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町田の復帰で押し込むも何とかPKで勝利

 4月14日に甚大な被害が出た、熊本地震から1年が経ちました。
 今でも巻は小学校で交流会を開くなど、復興に向けた活動を精力的に行っています。
 14日も日刊報知が、巻の活動に関する記事がアップされています。


 サッカー選手がイベントや企画などに関わることは少なくないと思うのですが、本当の意味での地域密着を目指すのであれば、地域や社会に貢献する活動というのが大事ではないかと思います。
 サッカー選手やサッカークラブだからこそできる活動というのが重要だと思いますし、巻の活動はまさにそういったものではないでしょうか。
 サッカーを通じて子供と触れ合ったり教えたりすることで、今でも厳しい状況が続く中、多くの人に笑顔や勇気を与えている。


 今回は震災復興という深刻な状況と立ち向かっているわけですが、こういった姿勢は熊本以外の選手やクラブにとっても見習うべきところがあるのではないかと思います。
 震災以降の成績は振るわなかった熊本と巻ですが、多くの人に貢献したという点において考えれば、この1年はMVP級の活躍だったと言っていいのかもしれません。
 まだまだ大変な時期は続くと思いますが、復興に向けて少しずつでも頑張ってほしいですね。



 さて、試合とは関係ない話から始めてしまいましたが、ジェフは久々の勝利をあげました。
 町田のスタメン復帰もあって、思ったよりも相手を押し込む時間が長くなったように思います。
 しかし、攻めあぐねる時間帯も長く何とかPKで勝ち切ったといった展開で、不完全燃焼な印象も残った試合だったかなと思います。
■町田のプレスから山口を押し込む
 ジェフは町田、船山、若狭がスタメン復帰し、山本真、ラリベイ、多々良がベンチに。
 菅嶋がベンチに入って、勇人がメンバー外に。
 アランダはこの試合でもメンバー外になっています。


 山口は前節と同じスタメン。
 徳島戦に続いて、1トップにスピードのある米澤を配置してきました。
 前節に続いて、ゲームキャプテンは元ジェフの福元。



 先に決定機を作ったのは山口。
 7分に高橋がボールを奪われたところから、右サイドの小野瀬に展開され、小塚とワンツーで抜け出してセンタリング。
 米澤が頭から飛び込みますが、GK優也が触ってバー直撃となりゴールを免れます。


 その直後には、ジェフのチャンス。
 サリーナスからのスルーパスを受けた高橋が、左サイドを駆け上がります。
 そのままカットインしてシュートまで持ち込みますが、相手DFに当たってゴールならず。



 12分にもジェフの攻撃。
 サリーナス、船山とうまく繋いで高橋が受け、町田がゴール前中央でワンタッチパス。
 これを北爪が受けてシュートを放ちますが、サイドネットの外。


 15分には山口の攻撃。
 サリーナスをパスミスを受けた前が、ジェフDFライン裏へのロングパス。
 和田が飛び出しますが、何とかオフサイド



 山口は積極的に、ジェフのDFライン裏を狙ってきました。
 守備時も前からプレスをかけてきますが、追い切れないところがあり、ジェフはそこから攻めていく形。
 予想通り、攻め合いの展開となっていきました。


 ジェフはやはり町田の存在が大きく、町田を中心としてプレスを仕掛けていきます。
 26分には右サイドで町田が二人を追い、そのままボールを奪って攻撃を作っていきました。
 これによって、徐々にジェフが押し込む時間が長くなっていきます。



 30分頃からジェフはシステムを変更。
 前節後半と同様に、サリーナスが右ウイングに回り、キムが左SBに。
 4-3-3になりました。


 押し込む時間が多かったものの、シュートまで行けなかったジェフ。
 しかし、35分にはこぼれ球を拾ったところから、熊谷のパスを受けた高橋がミドルシュート
 その直後にも高い位置で奪って右サイドのサリーナスが攻め込み、こぼれ球を町田が拾ってシュートを放ちますが、どちらもゴールならず。



 38分には、ジェフの決定機。
 キムからのセンタリングを清武が中央で落とし、船山が倒れ込みながらシュート。
 しかし、バー直撃でゴールならず。


 35分頃からは、完全にジェフのペース。
 山口は足が止まってプレスにも行けず、中盤の拾い合いで全く勝てない展開が続きます。
 やはり押し込まれた時の守備に甘さがあり、ジェフが攻め続ける展開となっていきました。


 それでもチャンスを決めきれずにいると、40分あたりからは試合が落ち着いてしまいました。
 前半は何とか山口が、無失点でしのいだといった展開でした。
■守りを固めた山口に苦戦するも試合終盤にPKを得る
 後半も流れは変わらず、ジェフが押し込む展開が続きます。
 町田がプレスだけでなく、攻撃でも活躍。
 ボールをうまく受け、引き出し、リズムを作っていきます。


