いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



とぅ うぃっち せる! (電撃文庫)

「とぅ うぃっち せる!」一色銀河電撃文庫
とぅ うぃっち せる! (電撃文庫)

人見知りの激しい金髪少女、美鈴川エステルとお淑やかで誰にでも優しい女の子、黒瀬さくら。いつも一緒にいるそんな二人を(主として好みのタイプのさくらちゃんを)ボクはずっと気にしてた。でも、とある事情から、ボクは二人がずっと一緒にいる理由を知ってしまう。そう、ボクが「さくらちゃん」になってしまうことによって……。
って何それ!? どうゆう状況!? いやいや確かに男の子なら一度は夢見ることですケド! でも『魔女』とか『魔法』とかいったいナニ!?
そしてこんなボクが、やらなければならないことって──?


ジャンルはTS+魔法少女。といっても、魔法少女ものとしては変身がないし、TSもの特有のエロコメ表現は薄め。
本題は劣等感の塊のような女の子をいかにして前を向かせるかという真っ当な青春もの。
主人公の小林くんが良かった。
序盤は好きな女の子(さくら)の身体に入れ替わった割にはあっけらかんとしていて、TSものなのにドキドキが無いってどうなの?と思っていたが、エステルへの態度で印象が一辺。エステルの心の機微に気付ける洞察力とそれに対する気遣い、エステルがどんなに卑屈になっても諦めない一生懸命さと根気の良さ。彼には男気を見せてもらった。(男気って表紙の萌絵に似合わない言葉だなぁw
TSものとしては肩透かし食らった感じだけど、青春小説として良かった。


・・・んだけど、
この作者、野球ものを書いてる方が活き活きしてるような気がするのは私も野球好きだからなんだろうか?
本音を言えばこれより「そらいろな」の続きが読みたい。無理だけど。