愛媛戦でスタメン出場した町田が、前半終了間際に清武のミドルシュートを押し込む形でゴールを決めました。
町田は開幕戦以来のゴールで、今季2ゴール目。
愛媛戦では攻守に貢献し、チームの勝利に大きく貢献してくれたと思います。
今年は開幕戦からスタメンで活躍していた町田ですが、一時は負傷し戦線を離脱していました。
しかし、第8節の山口戦で復帰すると、獅子奮迅の活躍を見せます。
町田不在時はプレスも緩くボールも回せない傾向にありましたが、山口戦では町田を中心としたハイプレスで相手を押し込み1-0で勝利をあげました。
ただ、それ以降はチームも勝ったり負けたりといった状態が続き、町田自身の出来ももう1つだったように思います。
決して悪い出来だったわけではないですが、町田はすでにチームを引っ張り続けなければいけない立場にある。
そのレベルで考えると、少し物足りなさも感じたように思います。
やはり町田の攻撃時の良さは、動いてボールを受けてさばくところにあると思います。
多方面に顔を出すことで相手を揺さぶり、シンプルにさばいてまた走る。
山口戦ではスタメン復帰直後でコンディションも良く動けたのかもしれませんが、その後は若干運動量も少なくなっていたのかもしれません。
また、愛媛戦で活躍できたのは、相手がマンマーク気味だったこともあるのかもしれません。
町田が動けばついてきてくれるので、動けば動くほど守備のバランスが崩れやすい。
愛媛の守備陣もそこに粘り強く付いていき潰せれば良かったのでしょうが、すばしっこい町田の動きにかわされ苦戦していった。
これはチーム全体にも言えることで、ジェフはゾーン気味の守備には苦戦する傾向にあり、マンマーク気味の相手の方が比較的戦いやすいのかも知れません。
基本的にインサイドが中から外に出ていく動きが肝となっているだけに、その動きを無視してエリアを守られると苦戦するところがあるように思います。
ジェフからすればバランスよく守られると自らスペースを作りきれない問題があると言え、このあたりが相手によって当たり外れの大きいチームとなってしまっている原因の1つなのかもしれません。
乾の同点ゴールも、町田が右サイド前方の高い位置でボールを奪ったところから。
そして、町田と真希が右サイド大外でパスを繋いだところから展開していくわけですが、愛媛はここに対面したのが左WB白井と左CB浦田でした。
浦田は大外に釣り出されてしまった格好となるわけで、その分中央とのスペースが空いた上、中央にいるべきCBの1枚が外にいて高さの面でも問題が出てしまった。
図にすると、こんな感じだったと思います。
愛媛は浦田が外に釣り出されたことによって、外の選手と中央の選手の間がぽっかりと空いてしまった。
そこに勇人が飛び出して行って、町田がスルーパス。
勇人が折り返してニアの清武が受けますが、この時に清武に2人の選手が付いていこうとします。
これによって中央が薄くなってしまいました。
さらに中央の選手のもう一枚は、中盤のマークを気にして前に出てきてしまった。
そのため、ゴール前には人数がいたにもかかわらず、指宿と乾は1対1に。
ゴール前だけを見ると、2対2の状況となっていました。
その上、清武の裏を町田が走ったことによって、清武についていたマークのうち1人が外れてしまいます。
しかも、もう1人も清武へのマークが甘くなり、清武が余裕を持って反転してラストパスを出せた。
町田や勇人のフリーランニングも良かったですが、愛媛の中途半端な守備が目立った場面でもあったと思います。
ジェフの攻撃に話を戻すと、特にサイドを中心に人数をかける攻撃をしていますが、なかなか連携で崩すことは出来ていない。
ただ、人数をかけているのは事実なだけに、マンマークでそこについてきてくれれば、その分中央は空く可能性がある。
あとは個々の動きで相手をかわすことが出来れば、チャンスが生まれるかもしれないということが言えるのかもしれません。
ただ、当然そのあたりも研究して戦ってくるでしょうから、無理に人に付いいかない。
あるいは、ついてきてきたとしても、しっかりと中央をカバーする準備を整えてくるチームには苦戦しているとも言えるのではないでしょうか。
そう考えると、やはり相手が固めてきた守備も崩せるようになること…具体的には中央でも形を作れるようになることが、最終的には求められてくるのではないかと思います。
町田に関しては今後もチームを引っ張る存在として、頑張ってほしいところだと思います。
ハイプレスがチームの基盤となる以上は、町田は不可欠な存在となっていくのでしょう。
プレスに加えて愛媛戦のように動き回って攻撃でも存在感を見せ続けることが、町田の活躍において重要な部分なのかもしれません。
