いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「蒼穹のカルマ3」橘公司(富士見ファンタジア文庫)

蒼穹のカルマ3 (富士見ファンタジア文庫)
蒼穹のカルマ3 (富士見ファンタジア文庫)

わたし、鷹崎駆真。十七歳の高校生。花も恥じらう乙女なわたしだけど、今は食べかけのトーストをくわえて、通学路を全力疾走中。
何とか遅刻せずに教室に辿り着いたけど。槙奈ちゃんはさっそくわたしにつっかかってくる。もうッ! イジワルなんだから。
「あらあら駄目よケンカしちゃ。私たちクラスメートじゃない」
柔らかい声でたしなめてくる草薙音音ちゃん。ううっ敵わないな……、さすが蒼穹園騎士団の元帥さん。逆らえないよ〜。
「……鷹崎、もうそれいいから」
槙奈の声で我に返る――こんな不自然極まりない学校生活。
誰もが予測不能なまさかの学園ラブコメ編いよいよスタートか!?


3巻はまさかの学園編。いや、何でもありのこの作品で“まさか”は無いか。
それにしても1巻は異世界に行って魔王と戦ったり神になったりしてたのに、ここにきてスクールライフとは。2巻の微スケールダウンと違って、ここまで思い切ってスケールダウンしてくれるといっそ清々しいねw
でも、出だしのインパクトは過去最高かも。
口絵の駆真のぶっ飛び具合と、プロローグの地の文と台詞のギャップが笑える笑える。小説でこんなに見事な出オチをかましてくれるとは。
さて、平和?な学園生活の中で我らが駆真さんはというと・・・
やっぱりところ構わず突っ走っておいででしたw
前途のとおり口絵から凄いと思ったけど、まさか中身(本文)も一貫してそのままのテンションとか。もうヤダこの変態(誉め言葉 中でも印象的だったのは1巻で対決したとある人物との再戦。戦闘シーンはわりと真剣なのに、シチュエーションと再開シーンのアホらしさに笑いなくしては読めない。
そんな訳で今回も笑った、面白かった。
ただ、次に向けては少し不安が。
在紗の秘密や空獣の不穏な動きなどのきな臭い伏線と衝撃のラストでシリアス必至な流れなのだが、シリアスになると作品の面白さが半減しそう。でも、何でもありの作風とあの駆真さんだからなあ。不安半分期待半分で次巻を待とう。