いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「選ばれすぎしもの!3」峰守ひろかず(電撃文庫)

選ばれすぎしもの! 3 (電撃文庫)
選ばれすぎしもの! 3 (電撃文庫)

異世界の王女マヤが加わり7人となったヒロイン達と暮らす、僕こと水尾護。勇者として異世界の平和を護る……はずが何故かビーチで男だらけ。ビーチということは水着に着替えたヒロイン達が勢ぞろいですよね! しかし水着イベントをも凌ぐ更なるお色気がイベントが待ち構えていようとは! 護は襲い掛かるヒロイン達から逃げ切れるのか!?
そんな苦難?を乗り越えた護だが、偽勇者ゴルディアスの正体を暴くため旅立つ決意をする。護と一緒に行けるのは1人だけ。護が選ぶヒロインは誰になるのか!?
こき使われ系勇者の物語、完結!

最終巻。
3巻くらいの内容を1巻に凝縮しようというコンセプトの作品なので元々駆け足感はあるのだけど、今回はさらに駆け足。短編集のようなテンポの良さと、なんとくなく物足りない薄さが同居する。
一番言いたいのはやっぱこれよね。
ごちそーさまでしたー!
いやはや、これだけヒロインがいても一人に決めてきちんと返事をするというのは、大変気持ちのいいものですね。ハーレムラブコメの有耶無耶エンドなんて犬も食わないよ。告白後のイチャイチャ時間は少なかったけど、その前にやっているので甘味成分も申し分なし。
全体的に見ても圧倒的なゆるさとそこはかと流れる誠実さ、この作風が好きなので最後まで問題なく楽しめた。
ただ、前作『俺ミーツリトルデビル!』といい今作といい最終的な感想が「イタチさん超えられないなあ」になってしまう。好きな作風なので追いかけるつもりではいるけど、そろそろ一皮剥けた何かがほしい。
4月に(ライトノベルじゃないと言い張る)メディアワークス文庫で出る新作に変化を期待する。