いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



ヒトカケラ (MF文庫J)

「ヒトカケラ」星家なこ(MF文庫J
ヒトカケラ (MF文庫 J ほ 2-1)

学園屈指の美少女である蓬莱ありすに片想い真っ最中の平凡な高校生・神崎輝幸。そんな輝幸に突然チャンスがおとずれる。なぜかありすに「失くしたものを一緒に捜してほしい」とお願いされたのだ! 一片の迷いなく引き受けた輝幸だったが、捜したいのは「私のかけら」と言われてしまって――。幼なじみにアドバイスをもらいつつ、クラスメイトの意味不明な言動を無視しつつ、後輩からの積極的なアタックをかわしつつ、輝幸とありすの「かけら」捜しが今、始まる――。第3回MF文庫Jライトノベル新人賞〈佳作〉受賞。少しだけ何かが変わる学園ファンタジー


色々不思議設定はあるけど、基本的には切なく甘酸っぱい初恋の物語。静かでちょっとほんわかするいい雰囲気を醸し出している。また視点を換えた二部構成で、chapter1だけだったら切なさ辛さが強く残ってしまっただろうけど、chapter2があるおかげで読後感も悪くない。
が、どうしても許せないことが一つ。それは登場人物に“人間”を語らせてしまったこと。その内容がどこかで聞いたことあるようなものとか小中学生が考えそうな内容なので読んでて痛々しい。これが物語を安っぽくしてしまった気がしてならない。
雰囲気が好みなので次の作品に期待ということで。