いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「聖剣の刀鍛冶9」三浦勇雄(MF文庫J)

聖剣の刀鍛冶<9>(MF文庫J)
聖剣の刀鍛冶<9> (MF文庫J) (MF文庫 J み 1-17)

激戦をかいくぐったセシリーとアリア。
その影響か、アリアは剣の姿に変化できなくなってしまう。アリアが気に病まないようにと努めて明るく振る舞うセシリーだが、その胸裏を引き裂くように事件が起こる。風の魔剣を操る侵入者にアリアが奪われたのだ!! 囚われのアリアを救い出すべく救出部隊に志願したセシリー。
異国の戦地で、魔剣を持たないセシリーは――!?
壮大なファンタジー叙事、疾風迅雷、一切の静穏を砕き飛ばす破剣の進撃!!


束の間の安息が終わりセシリー達にそれぞれに更なる試練が!な9巻。
誰も彼もが“覚悟”を強いられる物語、今回はアリアの回。
前回見えたほんの少しの希望など簡単に打ち砕くように、アリアに突きつけられる現実の数々。そんな絶望してもおかしくない状況で、持ち前の負けん気と魔剣としての覚悟で立ち向かう彼女の姿が熱い、そして切ない。ラストシーンでは思わず涙が。
セシリーとルークに関しては、自分では気付かずに成長しているセシリーに対し、未だに前に進めないルークと対象的だった。後れを取っていたはずのセシリーがどんどん前に行こうとしているので、ルーク視点の時のもどかしさといったら。なかなか並んで歩けないなこの二人。
そして、双方相変わらずのピンチなのだが、、、この程度のピンチではぬるいと感じてしまうのは、このシリーズに毒されすぎかな。
このラスト、次はヒルダ活躍回か?