池田信夫氏の事実誤認について

apjさんからの私信(apjさんのブログのエントリ池田信夫氏からのメールに転載されている)によれば、池田信夫からapjさんへのメールに次の記載があるようだ。

私は、彼が引用した牧野淳一郎氏のサイトに、彼の論旨と逆のことが書いてあることを「間抜け」と呼んだのであり、これは彼も認めました。
これは事実に反する。
私は自分が「間抜け」であると認めた覚えはない。池田氏は牧野さんのレビュー(参照)の「ベクトルプロセッサはダメ」という部分にのみ安直に飛びついているが、私はレビューから「現在あるプロセッサ(GPUやゲームなどを含めて)のいずれもがプロセッサ間のデータ転送に解決すべき問題がある」ということを学んだ。だから氏の議論の「目的さえ決まれば、汎用CPUをつなげば速度はいくらでも上がる。」の部分を「科学計算とWebサーバか何かを同列にイメージしているスケーラビリティを無視した論。」と評した。この部分は私は今も自分の意見が妥当であり、牧野レビューが私の論旨に反しているとは考えていない。したがって自分の意見を書いたエントリを取り下げていない。牧野レビューには読者のレベルに応じた受け取り方がある。
それ以上に、池田氏のメールの書き方は現状に対する認識をミスリードしていると思われる。池田信夫blogにおける私への中傷は次のようなものであった(【魚拓】池田信夫 blog gooブログの品質管理*1 ):
(*)匿名のつもりでも、きのうの記事について自分のコメントを否定するサイトにリンクを張った荒木圭典のような間抜けもいる。こういうイナゴの実名は、わかり次第、今後も公表する。
この「間抜け」は論旨、とくに次の文の「イナゴ」という表現からして、「匿名のつもり」に強調点があるように思われる。池田氏はその部分をわざと「自分のコメントを否定するサイト」の方に引き寄せてapjさんにメールを書いている。このように力点をわざとずらした背景、あるいは意図はわからないが、現状に対するapjさんの認識をゆがめる効果がある。

結論

池田メールは、当事者間で合意のとれていないことを、あたかも合意が取れたかのように書いており、事実とは異なる記載をもってapjさんに記事の削除を求める悪質なものであると、言及された当事者であるあらきけいすけは考えている。

追記2008.1.31 読者のみなさまへの特段のご配慮、ご協力のお願い

今回のapjさんへの削除要求の件について池田信夫blog(【魚拓】天羽優子氏の記事についての公開質問状 - 池田信夫 blog)の方にもエントリが上がっており、みなさんご存知のようにapjさんへの侮辱、罵詈が池田信夫氏本人によってなされております。「名誉毀損で訴える」という趣旨のエントリで、侮辱罪に問われるのではないかと思われる書き込みの掲載が継続しております。(これは私に対する「間抜け」の比ではない。)
これに対しapjさんのブログのエントリ池田信夫氏からのメールに次の追記が出ました

名誉毀損の成立についてもメールの公開についても、個別の状況を考えて論点を整理する必要があると思います。議論に対する論評であればいくら厳しいことを書いてもかまいませんが、本エントリーに対するコメントを書く時には、池田氏に対する人格・人身攻撃に至らないように、特段の注意をお願いいたします。今のところはさほど問題のあるコメントはついていないようで、皆様のご配慮にお礼申し上げます。(強調はあらき)
みなさまご存知のようにapjさんは判例をもってウェブサイト運営のルールを確立された方であり、「提訴、告訴するぞ!」と言われたらきちんと臨戦態勢(交戦状態ではない)に入る方でもあります。apjさんの不利にならないよう、ささやかながら拙ブログからも、ご協力をみなさまにお願い申し上げます。

*1:当該エントリ改変の虞れがあるので魚拓の方にリンクを張った。