摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

月出山(809m)・・・・・全羅南道・康津郡・霊岩郡・・・2015年1月2日

韓国で好きな山を選ぶとすれば、この月出山(ウルチュルサン)が1番だ。

8年前に1度登っている。標高こそ低いが、秀麗な山容・雄大な岩峰群に

魅了された。今回、康津から光州の移動途上なので再訪することにした。

康津のバスターミナルから、6時40分発の市内バスに乗り月南に到着。

まだ明けやらぬ月南の集落から、しばらく歩けば、月出山が見えてきた。

国立公園だが、北の霊岩側に比べると、食堂が数軒ある地味な登山口。

だが早朝から登山者は多い。1月2日は平日だが勤めを休む人は多い。

昨日は片方だけのアイゼンで怖かったので、康津で1セット買い足した。

やはり、チェーンアイゼンは、すぐに雪がダンゴ状にくっついて歩き難い。

月南からの登山道は、途中で二手に別れる。山頂へは遠回りだが、

パラムジェ(風峠)を経由するコースを選んだ。登るにつれて積雪は

増えるが、国立公園だけに道は良い。淡々と樹林の道を歩いて行く。

登山口から2時間弱でパラムジェが見えてきた。風は弱く空は青い。

周囲の木々が低くなり、一気に展望が広がってきた。こういう所では、

ハムは景色を味わいながら登りたいが、家族はドンドンと先に進む。

パラムジェには9時半到着。峠から山頂へは北東へ1kmほどだ。

まだ時間の余裕があるので、山頂へは向わず西へ登ってみよう。

前の記憶が確かなら、少し登れば山頂方向の展望が良いはずだ。

峠から九井峰に向かって進と、すぐに急な階段があり高度を稼ぐ。

数人の方が下ってくるが、大きなカメラを持っておられる。やはり

同じように、展望を得るために、パラムジェから往復されたようだ。

九井峰の将軍岩。 前回は渡甲寺(トカプサ)コースを歩いてきて、

この岩の上で、記念写真を撮って貰ったのを思いだす。知らずに

後さじりしたら危ないと言われた。下から見れば断崖絶壁だった。

5分も登れば頂上方向の絶景が広がる。この風景が見たかった。

昨日・一昨日と思わしくない天候だったが、そのおかげの雪景色。

青い空を背景に見ることが出来るのは、なんという幸運だろうか。

もう少し登ってみよう。九井峰側にさらに10分ほど歩いてみる。

峠から往復した方は、皆さん此の辺で引き返しておられるよう。

写真をたくさん撮っていたら、段々寒くなって来た。峠に戻ろう。

下りは頂上を正面に見て歩くので、何度も立ち止まって写真を撮る。

峠から頂上方向に進むと岩場が多くなが、やはり木製階段がある。

ここ数日歩いている山に比べ、格段に道は良く気楽に歩いている。

頂上方向に少し登った所で、九井峰を振り返る。風が吹いてきた。

風裏になる場所で座り込む。康津のスーパーで買った菓子パンと

テルモスのコーヒー。風さえ避ければ、日差しが暖かく感じられる。

道は岩場を縫う様に付いている。山頂から下ってくる人もチラホラ。

頂上まで300mの標識があったが、見上げるとまだまだ遠いよう。

しばらく歩いても、巨大な山頂岩壁が立ちはだかる。もう一登りだ。

急な登りの先は斜度が落ち、空が見える。これが最後の階段だろう。

階段を登りきった所で振り返ると、九井峰が随分低くなっていた。

月出山・天皇峰頂上に到着した。立派な山名碑が迎えてくれる。

山頂には、霊岩(ヨンアム)側から登って来た登山者が10名程

いて賑っていた。我々も座り込んで、パンやビスケットを食べる。

霊岩への下り口はスラブになっている。残雪が凍って怖そうだが、

すぐ木製階段があるので大丈夫。左に見えるのが霊岩の街並み。

山頂から西側には、獅子(サヂャ)峰・メ峰といった岩峰が続く。

これら岩峰群を巻くコースもあるが、冬期間は閉鎖されていた。

前回に来た時は、そのコースを歩いて、クルン(雲)橋へ下った。

今回は駐車場へ直接下るコースをとる。最初は急な階段道が続く。

正午を過ぎても、気温は上がらず、雪はサラサラに乾燥している。

スパッツは付けていないのだが、靴下が濡れるということはない。

ローカットのスニーカーだけで、歩いている人も何人か見かけた。

岩峰群を正面に見ながら、階段道で割と順調に高度を下げて行く。

というのも前回のクルン橋経由のコースは、長かった記憶がある。

雪が岩を益々際立たせている。しばし立ち止まり景色に見とれる。

岩峰と岩峰を結ぶクルンタリ(雲の橋)が遠望できる。橋がないと

登れない訳でなく、観光客誘致の為のアイテムと考えた方が良い。

冬季間も橋までは登れるので、人影が見え隠れする。長さ約50m。

道が谷底へ下るとすぐにクルンタリへの分岐がある。400mだが、

今日は潭陽(タミャン)まで行って、泊まるつもりなの寄らずに帰る。

霊岩側の登山口に下って来た。公園事務所があり、月出山の表玄関。

但しバスの便はないので、タクシー利用となる。駐車場まで下ると1台

停まっていたが、肝心の運転手がいない。少し待っていたが現れない。

その様子を見兼て、自家用車のお二人から「乗って行きませんか。」と

声を掛った。木浦から来られたテコンドーの先生。霊岩バスターミナル

で降ろして貰い、5分後には光州行きのバスに乗車できた。感謝です。