2月いちまいの絵【純情な夕日たち】

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『純情な夕日たち』
紙に交響(多種)水彩
約300×500mm(額寸含む)個人所蔵

10代の頃住んだ高円寺。
純情商店街の中にかつてあった、ジロー(イタ飯)、不二家(ケーキ・喫茶・洋食)などで働きながら絵を描き続ける毎日だった。
比較的物価が安く、住みやすい街。
純情という名前は、ねじめ正一氏が書いた小説から来ているが、なにか納得してしまう通りなのだ。

【おじさん、今日のお勧めは?】
そんな“生きた会話”が聞こえてくる。
自転車に幼子を乗せた家族と、いきのいい掛け声の店売り子の夕日が差し込む 顔・かお・顔・・
まさに綺麗な夕日・・純情や。

ベルトコンベアーのように流されて、全部ラップで顔のない商品、味気なく買う作業ではない。
ここには無くしてしまった“生々しさ”がある。
親子が安心して買い物でき、変化に富んで面白い。

昨今は大型店舗が幅を利かせて個人商店を追い出し、どこの駅に降りても同じ顔となってしまった日本・・
機能的ではあっても、モールやビル群にかかる夕日に、純情は似合わない気がする。

そんな思いで描きあげた作品です。