いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



大正野球娘。―帝都たこ焼き娘。 (トクマ・ノベルズEdge)

「帝都たこ焼き娘。大正野球娘。3」神楽坂淳トクマ・ノベルズEdge
帝都たこ焼き娘。―大正野球娘。〈3〉 (トクマ・ノベルズEdge)

大正十四年、秋。東邦星華高等女学院に通う小梅は巴から新宿でランデヴーしないかと誘われた、不良が多いとウワサの新宿を、どきどきしながら歩く小梅と巴。その最中、乃枝によく似た女の子と出会う。女の子は乃枝の従姉妹で紅葉という。「東京においしいものはないから」と大阪から屋台対決をしに東京まで来たらしい! 屋台での東西対決を挑まれ、受けて立つ決意をする桜花会。しかしお嬢様たちは庶民が使う「屋台」がどういうものか分からなくて…。


ちょ、野球しないのかよw それでこのタイトルなのか、納得した。
というわけで今回は野球ではなく屋台で料理対決。大正時代の女学生達が“はしたないこと”をするという点と、いつも通りの明るく頑張る小梅の姿があるので野球がなくても違和感はなし。
キャラ小説としての見所は巴と胡蝶かな。
巴さん、とても百合っぽいです。いいですねw 押しの強い巴と微妙にズレた反応をする小梅にニヤニヤ。「ランデヴー」(デートの意)という単語が妙に艶かしく感じるのは何故だろう?
初活躍?な胡蝶の方もほんのり百合風味。こちらは小梅の反応のせいか? 胡蝶のキャラが小梅と被るからなのか、みんなのマスコット的な小梅が珍しくお姉さんしているからなのか、なんともいえないほんわかムードがいい。
と、小梅達女学生を読んでいるだけでも楽しいのだけど、今回はそれよりも強烈なものが、、、
なんだこの脅威のはらへり小説。
ロシアケーキを皮切りに和あり洋あり甘味ありの食べ物のオンパレード。しかも、その一つ一つの説明やキャラの反応が丁寧で否応なしに食欲をそそる。特に和食好きとしては、すず川の蕪の茶碗蒸しと小梅作の純和風のたこ焼き(どちらかといえば明石焼きに近い?)は強烈だった。
それにしても『激辛!夏風高校カレー部』といいこれといい食べ物を文章だけで美味しそうに表現するのが本当に上手い。深夜に読んだことをこれほど後悔した本は他にない。
面白かったけど腹減ったw
次回、東西乙女野球合戦!


・・・ところで、小梅の英語はどうなった?