いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「花×華」岩田洋(電撃文庫)

花×華 (電撃文庫)
花×華 (電撃文庫)

“もう一度、あなたに撮られたい”
高校二年の春休み、園端夕の許に届いた心揺さぶるラブレター。だがその手紙に記された“はな”という女の子の心当たりは二人いた。一人は身長も低く、周囲に“華さま”と慕われている愛らしいミニチュア人形のようなお嬢様、東雲華。もう一人は、元気で運動神経もよく、どこか俊敏な小動物を思わせるポップでキュートな成宮花。
その二人ともが同じクラスになって、席替えでも強引に隣にやってきて、さらに夕と同じ映像研に入ってくるほど猛烈なアピールを繰り返してくる。手紙の主が気になる夕は、彼女たちをヒロインにして一緒に映画を撮り始めるのだが──。
“だぶるはな”で送る学園ラブコメ登場!


この3人、いいな。メインの3人の真面目さ、真剣な姿勢が好き。
主人公の夕は二人のことも自分のことも真面目に考え成長していく誠実さに好感が持てる。華と花はそれぞれ違った可愛さがあるのはもちろん、喧嘩ばかりでも本当に犬猿の仲というわけではなく、お互いを尊重しあっている関係性がいい。(ちなみに私は華さま派)
ストーリーとしてはあらすじとオープニングではドタバタラブコメにしか見えなかったのに、蓋を開けてみたら青春一直線。主人公の才能、映画撮影の感覚的な話はよく分からなかったけど、青春ものの醍醐味であるみんなで一つのものを作っていく過程は十分に味わえた。
ただ、終わり方が微妙。
告白の答えには期待していなかったけど、あれだけ夕に撮られることを望んだ二人が、出来た映像を見ていない状態で終わるのは納得できない。
力いっぱい青春してるなーっていうのが十二分に伝わってきて面白かったが、このままではスッキリしない。表紙を二人じゃなく一人にしたということは最低後一巻は続くものと予想するが、続きはあるのだろうか。