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DF西野がG大阪に復帰、福岡MF為田をレンタルで獲得

西野貴治選手の移籍について
為田大貴選手加入のお知らせ


 夏のウインドーオープンに向けて、各チームに動きが出てきましたが、ジェフも動いてきました。
 西野はレンタル解除、為田はレンタル補強ですから、コストもそう変わっていないということかもしれません。
 西野は選手枠も考えての契約解除なのかもしれませんね。



 まず西野に関して。
 今季G大阪から移籍して開幕スタメンを獲得し、第3節名古屋戦ではセットプレーからヘディングでゴールを決めるなど、空中戦での強さを見せていました。
 開幕当初のエスナイデル監督はイを起用するなど、CBに高さの面を重視していた印象もあります。


 また、左足でのキックにも可能性を見せており、特にロングボールを積極的に蹴っていた印象です。
 ただ、細かい繋ぎに関しては、そこまで得意ではなかったのかなとも。
 加えてスピード面で、裏を突かれる場面も幾度かありました。



 しかし、一番の転機となったのはキムの加入でしょう。
 5節まで西野が左CBのレギュラーとしてプレーしていましたが、6節からはそれに代わる形で途中加入のキムがレギュラーに。
 そして、西野はベンチにも入れない状況になっていきました。


 開幕前から左CBには阿部や乾をテストしていましたし、エスナイデル監督は左CBにボールを蹴ることができる選手を置きたかったのではないでしょうか。
 しかし、阿部や乾では守備に問題があり西野はそこまでビルドアップに貢献できないということで、本来はサイドアタッカーのキムがCBになっていったのではないかと思います。
 キムは守備には問題がありますが、自分でボールを持ち上がることができ、個人能力で攻撃を作れるといったところを評価されたのではないでしょうか。



 キムはCBとしての動きには課題があるように思いますし、西野は結果的にサイドアタッカーにポジションを奪われる形となりました。
 それだけに5試合に出場できたとはいえ、何とも消化不良感が否めないところもあったように思います。
 CBのポジションだったのに、求められたタスクは違うものだった…とも言えるでしょう。


 もちろん西野も裏への対応など、細かな動きに関しては課題もあったと思います。
 ただ、若い選手ですし、完全移籍となれば将来性は期待できるのかなとも思いっていました。
 しかし、兵役前のキムを補強したことなども考えると、そこまで将来性重視の補強をしているわけではないということなのでしょうか。


 G大阪は西野と同年代の三浦がポジションを奪い、押し出された形の丹羽が広島への移籍を決めたばかり。
 CBのポジションは層の薄い状況となっていますので、西野としてはG大阪に復帰した方が良かったのかもしれませんね。
 G大阪でも頑張ってほしいと思います。



 続いて、ジェフが福岡からレンタルでMF為田を獲得しました。
 為田といえば大分時代に鋭い仕掛けで、攻撃面を牽引していたイメージが強いですね。
 これでジェフは船山、清武、熊谷などに続いて、J2で活躍した元ライバル選手を補強したことになります。


 大分U-18時代から2種登録でトップの試合に出場していた為田は、12年に昇格すると1年目から31試合に出場し2ゴールの活躍を見せます。
 12年の大分といえば、プレーオフでジェフを破ってJ1昇格を遂げた年ということになります。
 その後も主力選手として活躍し、14年、15年も主にSHとしてプレーし、2年連続で30試合に出場しています。



 大分がJ3に降格したこともあり、16年にJ1福岡に移籍。
 昨年は21試合に出場していましたが、今年はここまで出番が少ない状況だったので、ジェフに出場機会を求めて移籍をしたということでしょうか。
 ただ、そこまで得点に絡んできたわけではなく、大きな怪我が多い印象もあります。


 個人的にはボールを持ち込めるアタッカーというイメージで、特に左サイドの位置からカットインして仕掛けるプレーがインパクトに残っています。
 キレがあってテクニックもありクロスなども期待できる。
 ただ、大分が降格した15年などは本人のプレーもあまり良くなかった印象がありますし、いろいろなことがやれるからこそ、タスクを限定してあげないと混乱するタイプなのかなとも思います。
 


 まだ若く将来有望ですしセンスのあるプレーヤーだとは思うのですが、正直ジェフの補強ポジションはここなのか?という疑問があります。
 どういった分類分けをするのかといった問題もありますが、アタッカーという意味では清武、船山、菅嶋、サリーナスといった選手がいる。
 町田や高橋も前への動きが特徴的ですし、指宿も自分で打開できる選手で、ラリベイなども当然パスを受ける側の選手となります。


 ポジションで見てもウイングだと、清武、船山、乾、菅嶋、サリーナスなどライバルが多数。
 左WBも出来なくはないかもしれませんが、ここだと乾、キム、比嘉などがいることになります。
 右WBをやっていたこともあったはずですが、ジェフのWBは最終ラインまで下がって守ることになりますし、本来はより高い位置で活きるタイプではないでしょうか。



 ただ、ポジションで考えていくと非常に悩ましいのが、エスナイデル監督の起用法がいまいちはっきりしないところだと思います。
 毎試合のようにスタメンが入れ替わっていて、厳しく言えば一貫性に欠くところがある印象です。
 また、アランダやキム、熊谷の使い方を見てもピンとこないところがあり、選手の良さを引き出せているようにも思いづらいところがある。


 かといって各ポジションのタスクを明確にして、そこに選手を当てはめていって理想のチームを作るタイプでもない。
 だから、試合ごとに状況が変わる、行き当たりばったりのチームになってしまっている印象があります。
 それだけに新たに選手を補強したとしても、駒は増えても確実なプラスになるという期待がしづらい状況ではないかと思います。



 それでも補強するのなら、パサータイプか、アンカーか、右サイドかCBかなと思っていました。
 ジェフは昨年からアタッカーがやたらと多いですが、そこにパスを出せる選手が少ない。
 だから、ここまで熊谷が重宝されているのだろうと思いますし、真希も動きながらパスを散らす選手といった印象で、純粋なパサーというには少し違うように思います。


 アンカーに関してはパスが出せて守備も出来る選手がいれば…とは思うのですが、アランダも外されている状況を考えると、そのレベルの選手を補強するのは難しいようにも思います。
 右サイドに関しては溝渕や多々良などもいるはずですが、現状では北爪と真希しか起用されていないわけで、単純に層が薄い印象を受けます。
 CBはキムや岡野が苦戦していることを考えると人数はいるけれども軸が足りない状況で、今季結果を求めるのなら補強が必要かなと思っていました。



 為田の補強が成功する例を考えると、単純にウイングでポジション争いを制して、清武や船山などを大きく上回る活躍を見せられるか。
 大きく上回れなければ、時期的にも予算的にも貴重な夏の補強の意味合いが薄れてしまいます。
 あるいは、インサイドで起用して高橋の代わりに、仕掛けの面で貢献するか…でしょうか。


 ただ、インサイドはサリーナスも全くハマらなかったように、プレスや繋ぎなど中盤的な仕事も出来る必要があると思います。
 やはり為田の本来の良さを活かすのであれば、ウイングで起用して仕掛けに専念させた方が良いのかなとも。
 しかし、そうなると4バックメインで戦う必要性が出てくると思うのですが、果たしてシステムや選手の起用法は固定化されていくのか。
 結局、クリティカルな補強をするためにも監督の理想とするチームはなんなのか、そこに近づくための術はあるのかといった部分に行き付くのではないかと思います。