映画 『エターナル・サンシャイン』

 今日は、昼間は桜ヶ丘へ買い物に行った。買い物ついでに本屋にふらふら立ち寄ってみると、なんと探していたエドワード・ケアリーの本があった。もうこれは買うしかない。しかしそのときベンヤミンのパサージュ論の2〜5巻も買ってしまったのはどうかな?早急に読む本以外は買うまいと決めた誓いを一日でやぶってしまった。後悔。

 
 夜、南大沢の映画館へ『エターナル・サンシャイン』を観にいった。失恋の痛みに耐え切れずに、彼に関する記憶だけを、ある会社に依頼して消してしまった女性(ケイト・ウィンスレット)がいて、そのことを知った元の彼(ジム・キャリー)も自分も記憶を消してもらいたいと依頼する。でも記憶の消去作業中につらいだけの恋愛の記憶の中に幸せもあったことに気づいて・・・という内容。と紹介すると、すごくハートウォーミングな映画っぽいけれど、そこは『ヒューマンネイチュア』のミシェル・ゴンドリー監督とチャーリー・カウフマンの脚本(カウフマンは、なんといっても『ジョン・マルコヴィッチの穴』でしょう。『アダプテーション』もよかった。)だから、キレまくっています。記憶消去作業中に起きる出来事がこれでもかっていうくらい変で楽しい映像だった。でもだからこそっていうか、途中からぐぐっと切なくなってくる。失恋の記憶とどう向き合っていくのか。記憶は消せれば、そこで全ては「なかったこと」になるのか?ここらへんの映像がすごくよかった。久々、泣ける映画だった。

 今日は、家で他にもヴィスコンティの『ヴェニスに死す』をDVDで観た。この映画ったら、本当におっさんが美少年を追い掛け回すってだけのストーリーなんだけれど、世紀転換期の頃のリドのリゾート・ライフの映像がとにかく凝っている。しかもトーマス・マンの原作、音楽はマーラー5番のアダージェット、背景はヴェネツィア
 Visconti,you win.