ずっと見たかったんですよ。でもなぜかNETFLIXでは貸し出さないんですよ。仕方ないので、ライバルのブロックバスターの宅配の会員になったんですよ。所がずっーーーーとLong Wait。貸し出してるっていうの、嘘じゃねーと思ってたら、6ヵ月後に届きましたヾ(;´▽`A`` 確実にDVD買っちゃった方が安かったねー。
アル・シャープトンにそっくりの怪しいおじさんがインタビュアー。1995年にニューヨークのクリントン刑務所に居た時にトゥパックにインタビューした全映像。このアル・シャープトンに似たおじさんは、コミュニティの活動家なのかな?トゥパックの後ろには、ちょうどその頃に世間の注目を集めていたロバート・”ヤミー”・サンディファーの看板があった。ヤミーは、11歳でシカゴで亡くなっている。生前彼はギャングに属していて、強盗から放火、そして殺人もやっていた。しかし告げ口を恐れた同じギャングメンバーが彼を殺してしまう。その話が「タイム」誌で表紙のカバーストーリーとして取り上げられて注目されていた。それを受けて、トゥパックが若者とギャングと暴力について語っている50分弱のインタビュー。この映像はなぜか死後も中々全てが出る事が無かった貴重な映像。この映像のトゥパックが物凄く丁寧にインタビューに答えているのです。いつもの感じでは決してないです。自分の曲が若い子をギャングに走らせているのでは?という質問にとても傷ついた感じで、でも落ち着いた口調で「俺の音楽はギャングスタ・ラップではない。色んな曲を聞いて貰えば、それは分かって貰える筈さ。Thug Lifeは、所謂Thug(悪党)じゃないんだ。若者達へ答えはないけれど、暴力はカッコいい物なんかじゃない。俺は5つの銃弾をこの体に受けて、やっとそれに気づいたんた」等と答えてます。
そして先日この刑務所生活時代に書いていた脚本が映画化されると書きましたが、それについても本人が話していた。その映画はトゥパックの半自伝的作品であるらしい。実は「Poetic Justice / ポエティック・ジャスティス/愛するということ (1993)」や「Juice / ジュース (1992)」では、自分の台詞をアドリブで増やしていた事も明らかにしている。「だから台詞は書きやすかった」とも。そして映画で共演したジャネット・ジャクソンの事なども語ってましたね。キスシーンの前にエイズ検査させられたのはショックだったけど、仕方ないって。そのキスシーンも再テイクは絶対に許されなかったとか。割とフランクに語ってます。そして刑務所内では、マヤ・アンジェロウや孫子を読んだりしていたらしい。でも「若者は絶対に刑務所なんかに来るなよ!」とも言っていた。シャープトン似のインタビュアーが「ラッパーは刑務所生活でインスパイアーされるとか良く言うじゃないか?」といわれると「俺にはそんな事ないね。精神的な物が壊される。他の人は知らないけど、俺は刑務所では曲をあんまり書けないんだ」と話してました。
そして彼がまた預言者ぽい発言をしてます。「ここを出たらすぐに殺されるかもね。でも俺はクールさ」と。いつになく本当に落ち着いていて小奇麗。そして真っ直ぐな目が印象的。「Juice / ジュース (1992)」で見せたあの冷酷な流し目とは全く違う。大人の印象。でもインタビュアーがインタビューの礼を言うと「来てくれて良かったよ。本当なら刑務所に閉じこもってたからね。先日にここで殺人があったから、外のレクリエーションも無くてね。気晴らしが出来たよ」と子供みたいな笑顔も見せていた。しかもテープを聴きながら、アカペラでラップまでしてる。
でもさ、シャープトン似のインタビュアーは「このインタビューは早くみんなに聞いてもらえるようにする」なんて言ってたのに、15年も掛かって、このぉーー!!まあ15年掛かったけれど、この刑務所暮らし前に受けた銃弾の首謀者と言われているジミー・ヘンチマンが逮捕されたのは良かったと思う。これを機にトゥパックの殺人犯も一日も早く捕まって欲しい。そしてちゃんとトゥパックの自伝映画が完成しますように。
(4.75点/5点満点中:DVDにて鑑賞)