とある飛空士への恋歌 2

とある飛空士への恋歌 2 (ガガガ文庫)

とある飛空士への恋歌 2 (ガガガ文庫)

読了。

(ほかのひともいるんだよ? 甘えん坊はうちの中だけにしてよ)
アリエルは赤面しながら気恥ずかしそうに呟く。
しかしノエルとマヌエルによって六年かけて育て上げられた生粋の甘えん坊は言われたことを聞き流し、アリエルの胸にますます深く顔を埋めた。
(こ、こら……)
首を左右に振り、甘くて爽やかな義妹の匂いを肺いっぱいに吸い込む。
(や、やめ……)

青空の下、ひとりで自転車をこぎ、カドケス高等学校飛空科の入学式へ向かう。たったそれだけのことがたまらなくうれしい。そして今日は「彼」に逢える――。空の果てを目指し旅立った空飛ぶ島イスラで、カルエルたちの新生活がはじまった。


面白かったです。
キャッキャウフフな2巻ということで、ちょっと残念というか、「ああやっぱりラブコメ的になっていくのね……」 とガッカリしましたが……だがそれが良かった。新しく始まる寮生活、事あるごとに突っかかってくる義妹、湖で出会った気になるあの娘……。なんか、ひさしぶりに衒いのない王道学園ラブコメを見た気がします。
以下コメント。97頁「時空も次元も超えて任地へ赴く、哀れな一介の派遣労働者でございます……」 ちょw 何やってんすかwww どこから派遣されてんだとは思ってましたが、まさか”派遣元は作者” とかそんな感じですか? 142頁「あの……質問いいですか?」 「ほう。いい度胸だ」 「え、度胸いるんですか?」 なんか先生たちもキャラ立ってて面白いよなあ。というかこの先生が濃すぎるだけか。218頁「あ、いや、うん、ダメじゃないけど、なんかかわいかったから……」 ダメだこいつら、早く何とかしないと……。距離感が甘酸っぱすぎる。232頁「わたしを嫌いにならないで」 こんな段階から気付かせるとは、ちょっと予想外でした。真相に気付いてしまうとラストまで一直線だと思うので、まだ引っ張るかと思ってましたが……たしかに片方だけ気付かせた方がいいか。


なんというか、これで逆に”羽染静” のほうもキャラが変わってくるような気がしますが、そっちは大丈夫なんでしょうか、と危惧してみたり。とにもかくにも、次も期待です。




余談。
個人的に”世界の果ての向こうには別の大陸や国” というと英雄伝説ガガーブトリロジーを思い出します。やっぱり”元はひとつの大陸” ってオチですかな!