フィリピン覚え書き1。

あけましておめでとうございます。

29歳にして実家以外で新年を過ごすのは初めて。川崎大師で初詣。ここまで混んでいる寺社に初詣に行ったのも初めてかもしれない。なぜ新年が明けたことが「おめでたい」のかとか、なんのためにみな初詣に行くのだろうかとかそんなことを考えながら参道への道を進んでいた。お賽銭をなげた後のその瞬間に願掛けをするのが僕はどうも苦手で、すぐに具体的な願い事がでてこない。願い事というのはなんなのだろうか、目標と似たようなものなのだろうか。ようやくじんわりと心に浮かんできた気持ちを心のなかでつぶやく。

★★★

フィリピンのことを少し思い出して、何回かに分けて書く。

マニラの空港に降り立って、まずはタガイタイという高原の町に向かう。空港からパサイのバスターミナルに向かうが、バンコクよりもホーチミンよりも車の流れが悪く、どんどん時計の針が進んでいく。都心に入ってしまうとハイウェイもなく誰もがこの渋滞にはまってしまうのは、経済活動にとってすごく損失が大きいのではなかろうか。ターミナルから乗ったローカルバスも、マニラの都市圏を抜けるまでかなり時間がかかった。ようやく渋滞を抜けて、ぐんぐんバスが高度をかせいでいくに従って日が沈んでいく。成田9時半初のフライトで、朝が早かったこともあって、いつしか眠ってしまう。

周りの人に起こされて気がつくと、どうやらここがタガイタイらしい。街中に着いたような様子もないしどこがどこやらわからないのだがとりあえず降りる。既に暗いので宿を探すも、現在地がどこかもわからないので、周りの兄ちゃんにトライシクルに乗せていってもらう。トライシクルはバイクにサイドカーを付けたものだが、サイドカーはザックを抱えて2人で乗るにはかなり狭い。前にも窓がついていないので、引き続きどこを走っているのかさっぱりわからない。10分ほど走って宿とおぼしきところで下ろされたが、どうしようもなく汚い部屋。彼らに任せていてもどうしようもないので、勝手に宿を探すことにする。

大通り沿いに出て、何軒目かに納得のいく宿が見つかり、ザックを下ろす。タガイタイの夜道を少し歩いて夕食にする。フィリピンの食事も美味いが、少し野菜が少ないように感じる。野菜がよく育ちそうな気候だとは思うが、フィリピーノに野菜を食べる価値観があまりなく、その代わりにインスタントラーメンや豚肉を好んで食べる。道路の渋滞のひどさといい、食事といい、他のアジアの国とは少し違うように思う。フィリピン自体は気候も恵まれているし、東南アジアでは一番古くから海外資本が入っているはずなのだが、そこに住む人たちの思考はなかなかいい加減で、非効率なことが多い。このあたりが、フィリピンがいまいちアジアの経済成長に乗り切れない要因のように思う。