いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「彼女と僕の伝奇的学問」水沢あきと(メディアワークス文庫)

彼女と僕の伝奇的学問 (メディアワークス文庫)
彼女と僕の伝奇的学問 (メディアワークス文庫)

明応大学・民間伝承研究会のメンバーは、ある日『実地調査(フィールドワーク)』のため、山奥にある葦加賀村を訪れた。高校からの知り合いである新垣七海の誘いで会員になった民俗学初心者の大学1年・能見啓介はその矢先、白いワンピースを着た謎の人影を目撃する。彼女に大学の同級生「弓立桜花」の面影を見た啓介は、訝しみながらも村で行われる祭事のリサーチを進めていく。
だが村の人々と交流を深めるうち、彼らは村人たちに不審な点があることに気づく。深夜の謎のかがり火、メンバー以外のよそ者に対する過剰な反応……。
果たして《祭事》に秘められた真相とは。そして啓介が見た人物との関係は――!?

前作のIT関係の社会人の物語から大きく変わって民俗学に携わる大学生の話。



閉鎖的な山村、男のアレを祭る祭に 何故かいるクラスメイトの女の子、裏がありそうな村人の反応。ここまで条件がそろっている上に、エロマンガやエロゲなら○されて○れること間違いなしのシチュエーションでも一般小説でそんなことが起こるはずがないので、自ずと展開は絞られる。
そんなわけで開始早々に先がバレバレになってしまったので、どうやって救出するかや、主人公の活躍と恋の始まり辺りに期待して読んだのだけど……。
主人公はヘタレで活躍するのは早池峰雪希(大学1年・ちょっと不思議系ロリ美少女)、後半は主人公とヒロインの一対一の会話なし、オチは大ピンチから一気に盛り下がる上に居たたまれない気分になるという残念な結果に。
民俗学の考察や、民俗学者が悪しき風習にどこまで踏み込んでいいのかを真剣に考えているところなんかには少し興味をそそられたけど、元々民俗学にはあまり興味がないし、中盤は村人の行動に嫌な気分にさせられるしで、あまり楽しめるところがなかった。