鳥籠荘の今日も眠たい住人たち 5

読了。

「パパあ!」
悲鳴をあげる華乃子の目の前に着ぐるみが立った。
「ウニャー。ウニャニャニャ。ニャッニャッニャッ」 さあお嬢ちゃん、おとなしくそのトリをこっちに渡すんだな。それとも痛い目見ねぇとわからねぇのかい? そのかわいい顔に一生消えない傷がついてもいいのかい?

山田パパはエリートビジネスマン、衛藤キズナはぐるぐる眼鏡の女子高生、浅井有生は明るい性格の美大学生で、井上由起は売出し中のグラビアアイドル――ホテル・ウィリアムズチャイルドバード、通称<鳥籠荘>の住人たちは、良識ある真人間ばかり!


えっ、えっ、えっ?
カラーイラストを見たときは、山田パパの顔が! まさかいきなり最終巻? あれ? でもなんか違和感が……と、大いに焦りました。なんという罠……っ! しかし一話目は山田家、二話目は由起、三話目は有生と、どんどん物語が収束していき、まるで最終巻の様相を呈しているのは事実。住人たちがまどろみから覚める時がやってきたわけです。
117頁「由起ちゃん、ぶつかったよ」 なんかこの警官すごい。今まで目立ってなかったのに。205頁「スキニ ナッテ クレルノ?」 不覚にも吹いた。


双子のじいさんもあんな事だったし、住人の話はもう終わりのようですが、これからどう続くのか? というか語り部の蜘蛛は? 最終巻、楽しみです。