いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「完全超悪って奴だね」

メジャーは20連戦とか平気でやってるのに、日本はなんでこんなに日程がスカスカなんだ(´・ω・`)



仕事場のPC替えがなかなか進まず。自分のはさっさと終わらせたのにねw
同時に資料(紙媒体)の整理とかしてるから悪いんです、わかってます。でも、はじめてしまったものはしょうがない。
そういえば、複合機の設定はわからんなぁ。リ○ーに来てもらうしかないか(-ω-;)

「キミとは致命的なズレがある」赤月カケヤ(ガガガ文庫)

キミとは致命的なズレがある (ガガガ文庫)
キミとは致命的なズレがある (ガガガ文庫)

海里克也は保健室で目を覚ました。なぜここにいるのか? 保健医の鏡司によると、階段で転んで気を失っていたらしい。……覚えていない。十歳のとき、大きな事故で両親と記憶を失ってしまった克也には、ここ数年の記憶しかない。また記憶が消えてしまったのだろうか。「見えないモノが見えてないか?」そんな司の問い掛けにドキリとする。──自販機の陰から伸びる少女の姿態──突如現れ克也を責める不幸の手紙──少女の死の映像と命を狩る指の感触。これは幻覚? それとも──?
第5回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞!


さすがはガガガ文庫の優秀賞。まったくライトではないライトノベルが出てきたよ。
心理学の分野を大いに組み込んだサイコホラー。狂気の程度は『みーまー』に似ていて、そこから軽さ(おふざけ)を抜いた感じか。文章はこちらのほうがずっと読みやすい。


前半はがっつり心理ホラー。
自分は多重人格で殺人鬼ではないか、蘇る記憶の断片と周りの人間の不穏な行動で疑心暗鬼になり、主人公が精神的にじわじわと追い詰められていく様子にゾクゾクする。しかも、ただ主人公の精神を壊していくだけでなく心理学を用いて論理的に心理を描写しているところがリアリティがあってなお怖い。
後半はミステリ風味+猟奇。
どうやら犯人は主人公ではなさそうだが、では真犯人は?というミステリ風な楽しみがありつつ、その犯人の狂気にも飲まれる。早々強引な解法であったが丁寧に伏線を拾いきっているところも好感が持てる。
正直好みのジャンルではないので十分に楽しめたかというと微妙なところだが、それでもストレスなく最後まで読ませる勢いと完成度。
良くも悪くもインパクトのある強い作品だった。



〜おまけの独り言〜
249ページの□□ちゃんの表記が気になって仕方ないのだが・・・
□□は名前を隠したい時に使ってただけで、過去回想の□□とは別人だとは思うのだけど、文字数が合わなかったり、過去回想が249の□□ちゃんではないという断定できる理由がないんだよなあ。
なのでラストで そう、なんとなく、もう一度――――ギャーッって展開を想像してしまった。