Hatena::ブログ(Diary)

arupaka-_-arupakaの日記

2012-01-29

世界中企業の株主所有関係(支配関係)の解析とバックボーン抽出の論文

Backbone of complex networks of corporations: The flow of control

J.B. Glattfelder, S. Battiston

http://arxiv.org/abs/0902.0878

レフリーによめといわれた論文


概要:

基本的には,様々な国の企業の株主の所有ネットワークの違いの解析.

そこで使用されたネットワークのバックボーン(主要な部分)

をとりだす技術の提案.

彼らによると,重みつきの有向ネットワークでかつ

ノードに正値が割り当てられたネットワークに適応できる.

結果としては,バックボーン抽出→各国のバックボーンのネットワークの分類指標の提案→適応→分類の結果,アングロサクソン国は株主ネットワークの特徴が他の国と違う(それ以外にアグロサクソンが他と異なる特徴量もある).

その他のみどころ?

  • バックボーン抽出法の他,支配関係によるネットワークの分類,次数を拡張した支配の指標,間接支配も考慮した支配力指標,

一国の株価の支配率の指標,なども提案 or 紹介している.)

支配される側からみると多くの株主に分散されて支配されている(たくさんの支配者がいる.色々な人とおつきあい.),

一方,支配される側に対して,支配する側の人数じたいは少ない; つまり,少数の重要な支配者が多くを支配している.欧州は逆の傾向がある(支配される側は一定の人に集中して支配するが,支配者はたくさんいる.)日本は,支配される側は特定の人としか付きわない. かつ,支配者は少ない(すくない支配者がたくさん支配している).

わかりやすく書くと,

部下は(株,企業)をさまざまな上司から均等にに監督される.(N:N)

たくさんの上司がいる.

部下(株,企業)は特定の上司に監督される. (1:1構造)

  • 日本は,

上司の数は,少ない.

部下は,特定の上司に監督される.(系列構造,1:N)

2. データセット

orbis 2007 48カ国の株の所有情報.国別に解析する.

24877会社(株式の種類),545896(オーナー).

重みデータW[i→j] jのiの所有率. 制約Σ[i]W[i→j]=1

3. ネットワーク構造解析

A. トポロジカル解析

LSCC解析→あまりbow-tie構造の国はない.

bow-tieの例 小さいbow-tie 韓国台湾,+日本? (系列企業)

       大きいbow-tie数は少ない,アメリカオーストラリアイギリスアングロサクソン

B. 拡張した次数の解析

  • ストレングスk(拡張した次数)

k[i]=Σ[j]W[i→j]

  • 集中指数s(支配者はたくさんいるか?少ないか?)

s[j]=({Σ[i]W[i→j]}^2)/(Σ[i]W[i→j]^2)

独占のとき, s[j]=1

数が無限大で平等のとき,∞.

つまり,イメージ的には入次数的なもの(何人に支配されてるか?).

実質的に支配者が多いほど,この指数が大きくなる.

Herfindahl index の逆数(経済学の市場占有の指標0-1)

http://en.wikipedia.org/wiki/Herfindahl_index

他のイメージでは,分散の逆数(情報量).

  • 支配指数h(その企業の直接支配力はどのくらいか?)

h[i]=Σ[j]H[i→j]

ここで,Hはiがjに対してどれくらい重要かをあらわす指標

H[i→j]=W[i→j]^2/Σ[l]W[l→j]^2

である.

H[i→j]は0から1をとる.

H[i→j]=1 で完全支配.

→所有比率2を2乗している→2乗する意味が分らない.

C. k,s,hの分布

→こいつの分布を色々な国で比較.

D. ネットワーク以外の指標の導入.

  • 各株のマーケット価格v[i];
  • iが持っている株の総量

p[i]=ΣW[i→j]v[j]

  • おもみつき支配

(所有比率を2乗して,強調してる→2乗する意味が分らん.).

c[i]=ΣH[i→j]v[j]

株価が大きい企業を支配していほうが強い.

  • 遠くまで考慮した総支配率の定義

W'[i→j]=W[i→j]+Σ[n]W[i→n]W'[n→j]

で再起的に定義.

意味は,i→jの総支配力は,直接支配力W[i→j]と

iが支配している企業nの総支配力W'[n→j]の和になる.

これを解くと,

W'=((I-W)^-1)W

となる.

