灰色未成年

2012-05-31

[]“朧月夜” ヒカルが地球にいたころ…… 4

読了。

「これはこれでありなのかもしれないと最近は思いはじめてきた。なにより貴様のあとならハードルは、だだ下がりで、次こそまっとうな男と結ばれてくれるだろう」

「おいこら! ハードルだだ下がりってなんだよ!」


面白かったです。

どんどん攻略を進めていく是光の快進撃が止まらない。全方位から好かれる感じになっていて、ハーレム物の様相を呈してきましたが、そこらの主人公モテモテ物語とは一線を画す説得力。なんせ是光は二人分、ヒカルのハーレム王と是光の無自覚ストレートがしっかり合わさって、二人一組で攻略していくんだから、そりゃあ納得もしますよ。こいつぁ無理もない……。

今回は、2巻のラストで衝撃発言をしたのに3巻でスルーされた帆夏が大活躍。74頁「(もう、死にたい)」 で自爆したり、134頁「バカ、バカ……バカ」 とぽかぽか殴ってみたり。最初はななせポジションかー、でもななせそんなに好きじゃなかったしなー、みたいに思ってましたが、ここに来て帆夏にぐっと来てしまいました。特に後者のぽかぽか殴るシチュが好物すぎてもうね。たまりません。最後にしーこがフラグを立てていきましたし、これはまだまだ帆夏のターンが来るのではないでしょうか。


次回は末摘花。元を知らないので反応しようがないのですが、またロリ枠? イラストを見た限りではそうでもなさそうですが、果たして。次も期待です。

2012-05-28

[] サイハテの救世主 PAPER1:破壊者

読了。

「救急車はまだか……!」

悲痛なジャックマンの声で、周囲の人間も状況は察してしまっているようだった。

「もう、充分生きただろう」

葉が平然と放った呟きに、誰も反論しなかった。


なかなか面白かったです。

自分自身すら騙して沖縄に来た天才、あるいは天才という妄想に取り憑かれた気狂い……自分が沖縄に来た理由すら分からない、という仕掛けは良かったですね。対立軸が基本的に今の自分vs過去の自分になっていて、過去のほうが凄かったもんだから、これからも熱い展開が続くと思われます。

ただ、自分の中での天才といえばやはり森博嗣真賀田四季なので、この天才はどうなの? という気持ちもあります。323頁「異性の肉体に欲情するようなクソ凡人の真似は結構ですと、普段から申し上げておりますよね?」 あたりを読むと、昔から助手に意識が向くこともあったみたいだし、ラストでも永住しようとか何とか言ってる。その隙のある姿と、文中で冷徹に計算した姿が重ならないんですよねー。まあ、巻が進めば違和感も吸収されていくでしょう。


サブタイの意味がようやく分かって、次はPAPER2か……ってところで、次も期待です。ムシウタマダー?→7月刊行でした。

2012-05-20

[] 夢の上 サウガ城の六騎将

夢の上 - サウガ城の六騎将 (C・NOVELSファンタジア)

夢の上 - サウガ城の六騎将 (C・NOVELSファンタジア)

読了。

「お前の存在がどんなに俺を慰めてくれたか、言葉じゃ、とても言い表せない」

わかってる。

わかってるよ、じいちゃん。

「だから言えなかった。言わなければと思いながら、言い出せなかった」

じゃあ言うなよ。何も言うなよ。

そんなの、聞きたくないよ。


まあ、面白かったですよ。

ただ人名とか関係性とかすっかり飛んでしまったので、いまさらそんな6人衆の話を見せられても? みたいな。単体で見ると普通に読める話なので、まあ問題はないのですが。

一番良かったのは上記引用の「あの日溜まりの中にいる」 ですね。なんといってもにゃうぅー! あとがきでも「猫馬鹿な話が書きたい。馬鹿馬鹿しいくらい猫大好きな話が書きたい!」 とありますが、伝わって来ましたぜ……! うちの猫ももうお爺ちゃんなので、他人事じゃなくてぐっと来た。ねこねこ……もふもふ……ぬくぬく……。


このシリーズは最終巻が出るあたりに買って一気読みしたので、せっかくならこれも一気に読みたかった。次はライトに読める漢字ファンタジーらしいので、そっちも期待です。

2012-05-19

[] 六花の勇者 2

六花の勇者 2 (六花の勇者シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

六花の勇者 2 (六花の勇者シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

読了。

「これを食うにはコツがいる。まず頭の中から今まで食ったうまい物の記憶を全て追い出す」

額に指を当て、自分自身に暗示をかける。

「そして、こいつが世界で一番うまい食い物だと思い込む。いい感じに自分を騙すことに成功したら……」

目を閉じて、一気に頬張った。


まあ普通に面白いですよね。

いきなり「7人目は私だ」 とかいうキャラが出てきて、そこから過去を追うように話が進むので、1巻のように「誰が敵か、味方か……本当に頼れるのは?」 みたいな展開ではないです。ただそこはそれ、今回も騙し合い、罠の張り合いは行われているので、なかなか楽しめると思います。

