こどもの実態
「ノンタンぶらんこのせて」はノンタンシリーズの始まりでもある傑作です。
ママりんによると、昭和51年出版当時、物議をかもした問題作だったそうで。
というのも、それまで「おりこうさん」が当たり前であるべきだった絵本の主人公ノンタンが、前代未聞の問題児だったからです。
お話は、白猫ノンタンがぶらんこに乗って遊んでいるところから始まります。
ともだちが、「ノンタンぶらんこのせて」とやって来ると、
「やーだーよ、まだちょっぴりしか乗ってないんだもん!」と拒絶するノンタン。(←息子がマネする一番お気に入りのせりふ)
その後、ひっきりなしに現れ順番待ちするともだちを尻目に、屁理屈をこねたまま、ひとりブランコを独占し続けます。
ジコチューなノンタンについにみんながキレて(まさにブチ切れで暴れる動物たちの姿は見ものです)帰ろうとしたそのとき、
ようやく「じゃあ、10まで数えたら変わるよ」(←今すぐじゃないんかい!)
その後もさらに波乱は続き、ノンタンはかなりずるっこな立ち回りで完となります。
でも、それが子どもの真実の姿だと知っている母親たちと、行儀のよい絵本に辟易していた子どもらから絶大な支持を受け
ノンタンはあっという間にメジャーになったわけなのです。(以上ママりん受け売り)
ただ、だんだん「しつけ」系のシリーズが出たりと、方向転換?があったようで、一緒に借りた後期の作品「はみがきは〜み〜」などは、ノンタン一行が素直に歯磨きをするという何のひねりもないストーリー。ママりんは「当局の指導が入ったに違いないわ」と残念がっていました。
作者のキヨノ女史は昨年脳腫瘍で逝去されたそうです。ご冥福をお祈りします。
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