Hでも同様に定義できる.

H'=((I-H)^-1)H

これより,各ノード株価重みみつき総支配力(間接支配を含む支配力)は,

c'[i]=Σ[j]H'[i→j]v[j]

4. バックボーンの特定法(たぶん).

A. 累積コントール.

B. バックボーンの抽出

---------------------------------------------

(0)ローカル支配率δ; 市場支配率Θ'を決める(任意の値).

(1)すべての株式所有者についてc'[i]を計算する.

(2)すべて所有者ノードの集合をつめたものを{i}とする.

(3)被支配集合を{PF},支配集合を{s}とする.

(4)以下の繰り返す,

(a)c'[i]の一番大きいものをとりだす.そのindexをiとする.

(b){s}にiを加える.

(c){PF}に{s}に含まれてるいずれか一つの企業に支配率δ以上で支配されている企業をすべて加える.

(d){PF}に{s}に含まれてるいずれか2つ(所有率の上位2社)の企業に支配率合計δ以上で支配されている企業を加える.

(e){PF}に含まれる企業の合計の株価PFVを求める.

PFVが市場支配割合Θ'×総市場金額に到達したら繰り返しおわり.

(5){s}と{PF}の和集合がネットワークのバックボーン.

---------------------------------------------------

論文では,δ=0.5, Θ'=0.8 とした.

意味は,市場に影響力のある企業とそれに強く支配されている企業を

すこしずつ加えていき,一国の全市場価値の8割になるまでつづける.

これでネットワークの支配上で重要な企業がわかる.

  • η^も支配構造を特徴づける指標となる.

η^は,全企業のどの程度の割り台 Θ'=0.8 の国内の株価

支配できるかという指標.ηがちいさければ,国内レベルで少数支配.

ηが大きければ,多数支配.η^=8割株主数/総株主数なので,

株主数が大きければ小さくなる.

C. 一般化

手法は,以下の条件の有向のおもみつきネットワークに適応できる.

(i)各ノードに正値v[i]が割り当てられている.一番端だけは0より大きい.

(ii)W[i→j] jからiになにかが運ばれる.

ここで, v[i]がかく時間わきでる量.

φi(t+1)=Σ[j]W[i→j]v[j]+Σ[j]W[i→j]φj[t]

このφの定常状態を上記のc’におきかえ計算.

D. 分類法.

ネットワーク全体の平均の<s>とネットワーク全体の平均<h>で

ネットワークを分類する(バックボーンのみ).

たとえば,<h>が小さく<s>が小さいのは,支配と被支配が一対一の

関係にちかい. <h>がおおきく<s>が小さいのは,支配者が少なく,

被支配者が多い.つまり,ひとつの支配者が複数を支配する.

一方<s>が大きく,<h>が小さいのは,たくさんの人に支配されているが,一人一人の支配はすくない(たくさんのちいさい人が分散して支配).<s>と<h>もおおきいのは、支配被支配ともたくさんいる.

5. バックボーン解析

A. 世界中の集中支配.

上記の分類法をネットワークのバックボーンに適応する.各国ごとに

上記の指標をしらべ,2次元にプロットする.

結果は,たとえば,日本は, <s>が小さく, <h>がおおきい,これは親企業(少数支配者)が系列企業をたくさん支配しているとかんがらえる.

一方,アメリカオーストラリアイギリスは(アングロサクソン)は,<h>がおおきく,<s>もおおきい.つまり,たくさん支配する人も,たくさんの人に支配される人もいる.

B. 椅子の力

さまざまな国で共通してバックボーンにはいっている企業や個人や抽出することで,世界中の影響をしることができる.

結果は,バークレイキャピタルとかバフェットとかでてきた.

6. まとめ

まとめ.

んー,バックボーン的には,

支配力が強いの支配された弱小の企業ほど優先されて

バックボーンに入るから,

支配力が強いのを優先するバックボーン解析になる.

まぁ,完全支配の場合は,ひとつの企業と含めるからバックボーンと

いっていいんでしょう.



ただ,入次数と出次数の違いをうまーく使った分類法は面白い感じ.

例えば,話しかけ関係でいうと,

軸1(入次側の特徴): 特定の人からはなしかけられないか,たくさんの人からはなしかけるか?

