審開始の決定が出た事件です。「誰が見ても犯人は被告人(死刑囚)なのは自明」というには程遠いわけで、せめて未開示証拠を開示させるくらいのことはできないものでしょうか。

「ガレキの街の明暗 誰のための復興か」

NNNドキュメント'15 の「阪神・淡路大震災から20年」シリーズ第2弾は「ガレキの街の明暗 誰のための復興か」。

阪神・淡路大震災から20年。最近、神戸で耳にする「復興災害」という言葉。行政主導の都市計画が街の「復興」を妨げているという皮肉をこめた言葉だ。神戸市長田区では「再開発」による高層ビル化が商店の経営を圧迫している。そば屋を営んでいた中村専一さん(75)は「コンクリートのお墓をつくるな」と当初から計画に異論を唱えていたが、その言葉は20年がたち、現実のものになろうとしている。一方、芦屋市の森圭一さん(67)らは行政の「区画整理」案にNOをつきつけ、10年もの長い歳月をかけて自分たちの街を再興した。東日本大震災以降、神戸の街を視察する人は後を絶たない。ガレキの街の20年後の姿は「行政主導ではない住民主体の街づくりの重要性」を静かに訴えかけている。
(http://www.ntv.co.jp/document/)

関西のメディアではたまに取り上げられてきた問題ですが、他地域の方にも是非知っておいていただきたく。