やびつ登坂力学

やびつとは、このコースのこと。
http://www7.plala.or.jp/parc-fermes/bicycle/tama/yabitsu/yabitsu.htm
計測区間が異なることがありますが、まあ細かいことは気にしない。

基本:

fWs = Mgh (エネルギー保存則)

M: 総重量、自転車+人間+諸装備
W: 平均仕事率、単位Watt
s: TTタイム、登りはじめから登り終わりまでにかかった時間
g: 重力加速度 9.8m/s2
h: 高さ、やびつの場合、600m
f: 登坂抵抗 投入する仕事のうち、重力に逆らって総重量を持ち上げる仕事に使われる
割合

時速20km/h以下の場合は、fは100%に近いと思っていていいだろう。非常に状態の悪い自転車だとそうでないかもしれないが、やびつに登る人にそんなことは考えられない。(走行抵抗を知りたい方は、これが役に立つでしょう。http://www.geocities.jp/jitensha_tanken/power_req.html

なので、つぎのように変形できる。
s = Mgh/W

私の場合

体重80kgでパワーウェイトレシオが2とか3とかだと200Wくらいだろう。
http://dx.cyclingtime.com/series/cts_val/vol002/index.html
よって

M = 100kg
h = 600m
W = 200W

これを計算すると、
s = 3000s
なので、50分くらいになる。
ちなみに

  • 45分(2700s)で走れば217W
  • 40分(2400s)で走れば245W(3W/kg)
  • 35分(2100s)で走れば280W
  • 30分(1800s)で走れば325W

となる。注:先日よっぱらって計算した値は間違っている。

世界トップレベル選手の場合

http://dx.cyclingtime.com/series/cts_val/vol002/index.html
この式にttのトップ選手、ファビアンの値を当てはめると200Wの代わりに560Wを使う(パワーウェイトレシオが7とかだろうから)ことになるだろう。またこのクラスが使う自転車は制限一杯に軽いはずなので、88kgとかだろう。

s = 924s

15分とかで登り切る計算になります!このレベルになるともう風の抵抗がかなり効いてきます。なぜならやびつのコース長は10kmなので、このタイムだと40km/hにもなり、平地での空気抵抗が問題になりはじめる速度30kmを大幅に超えていることになるからです。

ハイアマチュアの軽めの男性がよい自転車で走った場合。

軽めの男性(60kg)が軽量な装備8kgで、そこそこのパワー(300W)で登ると

s = 1333

となる。これは22分とかでネットで検索して引っかかるアマチュアの記録よりはやくなります。まあ、20分切ったらあなたはプロでしょう。

片山右京の場合

http://www5.nikkansports.com/sports/cycling/ukyo/2010/04/3007.html
30分らしい。

http://maatpower.com/geinouzin-bmi/-bmi-3.html
片山右京 は 身長 が165cmだそうです。
体重 は軽く60kg。

装備は8kgで見ておけばよいでしょう。
222Wのようです。なのでPower Weight ratioはこの値から推定するに4W/kg前後でしょう。

俳優の鶴見辰吾さん

初挑戦の時は50分、ベストで40分
http://www.legon.jp/shingo_tsurumi/2008/04/post_27.html
体重は60-65kg付近。総重量72kgで推定すると180Wくらいです。

富士ヒルクライムとの比較

やびつのほぼ倍、です。
http://www.intermax.co.jp/news/news_2008_05.html

Mt.富士ヒルクライム』の概要
 受付:5月31日(土)
 レース:6月1日(日)
  ・ スタート:富士北麓公園 (計測開始地点:料金所手前)
  ・ フィニッシュ:富士山五合目
  ・ 距離 :25km (計測部分24km)
  ・ 標高差:1,270m(計測部分1,255m)
  ・ 勾配:平均5.2%、最大7.8%

乗鞍ヒルクライムとの比較

http://www.mspo.jp/norikura/



距離: 20km
標高差: 1260m
富士ヒルクライムと同じ。ただし、コース全体の標高がそもそもに高く、特に終わりは2700mもあるのでかなり酸素が薄い。かなり厳しい条件。