ただ、言葉の聖者が作る誓約は本当に言葉通りなのは予想できるし、そこをしっかり決めないモーラはどうかと……。といっても、読者は「本当は怖い○○の契約」 みたいな話をテレビやウェブ上で見聞きしたことがあるから分かる話で、普通に生きてれば騙されるのも仕方ないかな……。それを考えるとアドレットは本当に頭いいな。


おばちゃんおばちゃん言われてるけど、モーラの外見が若くてびっくり。四章の扉絵なんて18歳くらいに見えませんか。

2012-05-15

[] 異次元創世記 赤竜の書

異次元創世記―赤竜の書 (角川スニーカー文庫)

異次元創世記―赤竜の書 (角川スニーカー文庫)

読了。

「おれは、おれのせいで人が道を踏み誤るのを見たいとは思わん」

「……あなたのせいじゃないです。ぼくは、……ぼくは、これで村に戻れなくてもいいと思ってやってるんです」

「それが、おれのせいだと言っておるのだ」


真世の王の前日譚。

まー、昔の素っ気ないジュブナイルファンタジーですな。イーファル、ジェン、フィアラスが出会って村を出奔するまでの話で、単体だけ見たらどんな出来なのか、当時読んでいた人はどう思っていたのか、さっぱり想像できません。どうだったんでしょうね。言葉の力うんぬんの設定が面白いと感じたかも?


わりと不思議だったジェンやフィアラスのキャラクタが見えてきて、やっぱり先に読んでおきたかったかなあ……と。

2012-05-13

[] おおコウスケよ、えらべないとはなさけない! 2

読了。

『昂介を賭けて』 と彗に宣戦布告してしまうぐらいなのだから、これはもう、ストレートに恋愛感情なのではないか? 昂介のことが好きなのではないか? だって津賀君が好きなんだもんなのでは?


うおーう。

2巻で完結か……。もっと膨らませてくれても良かったのに。というか膨らむと思ってたのに。さくっと終わっちゃったなー。ってか、百億の魔女語りもさくっと終わっちゃったのに、次シリーズもこんなんでいいのか。いや、まあ面白かったけどさ。でももうちょっと引っ張っても面白くできたと思ったんだ……。

以下コメント。228頁「気づいてないとでも思ってたんですか?」 あー、そうか。そりゃそうだよなあ……。267頁「ごめんもありがとうも、いつもうまく言えなかった。一番臆病な卑怯者は――自分だ」 こんな風に自覚できるのはいいですね。自分にも経験あr (ry 


うーん、でもこっから続きも見たいなあ。前シリーズは急に全部畳んだって感じだけど、こっちはまだ続けられそうだし。まあ、作者買いしてる人なので次シリーズも楽しみにしてますよ!

2012-05-12

[] のうりん 3

のうりん 3 (GA文庫)

のうりん 3 (GA文庫)

読了。

「ほらみんな、想像してみて? 職場とアパートを往復するだけの代わり映えしない日常を。しかも職場では腫れ物に触れるような扱いをされ……同僚の主催するコンパに自分だけ呼ばれず……家に帰ったあとは疲れ果ててシャワーも浴びずにカビ臭い布団に倒れ込み……せっかくの休日も起きたら夕方で……残った時間も有意義な使い方なんて絶対せずにだらだらネットとかして潰れてまともな料理なんて作る気すら起きない…………そんな日々を…………」


うん、今回も面白かったです。

もはや鉄板ですらあるパロディとギャグのオンパレードに、真面目な農業の話題をぶっこんでくるというシリーズ第三弾。こういうのって最初はテンションがついていけなくて、いわゆる”つかみ” で笑わせないとせっかくのギャグも持ち腐れになるわけですが……私は開始数ページであったブリーチネタで吹いてしまったので、そこからはもう負けっぱなしでした。


基本的に短編集(+前巻の次回予告からのメインストーリー)なので、まあ気楽に読めますね。

2012-05-11

[] 捨て猫という名前の猫

捨て猫という名前の猫 (創元推理文庫)

捨て猫という名前の猫 (創元推理文庫)

読了。

「好きなカレシができたとかなんとか、そんな感じ。小さい紙で指輪なんかつくってね。あたしがそれなにって聞いたら、お守りだって。大事なことを紙に書いて指輪にしておくと、いいことがあるんだって」


くぅーっ。面白いなあ!

