いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「蒼穹のカルマ4」橘公司(富士見ファンタジア文庫)

蒼穹のカルマ4 (富士見ファンタジア文庫)
蒼穹のカルマ4 (富士見ファンタジア文庫)

「もうすぐ全てが叶い、全てが終わる」
古い古城の一室に、魔王タカサキ・カルマの静かな声が響く、
レーベンシュアイツを襲うかつてない危機。もはやこの国を救えるのは魔王を倒すことが出来る勇者のみ。人々の希望を託された勇者タカサキ・アリサ、盟術師アステナ、戦士ウタ、遊び人マキナの四人は長い冒険を経てついに魔王城に辿り着いた。
「よくここまで辿り着いたな。しかし、もう終わりだ」
「……私は、あなたには負けません……っ!」
レーベンシュアイツの運命を決する戦いが今、始まろうとしていた。またもや予想を裏切る今度は本格ファンタジー編だっ!?


騎士団を辞めた駆馬の次の就職先はなんと異世界の魔王のところ。そればかりか魔王を取り込んで自分が魔王になってるし。流石です駆真さん。これほど魔王が似合う主人公は他にいませんよ! しかし、どこまで行っても予想の斜め上を行かれるなあw
そんなわけで1巻以来のレーベンシュアイツでRPG(ドラクエ3色が濃い)のような展開。
最凶の魔王カルマと相見えるのは勇者Lv1、魔法使いLv40、戦士Lv99、遊び人Lv60(いずれも推定)の凸凹パーティ。勇者Lv1がいる時点で結果は見えてるんだけど、そこまでの過程が酷い(誉め言葉。お約束というお約束を全てなぎ倒していく両陣営の姿に開いた口が塞がらなかった。
他で特に面白かったのは、カルマと(元)魔王の掛け合い。「在紗」という単語が出てきた瞬間に態度が豹変する会話が面白い。よく考えると魔王さんは4巻中3巻出てるな。ほぼレギュラーじゃんw
今回も大いに笑った。それにしても毎回こんな思いっきり遊んでいるような内容なのに、本筋(在紗の秘密等)はきっちり進んでいるのが不思議なんだよな、このシリーズ。
諸悪の根源?の登場で次こそシリアス路線・・・なわけないか。どう転んでも真っ当な話にはならないんだろうなあw



口絵、挿絵のチョイスも趣味と変態が程よく混じっていて最高だった。
唯一の心残りは魔王そうきゅんの挿絵が無いことだが、それは次に期待。