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プレスの外に展開されて1-3の完敗

 主軸の3人を欠いた試合とは言え、それにしてもジェフの出来が悪く、いいところがない試合でしたね。
 3失点を浴びて負けた試合となりますが、もう何点か取られてもおかしくないような展開だったと思います。


 やはり今のジェフは、コンディション次第のチームになっているように思います。
 プレスをかけてそこで奪えればリズムを作れますが、コンディションが悪いと奪い切れずそこから展開されてしまう。
 一ヶ所集中に選手が集中するプレスなので、展開されると一気に脆さが出てしまう。


 湘南戦ではコンディションが良かったので相手を押し込み続けることが出来ましたが、岐阜戦は気温も高かったためかコンディションが悪かったのでプレスがはまらず良い展開が作れなかった。
 コンディションが良くない状況やプレスで奪い切れない状況でもしっかりと戦えるようにならない限り、安定して勝ち点を稼げるチームになるのは難しいのではないでしょうか。
■2点先に奪われるも1点返す
 ラリベイ、清武、町田が出場停止のジェフは、指宿、為田、アランダがスタメン出場。
 乾が出場停止から復帰して比嘉がベンチに回り、新加入のオヘーダもスタメンに選ばれて優也が控えに。
 ベンチには真希、サリーナス、古川が入りました。


 4戦勝ち星のない岐阜は、永島がベンチに回って小野がスタメンに。
 また、難波がベンチスタートとなり、田中が右サイドでスタメンし、1トップに風間。
 岐阜は長身FWのクリスチャンが離脱中で、横浜FMから7月にレンタル加入した中島賢星も不在となっています。



 キックオフの流れから近藤が裏へボールを蹴り、船山が何とか触って中央へ。
 指宿が競ろうとしてこぼれたところを、矢田が拾ってミドルシュート
 しかし、GKビクトルが正面でキャッチ。


 その直後、岐阜がいきなりの先制点。
 岐阜が中盤で右サイドから左サイドに繋いで、福村からのパスを受けた古橋がセンタリング。
 これを中央でフリーになった風間が、頭で合わせてゴール。


 ジェフは、1分に早くも失点してしまいます。
 まず溝渕の古橋への寄せが甘く、簡単にあげられてしまった印象です。
 ゴール前でもキムが風間に付けずフリーでやられてしまい、どちらもプレーが軽い印象を受けました。



 その後も岐阜ペースだったと思います。
 岐阜は積極的に前へプレスをかけてきて、ジェフは攻撃もうまくいかず押し込まれる展開に。
 逆に岐阜のパスワークをプレスで止められず、岐阜がテンポ良く繋いでいく場面が目立ちます。


 そして、19分に岐阜が追加点。
 左サイドで福村、シシーニョと繋いで逆サイドへ大きく展開。
 田中がスルーパスを出し大本が右サイドを完全に抜け出すと、風間が完全にフリーで受けて0-2に。



 30分頃からは岐阜の動きも若干落ちて、裏へ飛び出す動きが少なくなっていった印象です。
 しかし、ジェフはそれでも攻撃の流れが悪く、リズムを掴みきれない状況に。
 逆に岐阜の方が、良い形で攻め込んでいきました。


 それでも、43分にはジェフが1点を返します。
 キムからの裏へのボールに指宿がうまく反応して飛び出し、為田へ繋ぎます。
 為田が中央のアランダへ折り返すと、左足で決めて1-2に。



 しかし、その直後には岐阜のチャンス。
 中盤の高い位置でシシーニョがタメて、左サイドの古橋へ。
 古橋が鋭いアーリークロスをあげ、風間が飛び込みますが合わせきれず。


 その直後にも、岐阜のビックチャンス。
 左サイドで得たFKを風間が蹴ると、古橋が競って阿部が頭で合わせます。
 これがゴールネットを揺らしますが、オフサイド判定。


 古橋が競ったところはオフサイドではなかったと思うのですが、その後阿部へ繋いだところでオフサイドという判定だったでしょうか。
 しかし、いずれにせよラインで守ろうとしたところ、裏を取られかけた危ない場面でした。
 また、オヘーダの飛び出しも中途半端な印象で、コンディションなのか試合勘なのか、いまいちピリッとしない印象でした。
■後半も状況は変わらず1-3で完敗
 ジェフは後半開始と同時に、得点をあげたアランダを変えて勇人を起用。
 後半序盤は両チーム、動きの少ない展開でした。


 55分には、ジェフのチャンス。
 勇人からの裏へのボールを受けた船山が、グラウンダーでセンタリング。
 指宿がニアで合わせますが、ゴールの右を逸れます。


 しかし、その直後、岐阜が追加点。
 岐阜が後方を経由して左から右に繋ぐと、大本が完全にフリーになって裏で受けます。
 中央の風間に繋がれ足元で決められ、風間にハットトリックを許します。