帯の「少女たちの強い絆が 柚木に深い悲しみを背負わせる」 がまさにピッタリの文言で、捜査が進むにつれて度々その悲しみが襲ってきます。特に上記の引用あたりや、麦の幻覚が無言でこちらをにらんでくるあたりが良いですねえ。既刊シリーズで一番切ない話だったんではないでしょうか。

以下コメント。18頁「ママにはそう伝えておくよ」 といっても、娘の加奈子や、27頁「わたしを、本気で、怒らせる気ですか」 直海とのコメディみたいなやり取りも十分にあって楽しいです。169頁「俺の人生が赤面する」 この表現がなんとなくツボ。単純な「情けない」 でなくて、それに加えて情けなさを距離を取って客観的に見つめてるみたいな。


永遠の38歳なんてシリーズだったんですね。終わりがなさそうでちょっと不安かも。完結ですって言われるのもアレなんですけど、いつの間にか新作が出なくなってフェードアウトよりはマシかなあ……。

2012-05-06

[][] フルメタル・パニック! アナザー3

読了。

「……何やってんだ?」

「国のまじないだ」

「へえ、ロシア式勝利のおまじないってわけか」

気をよくした達哉を、アデリーナはややきつめの目でにらんだ。

「君が負けるように呪いをかけておいた」

「何でだよ!?」


面白かったです。

前回で毎度毎度テロリストに襲われるのかって感想に書きましたが、今度はきっちり変えてきてくれました。いいですね。しかも2巻ラストのリーナの葛藤を早々に消化してくれたので、伏線が長引かなくて気楽に読めていいですね。1巻からずっとフラグ立てっぱなしの幼馴染&親友くらいなら出番が少なくて我慢できますが、リーナとの関係が陰々鬱々としてるとさすがにねぇ。


3巻まで安定して面白くて、作者が違っている不安感はいつの間にか吹き飛んでいました*1。原作組のサポートも厚いので、この先の心配もないでしょう。次も期待です。




余談。

2巻連続の男表紙。GJ。まあ、関係のない女キャラを表紙にするなんて愚の骨頂ですよ。正直、女キャラ表紙にしたがる編集部の意向もわからなくはないんですが、現時点での表紙の男女率を考えると男キャラのほうが目立つ気もしますよ?

*1:正直ホセはただの影武者だと思ってましたが、ここまでやるとさすがに信じざるを得ないというか、もうどうでもよくなってきたというか。

2012-04-22

[] 真世の王 黒竜の書/白竜の書

真世の王〈上〉黒竜の書 (EXノベルズ)

真世の王〈上〉黒竜の書 (EXノベルズ)

読了。

「これで、双方痛み分けということになさればよろしいでしょう」

またしてもあっさりとソグヤムが言いはなち、一同を沈黙させた。

――クルヤーグさまは、毎晩これにつきあっておいでなんだな。

それならあの剣幕も納得できる、とはじめてウルバンは心の底から思った。

真世の王〈下〉白竜の書 (EXノベルズ)

真世の王〈下〉白竜の書 (EXノベルズ)

「滅ぼさぬ、努力」

「そうだ。あんたの好きな言葉だよ。立て、エスタシア。いずれ地の底に横たわる日が来るとしても、今は立てる。そうだろう?」

下巻を入手できたのでやっと読むことに。



面白かったです。

最初は世界観にちょっと戸惑いましたが、上巻の後半まで読んできてようやく理解が追いついてきました。視点人物が三人いるのも複雑さに拍車をかけてましたし、しかもそれぞれのパートが長いっていう……。しかし、理解が追いついた下巻からの吸引力は圧倒的。下巻では状況が一変して、希望なんてほとんど残ってないような雰囲気なのに、それでもなんとかふんばろうとするキャラクタたちにグイグイ読まされます。特に、129頁「おれが、あなたを助けたいと思っていたから」〜 132頁「私を、助けて」 わずかに間があいた。「かしこまりました」 の流れは素晴らしいですね。一人で我慢して一人で立って、誰も信じられないと思っていたのに、フッと心を預けたその瞬間の、泣けるくらいの安心感。ああ、凄かったな。


この作者はやっぱりすごいなあ。機会があったら他にも手をだそうかな……。

(Wiki検索中)

2012年で46歳ってのもすごいが、それより「異次元創世記 赤竜の書」が真世の王の前身だと……!? 読むしかないじゃないか。ジェンとイーファルがメインなんだったら、下巻のラストももっと凄かっただろうな……。れは。