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11月7日
古本屋の本棚を眺めても一切文字が目に入ってこない。文字を読む気力がないらしい。そういう日もある。ちらっと本の背表紙に視線を向けただけで通り過ぎ、脇の路地へと入って行く。立派な塀のある大きな家からせり出している色づいた桜の木の葉が地面にたくさん散らばっている。そこをランドセルを背負った小学生2人が犬を連れて歩いている。犬の方が大きいのだから犬が小学生を連れて歩いているように見える。まさか学校に犬を連れて行ったその帰り、ということはないだろうけど、近くに大人の姿も見当たらない。犬はぐいぐいと