敵の敵は味方、友達の友達は友達だ

ペンギン堂の飯島です。意見は私個人のものです。

秋分 第四十八候『水 始めて 涸る』

旬のやさいは生姜だそうです。体を温めたいこれから、生姜湯などはいいですね。
今日の珈琲は「ドミニカ」です。癖のないすっきりした味の珈琲などといわれていますが、中にはブルーマウンテンに匹敵する高級品もあるのだそうです。参考までに、Amazonでチェックするとけっこうあります。
値段を含めて、私的には、総合的にはこのあたりかなと思いました。ここから入って、いろいろチェックされるといいかもしれません。

手際よく入れたほうがいい感じでした。もっとも、私は、普通のグレードのものなんですが。

 さて、最近、アンゲラ・メルケルさんの姿を、テレビで見かけなくなりました。代わりに、毎日お目にかかっているのが、小池東京都知事です。このお二人が似ているかどうか、わかりませんが、メルケルさんはロシア語が堪能、小池都知事は英語と、複数言語を自在に操ること、とても頭脳明晰で、情勢判断に優れていることなど、性格とは違う次元でしょうが、共通点もあるようです。
 少しテレビの露出度が(あくまでも私が知る範囲の、しかも日本のテレビに限ったことです。)少ないメルケルさんですが、英国EU離脱問題がにぎやかになってくる秋以降、また頻繁に登場してくると思われます。小池都知事のほうは、当分は、よくお目にかかり続けるでしょう。

 そこで、心機一転、誰にことわったわけでもないのですが、10月から新しく出発したペンギン堂の、第1回目に取り上げるのが、本書です。


世界最強の女帝 メルケルの謎 (文春新書)佐藤伸行 著)




 アンゲラ・メルケルさんについては知らないことだらけです。メルケルの名は知っていますが、それが前夫の姓だとは知りませんでしたし、あのコールに見いだされ、引き立てられ、しかし、「往々にして、恩は仇で返される」という著者のクールな言葉に語られるように、「後面、メルケルはコールに反旗を翻し、その政治生命を絶つ劇的な『父親殺し』を演じるが、若き日の屈折した、アンビヴァレントな感情が一気に噴出したとみることもできるだろう。」というあたりのことは読んでいただくとして、「メルケルは待つことのできる人」とか、いまや、グローバルな課題になりつつある「ドイツ問題」の中心者であるメルケルさんについて知ることは、翻って、安倍さんと小池さんが立役者となっている日本の政治状況を読み解く参考になるのではと思います。
 本書の「あとがきに代えて」が、「中韓の術中に嵌るなかれ」となっているのは、いかにも、示唆的です。日本人が考えているような甘い国ではないのがドイツです。日本人のドイツやドイツ人についての思いに比べれば、ドイツの対日観は、バブル期以降特に、著しく悪化したというのが著者の見解です。メディアも反日的で、東ドイツとの統合で苦しんでいたドイツ経済を日本は助けなかったと思われており、また一方で、中国という市場をめぐって、ドイツの一貫した独中関係への布石が見て取れます。本質的には、日本無視は今も続いている、と著者は語ります。中韓の狙いは、歴史認識の問題でドイツを持ち上げ、日本人、日本が、ドイツに対して疎遠な感じを持たせることにある、それが中韓の狙いであることを見抜いて、TPPなども位置付ける必要があるということでしょうか。
 いやあ、『敵の敵は味方である』という言葉を思い出します。


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