軸2(出次側の特徴): 話しかける人は,一人にばかり話しかけるか,たくさんの人に

話しかけるか.(話しかける人/話かけられる人)

で分類する.


取引の例だと?

軸1 特定の企業からだと金が入ってこないか?

軸2 特定の人にだけお金を払うか?

もし,系列(ピラミッド構造のツリー)だと,

軸1は小さく,軸2は大きくなる.

もし,そのような構造がないランダムな取引だと,

軸1は中くらい,軸2 は中くらいになる.

もし,バラバラのネットワークに小さい取引構造があるとすると,

軸1も小さく,軸2も小さくなる.

2012-01-14

企業の株式所有関係の距離と空間上の距離はどのように関係があるのか?: Geography versus topology in the European Ownership Network

  • タイトル:

Geography versus topology in the European Ownership Network

  • 著者:

Stefania Vitali1,2 and Stefano Battiston1,3

  • 所属:

1 Chair of Systems Design, ETH Zurich, Kreuzplatz 5, 8032 Zurich, Switzerland

2 Department of Economics, Università Politecnica delle Marche, P.le Martelli 8, 60121 Ancona, Italy

  • 雑誌:

http://iopscience.iop.org/1367-2630/13/6/063021/fulltext/#nj383741s3



◆おおまかな感想◆

欧州の企業の距離と企業の所有関係には相関があるという内容の論文. 私的には(1)の性質が気になりました. 

  • 手法としては, 距離のランダムさを調整するような手法はみにつけてもいいかと思った(距離が近いほど状態移動に関するエネルギーが小さいイメージ, パラメータを調整することで, その状態のえらばえれる率を同じ位置→ランダムに調整できる).

◆データ◆

orbis株主持ち合いデータ. おもみつき有向ネットワーク.

ノードは企業. エッジは株式持ち合い関係(i→j:iがjを所有).重みは,持ち株比率(W(i→j). 企業jにおけるiの持ち合い率. Σ[i]W(i→j)=1).

必ずあるという意味で他のネットワークより, 1以上のリンクを

考える意味で有利

また, 距離データは緯度.

手法

次数が同じ相関のないネットワークを作る.

ネットワークのランダム化. A→B; C→D を C→B; A→Dとシャッフルする. そのときに, A→Aや同じエッジができないようにする.

(おそらく, AとCのほうを入れ替えるようにすれば, ΣW=1を維持できる.)

地理に関してもネットワークのランダム化.

P(j)=Exp(-d(i,j)/dc) でjを選ぶ.

dc→0 だと, 同じ場所の企業しか交換しない.

dc→∞だと, 場所に関してランダムに交換する.

となる. このdcを調整することで

地理に関して効果のランダム化を調整できる.

使えるかどうかは謎.

On the rich-club effect in dense and weighted networks

http://arxiv.org/abs/0807.0793

◆内容の詳細◆

(1)1リンクでつながっていく確率は距離の指数関数(これはほかのさまざまなネットワークでみられる(5章 Fig.2)).

(2) 8割は国内企業の所有関係(4章)

(3) 出次数がべき. 入次数はカットオフ(4章).

(4) 所有率としては, すごく小さい, 5割, 完全所有が多い(4章).

(5) スモールワールド性あり→大まかには地理効果は弱まる(6章).

(6) ネットアワーク距離の空間距離依存性は, ネットワーク距離がちいさいほど空間距離は小さい. 空間距離で条件づけしたネットワーク距離の分布をみる(6章 Fig.3). 実ネットワークランダムネットワークの比較では, ネットワーク距離が小さいところでは, 条件付き分布はランダムと異なるが, 大きいところではランダムと同じ感じ(6章 Fig.4)

(7) 空間距離のネットワーク距離依存性は, ネット距離の条件づけした, 空間距離は分布はあんまりかわらない感じ. ただし ,ネット距離1だけ(指数分布)、だけは2以上と異なり小さい (6章 Fig.5) 他のネットワークとの違いは条件付き分布は, 距離2以上では, ランダムにかなり近い感じ (6章 Fig. 6)

2009-08-10

べき分布の裾野(すその)の指数の推定に関する論文

実データのべき分布の指数をKS検定と最尤法を使って推定する論文

分布の途中の曲がっていても推定できる。

[Power-law Pareto; Zipdf; パレート分布、べき分布、すその、裾野、Zipfの法則、ファットテール]