いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「魔王城 五限目」田口仙年堂(ファミ通文庫)

魔王城五限目 (ファミ通文庫)
魔王城五限目 (ファミ通文庫)

魔王の遺児、歩く災厄──魔人。そう呼ばれる子供たちを守るため、「魔王」となることを決意したエイゴ。国王に直談判するため王都に向かって進軍を開始するが、その行く手には、義勇軍と正規軍の大部隊が待ちかまえていた。一方、王都で20年前の魔王戦争について調べるハイナートとギビングは、その過程で、英雄のある秘密を知ってしまい──。過去の魔王の想い、英雄の願いと罪。すべてを知った魔王エイゴが選ぶ道とは!?
好評シリーズ、感動の大団円!

ついに明かされてる魔人出生の秘密と二十年前の魔王と英雄の真実。そして現魔王となったエイゴは・・・!? なシリーズ最終巻



予告通りにきっちりとハッピーエンドで終わってくれました。
いや、最後はハッピーエンドでもそこまで辿り着く道はもっとドロドロで痛々しいものを覚悟していたのに、なかなかどうして。もちろん痛みはあるけれど、エイゴの性格のように晴れやかで、かつ納得できる形で締めてくれて、読後感は予想外にスッキリしたものに。
それ以外にもまさかの戦争の行方に、まさかの英雄の正体にと、最終巻は予想外が多く何度も驚かされて楽しかった。まあ、一番のサプライズはエピローグでのメイのプロフィールだったけどw
あと、忘れちゃいけないのが狂気の人ハイナート。この人だけは予想通り魔王より魔王らしい活躍だったわけだけど、、、
魔人の子供達の明確な敵として立ち位置だった彼女だけど、制御できない「英雄という幻想」という魔力に取り付かれてしまったこの人も、ある意味“魔人”だったんだなあ。あの最期は彼女に救いはあったんだろうか?
人を正しく理解することの難しさと大切さを改めて教えてくれる、素晴らしいシリーズだった。
次回作のお○っこ期待してます!w