 59分、ジェフは溝渕に代えて真希を投入。
 63分、岐阜は田中に代えて山田を、風間に代えて難波を投入。
 66分には小野に代えて永島が投入されます。
 

 69分、ジェフがFKから攻撃。
 矢田が蹴ったボールをキムが繋いで、指宿が押し込みますが、DFがクリア。
 キムは手を使って繋いだように見えましたが、審判が見逃してしまいます。



 70分頃から岐阜も運動量が落ち、中盤が空きがちになっていた印象です。
 それによって指宿が触る機会が増えていきますが、ジェフはそこからチャンスが作れず。
 逆に岐阜がカウンターで、良い形を作る機会も目立っていました。


 72分、ジェフは為田に代えて古川を投入しますが、その直後には岐阜のチャンス。
 勇人から近藤へのパスを繋いだところ、シシーニョに奪われて古橋、難波と素早くつないで再びシシーニョへ。
 シュートも狙える位置でしたが、シシーニョは中央へ繋いでしまい、古橋が合わせきれず。



 85分にも岐阜が左サイドでボールを奪い、シシーニョから難波へ繋いでクロスを上げますがオヘーダがキャッチ。
 その直後にも乾が山田にボールを奪われて、山田が右サイドを独走。
 フリーで中央に繋ぎますが、このパスが合わず、ジェフは失点を免れます。
 

 ジェフは選手を変えても、勢いを上げられず。
 逆に集中力を欠いているようにも感じました。
 後半アディショナルタイムにも岐阜に攻め込まれ、3-1で敗戦となりました。
■根本的な課題を解決できず
 前節の試合後にも話しましたが、結局湘南戦ではプレスで相手を押し込んだことで自分たちのリズムになりましたが、プレスをかわされた時にどう対処するのかといった問題は変わっていないということだと思います。
 だから、コンディション次第のサッカーになってしまっている印象です。


 プレスを外された時のリスク管理が出来ておらず、プレッシングエリアを外されると脆い。
 山形や水戸のように、パスコースを消しながら追い込んでいく守備ではなく、ジェフはともかくボールサイドに人数をかけて奪いに行く。
 それだけにそこでボールを奪えれば攻撃に移っても数的優位が作れますが、そこを外されると一気に穴が生まれてしまうということだと思います。



 この日の3失点はすべて相手にプレスを回避されたところから、逆サイドに展開されてやられています。
 中盤でボールを奪い切れず逆サイドに持ち込まれ数的不利を作られたり、スペースを突かれてやられたり。
 それだけに、サイドの選手の対人守備の問題だけとは言えないでしょう。


 より構造的な問題ということになってくるわけで、これをどう解決していくつもりなのか。
 基本的にジェフは常時プレスに行くことが前提となっているチームなので、「プレスに行かずにバランスよく守る」という術を持ってないと言えると思います。
 リードした状況で前に行かなくなることはあるにしても、それはあくまでもオプションであり逃げ切り策でしかないはずです。



 また、ジェフは岐阜のプレスにも苦しんだ印象で、前節に続いて2バックが後方に引いてビルドアップする時間帯が長かったですが、2バックが両ウイングに追い回されることによって、ビルドアップの形が作れずにいました。
 西部謙司氏が話していたように、2バックが低い位置でプレスを掻い潜ることが出来れば攻撃の形も作れるかもしれない。
 得点シーンのように一発で指宿が裏を抜けることが出来れば、狙い通りと言えるでしょう。


 しかし、実際にはむしろ2バックが低い位置でパスを繋いでいる時間帯は、相手のプレスに苦戦することのほうが多い印象です。
 2バックへのフォローの動きも少ないし、前に供給しても全体が間延びしているので、前線へのサポートが足りない場面が多い。
 2バックがプレスに追われて、パスミスをする場面も目立っていると思います。


 さらにジェフのCBが低い位置でボールを持つ時間が長くなれば、それだけ全体も間延びして全体が前に行きにくくなる。
 そうなるとプレスもかけにくくなるはずですから、悪いリズムが長くなってしまうように思います。
 実際、山形戦でも押し込まれる時間が長くなってしまった印象です。



 プレスを掻い潜られた時の守備に関しても、ビルドアップに関しても開幕時からの課題でなかなか解決できていない印象です。
 押せ押せの状況なら良いサッカーが出来るものの、そうでないと一気に脆さが出るということで、長所は伸びつつあるのかもしれませんが、短所がいつまでたっても解決しない印象です。
 それもあって、安定感のないチームとなっているのではないでしょうか。


 はたして、主軸3人が復帰したとして、どこまで挽回できるんか。
 町田がいればプレスもある程度は改善するかもしれないし、清武がいればセットプレーの質も高まるかもしれない。
 また、ラリベイが納めることによって、ビルドアップの逃げ道も出来るかもしれません。


 ただ、岐阜戦は3人を欠いたにしても、酷い内容だったと思います。
 やはり勢いだけで騙し騙し戦っているだけでは、厳しいということでしょうか。
 毎年J2も終盤に入ってくると相手対策が明確になってくる印象ですから、課題をしっかりと克服できたチームが上に行けるということではないかと思います。