2012-11-26

六花の勇者 3 (六花の勇者シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)

テグネウの脅威にさらされたまま、魔哭領を奥へと進む六花の勇者たち。
その道中、ゴルドフが突如「姫を助けに行く」とだけ告げ、アドレットの制止を振り切って姿を消す。
不可解なゴルドフの行動に、六花は再び混乱に陥る。
ゴルドフが「七人目」なのか、それとも何かの策略にはめられているのか…！？
さらに、再び現れたテグネウは凶魔たちの内紛について語り、挙句に自分と手を組まないかと提案をしてくる。
果たしてその真意とは？
伝説に挑み、謎と戦う、圧倒的ファンタジー、第３幕！

こういう決着もありか。予想外だ。最後の最後まで彼が答えを導き出すんだろうと思っていた。
凶魔が勇者たちに対してだけでなく、作者が読者に対しても何を仕掛けてくるかわからない。これだからこのシリーズは面白い。

３巻は１，２巻から一転してミステリ要素は抑え目、その分焦燥感が大幅増し。そして騎士（ナイト）の物語だった。
再びのテグネウの策略に第三勢力の介入が合わさり、物語はさらなる混沌へと突き進む。智将テグネウと第三勢力のドズーの口から語られる別々の真実。どこまでが真実でどれが嘘なのか、翻弄されるアドレット達は何のために誰と戦っているかわからない状態にまで陥る。
そんなこれまで以上に敵が見えない精神的な泥沼の中で、一人だけ自分の道を貫き通した男がいた。それが今回の主役、騎士・ゴルドフ。
何度も敵の策に引っ掛かっても屈せず、何度挫けそうになっても立ち上がり、焦る心を抑えて機会を待ち、姫救出を成し遂げたその能力と精神力はまさに理想の騎士像。頭の切れるアドレットとは全く違う答えへのプロセスに感心し、最後まで貫き通した一途な恋心と忠誠心にはただただ感動。
彼の生い立ちと孤独な頑張りを見せつけられた後に、このエピローグの扉絵は卑怯だ。涙するしかないじゃないか。
今回は考える要素は少なかったが、その分これまでより圧倒された。面白かった。
次はドズーの語りから？　まだわからない七人目に共闘の真意と期間、テグネウの次なる策は？と気になることが沢山。４巻が待ち遠しい。

いつも月夜に本と酒

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寸呟

第二期弁当生活　15日目

「六花の勇者３」山形石雄（スーパーダッシュ文庫）

お返事（11月23日分）