 しかし、なかなか決定機が作れない展開に。
 52分、山口は小野瀬に代えて加藤を投入。
 前節は途中投入でボランチに入った加藤でしたが、1トップに入り米澤が右に移りました。


 ボールを繋ぐのはジェフですが、山口も守り慣れていった印象です。
 4-5-1のディフェンスで後方のボックスを固め、低い位置では持たれてもいいという形にシフトしていった印象です。
 59分には高柳に代えて池上を投入し、池上がボランチに入って小塚が前に出ました。



 60分にはジェフのチャンス。
 キムからの長めのクロスに対して、町田がニアから中央に飛び込んでいって足元でシュートを放ちますが、GK山田がセーブ。
 その直後にはサリーナスに代えてラリベイを投入し、右ウイングに船山が回りました。


 67分、山口は和田に代えて大石を投入。
 大石が右SHにはいりました。
 ジェフも足を釣った清武に代えて、菅嶋を投入します。



 72分にはジェフのカウンター。
 左サイドの高橋から、船山が受けてシュート。
 しかし、GK山田がセーブ。


 75分、ジェフは熊谷が足を釣り羽生を投入。
 そのままアンカーに入りました。
 ジェフはその後、若干動きが落ちて行ってしまった印象です。 



 81分には、ジェフのチャンス。
 ラリベイからのワンタッチでの展開を受けた町田が、左サイドからクロス。
 こぼれ球を再び町田が拾いシュートを放ちますが、GKの正面に終わります。


 その直後には山口の決定機。
 池上からの裏のボールを近藤がこぼし小塚が拾って、GK優也が飛び出したところを見てループシュート
 しかし、バー直撃でゴールならず。


 85分にも、山口の攻撃。
 ゴール正面からの直接FKを小塚が狙いますが、GK優也がセーブ。
 しかし、この時間は山口のリズムでした。


 流れの悪い中でしたが、89分に前が高橋を倒したということでPK。
 リプレイで見ると微妙な判定でしたが、これをラリベイが冷静に決めて先制。
 1-0で勝利します。
■復帰の町田が攻守に牽引
 思ったよりもジェフが、優勢で試合を進めることが出来たと思います。
 そのチームを牽引したのが、怪我から復帰した町田だったのではないでしょうか。


 守備では広範囲を追い回し、1人で2人分のプレスをかけているのではないかと思うのほど。
 中盤から相手DFだけでなく、GKまで追いかけていきました。
 ここ数試合はプレスをかけきれないことの多いジェフでしたから、町田のこの動きは大きかったと思います。


 加えて攻撃時もうまく引いて受けたり、斜め前に飛び出して引き出したりと、相手の守備をかき回していった。
 守備だけでなく攻撃面でも、リズムを作っていった印象です。
 前節もそうでしたが、町田が入るとボールが回るようになっていきますね。



 一方で山口は以前から前から行けているときは良いけれども、押し込まれると弱いところがある。
 それに対してこの日のジェフは前からプレスに行けていましたから、相性が良かったと言えるのではないでしょうか。
 前半の山口は追い方も中途半端だし、戻っての守備も出来ていなかったと思います。


 しかし、後半に入って山口が割り切って守ってきた。
 前から追うのを諦め、4-5-1でリトリート守備をするようになった。
 交代カードも守備的なものが多く、ともかく守備から立て直そうといった印象を受けました。



 ボールを持たされると、攻めあぐねる展開が増えるジェフ。
 前半は相手が中途半端に前に出てきたので、その裏を突くような形でチャンスを作れていた印象です。
 しかし、後半からはなかなか良い形で攻め込むことが出来なかった。


 80分あたりからはジェフの運動量も落ち、攻め込まれる時間帯もありましたし、足を釣る選手も多かった。
 厳しい展開かとも思いましたが、ラッキーな形でPKをえることができた。
 何とか勝てた試合だったように思います。



 やはり遅攻での質の問題が、もう1つな印象を受けますね。
 遅攻にも速攻時と変わらず、前へ前へというプレーが多い。
 そのため変化や落ち着きが作れず、相手を崩し切れないことが多い印象です。


 また、組織的な攻撃や連携も作れていない印象があります。
 遅攻時にどうやって、相手を崩すのかといったイメージ共有が見えてこない。
 そのため、とりあえずサイドから攻めて、クロスを上げるといった展開になりがちな印象を受けます。



 とはいえ、町田の復帰で久々にプレスが嵌まったように見えたのは、大きかったのではないでしょうか。
 町田1人でここまで変わってしまうのもどうかとは思いますが、それでも今のジェフにとっては助かるものだと思います。
 前半はプレスから高い位置でボールを奪えれば、チャンスも作れていましたしね。


 とはいえ、すっきりと勝てたとは言い難い試合。
 それでも久々の勝利によって、チームの流れを変えることが出来るか。
 ここからの試合が大事ですね。