紅鱒ずし


所用のついでに足を延ばした“道の駅・あさぎり高原”でいいモノを見つけた。観光客でゴッタ返す店内の一角に地元料理店が提供するコーナーがあり、鮮やかな朱色が目を惹く弁当があったのだ。

富士宮のグルメと云えば今では焼そばが真っ先に挙げられるが、ジツはとうのムカシから“ニジマス”の養殖が盛んで国内屈指の出荷量を誇っているのだ。県営の養鱒場では立派な食事処も併せて営業しており、遠方から訪れる観光客の舌を満足させている。
市内の料理店などでもその虹鱒を使った一品が振舞われていたものの知名度からいくと今一歩といったトコロだったが、焼そばによる町興しに成功してからは加工などにもひと工夫した製品が次々と現れ始めている。
とはいえ高品質で食味もよいニジマスは生で食すのが一番その旨みを堪能できる方法だろう。程よい脂の乗りや香りの良さなど輸入モノにはない優位な点がいくつもあるワケで、燻製やムニエルではスポイルされてしまう部分を正確にトレースできる寿司などはその最たるものであるに違いない。
この『紅鱒ずし』は酢の利いた飯に乗せられた切り身を大いに楽しむホカに、中央に配置された巻物に驚きのエッセンスが隠されていた。
虹鱒のハラミで胡瓜の塩もみと菊花を巻き、外側を甘酢大根でロールするという凝ったアンティパスト。
清酒もよいがキリッと冷やした白ワインでも飲みたくなる素晴らしさがタダモノではないのだ。


社団法人富士宮市観光協会
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